2019年度工学院大学 教職課程科目

教育原論(Principles of Education)[9012]

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4単位
内山 宗昭 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<授業のねらい>
教育に関する基礎・基本的な原理・理論、思想、また制度や歴史、学校の営みについての講義を中心に、教職課程の学習を進める学生が、教育に関する基本的な概念・知識および考え方、法規や政策動向等について学ぶとともに、学校教育の社会的・制度的・経営的事項について、さらに現代の学校の学持つ課題ならびに、学校と地域の連携、学校安全への対応に関する知識を身につけることをねらいとする。教職教養として、基礎知識の理解とともに、それを土台として、各自の教職についての理解と考えを深めてゆくことができるよう目指す。

<受講にあたっての前提条件>
教職課程学習の基本的な講義となる。並行して学習する教職課程の他の学習と結びつけながら学習を進めてほしい。

<具体的な到達目標>
具体的達成目標及びテーマは次の通り。1)学校教育、社会教育の現在の動向と課題について関心を持ち、教育を担う側の視点から考えることを身につける。2)教育法規等の基本的な知識を修得する。3)小論やレポートの作成を通じて、教育についての問題関心を深め、考えて、それを客観的に表現しうる力を養う。4) 教育思想史、学校論、子ども論、カリキュラム・教育方法論、教育行政・制度論、社会教育、教育史、教育の国際的動向等の学習を通じ基本的な概念・知識の習得を図る。
特に達成すべき点は次の通り。5)教育の理念・本質について教育学の基本的概念と教育を構成する諸要素と諸関係を理解している。6)教育史・教育思想史を基に近代公教育制度の成立や現代の教育課題について史的考察が出来ること。7)多様な教育思想・理論に触れ、各自の教育観を形成してゆくこと。8)現代社会の状況変化と学校、教育政策、国際的動向を知り、教育の現代的課題について理解している。9)公教育の原理、関係法規、行政の仕組み、課題を理解している。10)学校経営の在り方、学校経営のPDCA、学級経営とその方法、教職員と学校外関係者・機関との連携・協働の意義を理解している。11)学校と地域社会との連携について、開かれた学校づくりを始め、その経緯・方法・可能性について理解している。12)学校安全の目的と具体的な取組について理解している。

<授業計画及び準備学習>
1.[教育の意義論・本質論(1)] 教育の概念の検討。学校・社会・家庭教育。教育観の類型と諸相。
準備学習 教育の意義についてまとめる 
2.[教育の意義論・本質論(2)] 公教育制度を構成している教育関係法規について。教育制度と教育・学習権の課題を考える。小レポート実施。
準備学習 レポートの課題を振り返る
3.[学校の歴史(1)] 学校の起源。近代以前の教育史・教育思想。
準備学習 文字教育の意義についてまとめる 
4.[学校の歴史(2)] 近代公教育制度の成立と改革。近代教育史・思想史。
準備学習 公教育の意義について調べる
5.[学校の機能について(1)] 家族・地域社会の変遷と学校の機能。公教育制度とその関係法規。
準備学習 公教育の原理及び法規についてのまとめ 
6.[学校の機能について(2)] 公教育制度と改革。現代の教育思想。現代社会と学校、教育制度をめぐる諸課題。
準備学習 現代社会における学校の意義についてまとめる
7.[学校経営] 学校経営の内容と課題。学校評価とPDCA。 地域社会と開かれた学校経営。学校外の関係者・機関との連携・協働。
準備学習「開かれた学校経営」について調べる
8.[学級経営] 学級経営 学級経営の内容・方法と課題。
準備学習 学級経営について調べる
9.[社会教育・生涯学習] 生涯学習論・政策とその事例について。
準備学習 社会教育・生涯学習全般について調べる
10.[学社連携(1)] 学校と地域社会との連携・協働・融合について。学社連携の多様な在り方。博物館と学校の連携。
準備学習 学社連携の可能性についてまとめ
11.[学社連携(2)] 広義の学校開放や開かれた学校について。小レポート実施。 
準備学習 「地域に開かれた学校」についてまとめる
12.[日本の教育の歴史(1)] 近代以前の教育について。
準備学習 教育史のまとめ(近代以前)
13.[日本の教育の歴史(2)] 近代以降〜戦前の教育史。学校制度の発展。
準備学習 教育史のまとめ(戦前)
14.[日本の教育の歴史(3)] 戦後〜現代の教育史。学習指導要領の変遷。
準備学習 教育史のまとめ(戦後)。前期学習の整理・レポート課題実施。各自レポート課題の焦点化
15.[子どもを取り巻く環境(1)] 家族史・社会史と学校。子ども観の変遷。
準備学習 子どもの環境について意見交換の準備
16.[子どもを取り巻く環境(2)] 子どもを取り巻く様々な環境について。子どもとメディア。子どもと人権。
準備学習 ディスカッションのまとめ
17.[現代社会と教育・学校(1)] 学校をめぐる様々な状況の変化、生徒を取り巻く生活の変化と指導上の課題。
準備学習 現代社会の変化と教育の在り方についてまとめる。 
18.[現代社会と教育・学校(2)]  教育政策等、現代の教育課題への対応について。小レポート実施。
準備学習 レポートの課題を整理
19.[カリキュラム・教育方法論(1)] カリキュラムの類型。感覚的実学主義、新教育運動の系譜等、教育思想史と現代の教育方法論。
準備学習 カリキュラム類型についてまとめ
20.[カリキュラム・教育方法論(2)] 系統学習と経験学習。教育方法の今後。小レポート実施。
準備学習 カリキュラム・教育方法の今後の展望をまとめ
21.[教育行政・制度論(1)] 教育行政の組織と運営。
準備学習 教育行政についてまとめ
22.[教育行政・制度論(2)]  公教育制度の法的・制度な仕組みについて。教育制度の諸課題の事例。
準備学習 関係法規の復習と課題よりまとめ
23.[現代社会と教育改革(1)]  教育政策の動向について。
準備学習 教育政策の動向よりテーマを選択しまとめ
24.[現代社会と教育改革(2)] カリキュラム改革。学校教育・社会教育連の連携による改革等。小レポート実施。
準備学習 意見交換の整理 学社連携の可能性についてまとめ
25.[学校安全への対応] 学校安全の目的とその具体的取組。学校の安全管理と安全教育をめぐる課題について。
準備学習 学校安全についてまとめ
26.[国際社会と教育(1)] 諸外国の教育事情や教育改革の動向。ESD、国際理解教育、環境教育、開発教育について
準備学習 環境教育について調べる
27.[国際社会と教育(2)] 世界の教育課題。多文化教育。
準備学習 多文化教育について調べる
28.[まとめ・学習内容の振り返り 課題学習] 全体のまとめ。課題の実施。
準備学習 学習内容の総整理を行う
各テーマに即した小論が書けるように準備する。夏期の課題は、長期の課題学習でもある。また普段からの教職教養学習全般についての指導は、常時実施する。

<成績評価方法>
試験を最後に実施する(70%) 、講義時に書いてもらう小レポート(30%)を総合して評価する。Grade D 以上の者に単位を認める。

<教科書>
指定教科書なし。

<参考書>
講義時にテーマごとに紹介する。

<オフィスアワー>
八王子校舎 水曜日13:00〜13:30 総合教育棟 1E-309研究室
新宿校舎  木曜日13:00〜14:00 A-2733研究室
ft87115@ns.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
まず、教育について自分の考えを持つきっかけにして欲しい。学習をしてゆく中で、いろいろな角度から教育を深く考えてゆけるよう、学生諸君も意識的に学習することを是非心がけて欲しい。


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