2019年度工学院大学 先進工学部機械理工学科
△応用解析学(Applied Analysis)[2P11]
2単位 長谷川 研二 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 本科目はFourier解析とLaplace変換ついて学習する。これらの理論により一般的な関数と三角関数または指数関数の積の定積分の値により、関数の特徴が把握でき、微分方程式が解けたりする。1年次に習った微分積分を復習しなからFourier解析とLaplace変換に必要な積分の計算を練習して、基本的な公式や収束性のような重要な性質を理解する。本科目を習得すると常微分方程式や偏微分方程式の解法が身につく他に、工学や情報学の分野では(参考書に載っている)回路理論や制御理論への応用ができる。
- <受講にあたっての前提条件>
- 微分、積分、偏微分、重積分の内容を理解している。
- <具体的な到達目標>
- Fourier積分の計算により一般的な関数のFourier展開やFourier変換が計算できる。
- Fourier展開の収束性やFourier変換の基本的な公式を理解して応用ができる。
- 基本的な公式を理解してLaplace変換とLaplace逆変換が計算できる。
- 典型的な応用として、微分方程式の解を求めることができる。
- <授業計画及び準備学習>
- 三角関数の直交性:
三角関数の積分を計算して直交性を確認する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:プリントは事前に配布できないので微分積分の復習をしておく。
- Fourier積分:
一般的な関数と三角関数の積の積分であるFourier積分を計算する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- Fourier展開:
関数を三角関数の級数で表すFourier展開を理解し、係数をFourier積分から求める。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 三角関数と複素指数関数:
指数関数の変数を複素数に拡張することにより、三角関数を複素指数関数で表すことができ、加法定理等の三角関数の公式が指数法則から導ける。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 複素Fourier積分:
三角関数を複素指数関数に置き換えた複素Fourier積分を計算する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 複素Fourier級数:
三角関数を複素数を変数とした指数関数に置き換えた複素Fourier展開の係数を複素Fourier積分から求める。。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- Fourier級数の収束性:
Fourier展開が元の関数に収束することを数学的証明だけでなくグラフの図も見て理解し、応用として無限級数の和を計算する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 正規直交列とParsevalの等式:
三角関数または複素指数関数の列が正規直交列になり、Parsevalの等式よりFourier展開の係数の2乗の和は元の関数の2乗の積分に等しいことを理解し、応用として無限級数の和を計算する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- Fourier変換:
積分区間を無限にしたFourier変換を計算し、基本的な公式を理解する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- Laplace変換:
Fourier変換後の変数を複素数にしたLaplace変換を計算して、基本的な公式を理解する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- Laplace逆変換:
部分分数分解を利用することによりLaplace変換後の複素関数から元の関数を求めるLaplace逆変換の方法を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 常微分方程式の初期値問題:
Laplace変換の応用として常微分方程式の初期値問題の解法を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 常微分方程式の境界値問題:
Laplace変換の応用として常微分方程式の境界値問題の解法を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(試験前最終授業なので、試験前のオフィスアワーで希望者に返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 学習内容の振り返り:
準備学習:定期試験で解けなかった問題の解き方を考えておく。
- <成績評価方法>
- 試験期間で実施する定期試験の得点が60点以上であればGradeをA+,A,B,Cのいずれかにするが、授業中に解かせた問題の解答状況で決まる平常点によりGradeをCからBにすることがある。(A+,Aは定期試験の得点のみで決める。)定期試験の得点が60点に若干満たない場合は平常点によりGradeをDにすることがある。平常点については授業態度が悪い、あるいは他人の解答を模写した答案の提出が目立つ場合は平常点を成績評価の資料から外すことがある。
- <教科書>
- プリントを配布する。授業前にPDFファイルをキューポートにアップロードするので印刷してもらうことがある。
- <参考書>
- 田代喜宏 著「ラプラス変換とフーリエ解析要論」森北出版
- 加藤雄介・求幸年 著「フーリエ・ラプラス解析」丸善出版
- <オフィスアワー>
- 木曜日17:30〜18:30(場所は4時限の授業の教室)
または授業終了後、教室にて。 メール(ft10058@ns.kogakuin.ac.jp)で予約すれば他の日時も可能。
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