2019年度工学院大学 先進工学部
物理化学演習I(Practice of Physical Chemistry I)[4233]
1単位 渡辺 秀夫 非常勤講師
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ◎ | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 本講は、並行して開講する「物理化学I」の授業内容(熱力学の基礎知識・理論)について、演習を通じてより理解を深める事を目的とする。従って、演習内容は「物理化学I」の授業計画に示した内容に沿って実施する。
- <受講にあたっての前提条件>
- ●前期開講の「微分」「積分」「化学1」「物理学1」の内容を復習し良く理解していること。
●初等関数の簡単な微分・積分計算ができること。 ●並行して開講する「物理化学I」と併せて履修することが好ましい(もしくは「物理化学I」を既習)。
- <具体的な到達目標>
- ●巨視的な物理量と単位を理解し、単位換算ができる。
●完全気体と実在気体の性質の違いを理解した上で、状態方程式を用いた計算ができる。 ●熱力学第1法則の内容を理解し、気体の状態変化における仕事や熱の収支の計算ができる。 ●エンタルピーの概念を理解し、物理・化学変化におけるエンタルピー変化の計算ができる。 ●熱力学第2法則の内容を理解し、さまざまな過程のエントロピー変化の計算ができる。 ●ギブズエネルギーの概念を理解し、さまざまな反応のギブズエネルギー変化の計算ができる。
- <授業計画及び準備学習>
- 以下の内容(物理化学I)について演習問題を行う。計算演習が中心となるので、指定の教科書、授業用ノート、関数電卓を持参すること。
------------------------------------------------------ 第1週 物理量と単位、気体の性質:復習、導入 物理量と単位の復習をし、高校で学習した気体の性質について解説する。 準備学習:教科書p.5(A・3)〜p.15(B・2)を予習する。 第2週 気体の性質、気体の分子運動論 完全気体の性質、気体の分子運動論について解説する。 準備学習:前回の復習と教科書p.29〜44を予習する。 第3週 実在気体 完全気体と実在気体の性質の違いとファンデルワールス状態方程式を解説する。 準備学習:前回までの復習と教科書p.45〜55の予習する。 第4週 熱力学第1法則の基礎的な概念 内部エネルギーの定義、膨張の仕事、熱のやり取りについて解説する。 準備学習:前回までの復習と教科書p.66〜77を予習する。 第5週 エンタルピーの概念と熱化学 エンタルピーの概念、熱化学について解説する。 準備学習:前回までの復習と教科書p.78〜p.92を予習する。 第6週 状態関数と完全微分、断熱変化 状態関数と完全微分、断熱変化について解説する。 準備学習:前回までの復習と教科書p.93〜p.105を予習する。 第7週 第1週から第6週までの講義内容のまとめ 準備学習:第1週目から第6週目までの範囲を総復習する。 第8週 熱力学第2法則、エントロピー、カルノーサイクル 熱力学第2法則とエントロピーの概念、カルノーサイクルについて解説する。 準備学習:中間試験前までの範囲の復習と教科書p.117〜126(3A・3)を予習する。 第9週 いろいろな過程のエントロピー変化、エントロピーの測定 いろいろな過程におけるエントロピー変化、エントロピー測定と第3法則について解説する。 準備学習:前回までの復習と教科書p.127(3A・4)〜p.136を予習する。 第10週 ヘルムホルツエネルギーとギブズエネルギー ヘルムホルツエネルギーとギブズエネルギーについて解説する。 準備学習:前回までの復習と教科書p.137〜p.145を予習する。 第11週 熱力学第1法則と第2法則を結びつける 熱力学第1法則と第2法則の結合により、熱力学の基礎式を解説する。 準備学習:前回までの復習と教科書p.146〜150(3D・2(a))を予習する。 第12週 ギブズエネルギーの温度、圧力依存性 ギブズエネルギーの温度と圧力における依存性を解説する。 準備学習:前回までの復習と教科書p.150(3D・2(b))〜156を予習する。 第13週 まとめ:総復習 準備学習:第1週目から第12週目までの全範囲を総復習する。 第14週 学習内容の振り返り
- <成績評価方法>
- 授業にきちんと出席することが成績評価の前提。授業中および予習・復習での問題演習を記載したノート(を提出しチェックする)など平常点(20%)、授業で毎回実施する確認テスト(30%)と定期試験期間に行う期末試験(50%)の成績をもとに理解度をA+、A、B、C、D、FのGradeで評価し、Grade D以上を合格とする。
- <教科書>
- 「アトキンス 物理化学(上)第10版」 東京化学同人 P.W.Atkins著 中野元裕、上田貴洋、奥村光隆、北河康隆訳
(「アトキンス 物理化学(上)第8版」 東京化学同人 P.W.Atkins著 千原秀昭、中村亘男訳)
- <参考書>
- 指定参考書なし
- <オフィスアワー>
- 授業終了後の教室で。また、メールでの質問も随時受けつける(授業後の質問も事前にメール連絡を入れることが望ましい)。
- <学生へのメッセージ>
- 本講義で演習する物理化学の基礎(熱力学)は、本学科で今後学修する専門分野の基礎となるため、しっかりと身につけられるように努めて下さい。実際に自分自身で計算して問題を解くことによって熱力学の基礎知識・理論の理解が深まります。
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