2019年度工学院大学 先進工学部機械理工学科

流体力学II(Fluid Mechanics 2)[5H20]

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2単位
佐藤  允 准教授  
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
 本授業では,実流体(粘性流体)の基礎的性質と物理的理解を,工学的な応用事例を踏まえながら学んでいく.

 本授業を通して,管内を流れる流体に働く摩擦力,飛行機の翼,車,船などに働く流体力について理解する.加えて,圧縮性流体に関する基礎的知識と応用事例についても学ぶ.

<受講にあたっての前提条件>
物理学(特に力学分野)を履修していること.
基本的な数学(特に微積分の分野)を理解していること.
流体力学 Iを受講済みであること(単位の修得・未修得は問わない).

<具体的な到達目標>
 流体をつかった工学的技術の理解に役立つ知識を習得する.流体力学Iで学習した流体特有の性質・現象の基礎的知識をふまえ,乱流に代表される実流体の性質について学ぶ.

 具体的には,管内流における摩擦抵抗・圧力損失,流れの中の物体に作用する流体力を算出できるようにする.

<授業計画及び準備学習>
01. [ガイダンス] 本授業で取り組む粘性流れについて紹介する.層流と乱流の違いや,流体力学における「レイノルズ数」の意義について学ぶ.
準備学習:教科書pp. 120〜pp. 125までを熟読してくる.流体力学Iの授業で配ったプリントを復習してくる.

02. [数学・物理の準備] 本授業を進める上で必要となる基本的な数学・物理の知識について復習する.
準備学習:流体力学Iの第2回授業で配ったプリントを熟読してくる.

03. [Navier-Stokes方程式] Navier-Stokes方程式を導出し,その意味について学ぶ.
準備学習:流体力学Iの第5回・第6回授業で配ったプリントを熟読してくる.

04. [層流 1 (内部流れ)] 円管内や平行平板間における層流流れの基礎的知識について学ぶ.
準備学習:教科書pp. 129〜pp. 141までを熟読してくる.前回の授業で配ったプリントを熟読してくる.

05. [層流 2 (外部流れ)] 層流中に置かれた物体周りの流れについて学ぶ.
準備学習:教科書pp. 142〜pp. 144までを熟読してくる.前回の授業で配ったプリントを熟読してくる.

06. [乱流 1 (内部流れ その1)] 円管内や平行平板間における乱流流れの基礎的知識について学ぶ.
準備学習:教科書pp. 146〜pp. 165までを熟読してくる.前回の授業で配ったプリントを熟読してくる.

07. [乱流 2 (内部流れ その2)] 管内流れにおける圧力損失について学ぶ.
準備学習:教科書pp. 166〜pp. 177までを熟読してくる.前回の授業で配ったプリントを熟読してくる.

08. [乱流 3 (内部流れ その3)] 管内流れにおける損失と流体機械について学ぶ.
準備学習:教科書pp. 178〜pp. 190までを熟読してくる.前回の授業で配ったプリントを熟読してくる.

09. [乱流 4 (外部流れ その1)] レイノルズ相似則について学ぶ.
準備学習:教科書pp. 217〜pp. 221までを熟読してくる.前回の授業で配ったプリントを熟読してくる.

10. [乱流 5 (外部流れ その2)] 円柱周りの流れについて学ぶ.
準備学習:教科書pp. 192〜pp. 209までを熟読してくる.前回の授業で配ったプリントを熟読してくる.

11. [飛行機の発展と流体力学] 飛行機に関わる流体力学を,翼周りの流れに着目しつつ学ぶ.
準備学習:教科書pp. 210〜pp. 216までを熟読してくる.前回の授業で配ったプリントを熟読してくる.

12. [圧縮性流体力学 1] 流体の圧縮性が重要となる高速流れの基礎的知識について学ぶ.
準備学習:前回の授業で配ったプリントを熟読してくる.

13. [圧縮性流体力学 2] ロケットエンジン等に使われるラバルノズルや超音速飛行機など,高速流れに関する応用事例について学ぶ.
準備学習:前回の授業で配ったプリントを熟読してくる.

14. [授業の振り返り]

【実務経験のある教員による授業科目】
JAXAでの勤務経験を活かして,航空機やロケット等の航空宇宙に関連する事例を示しつつ授業を進める.

<成績評価方法>
各授業において内容理解の演習(試験形式)を行う.
成績評価は,演習点(40%)+定期試験(60%)として算出する.Grade D以上を単位取得の要件とする.
評価によってはレポートの提出や再試験を求める場合がある.

<教科書>
「基礎から学ぶ流体力学」,飯田明由・小川隆申・武井昌宏 著,オーム社
授業で配布するプリント.

<参考書>
「流体力学」,日野幹雄 著,朝倉書店
「JSMEテキストシリーズ 流体力学」,日本機械学会,丸善
「圧縮性流体力学―内部流れの理論と解析」,松尾一泰 著,オーム社
「Fluid Mechanics」,Frank M. White 著,McGraw-Hill Education

<オフィスアワー>
授業後の教場.
新宿キャンパス17FのA-1778(木曜日16:00-17:00).
メールでの質問も受け付けます.

<学生へのメッセージ>
「乱流」は日々の生活から高度な流体機械に至るまで,あらゆる場所で発生する極めて複雑な現象です.このような現象を扱う本授業は,難しい部分もある反面,その応用範囲は広く,(流体現象に限らない)多くの知見を得ることができます.

 工学的知識・技術の習得とともに,実生活の様々な場面で活用できる「複雑な事象の扱い方」を学んでいきましょう.


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