2019年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

真空工学(Vacuum Engineering)[2G37]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

1単位
鷹野 一朗 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
真空工学は希薄気体の分子運動を制御・計測するために確立された学問であり,身近な食品分野や工業分野だけでなく,最先端の宇宙開発分野においても重要な役割を担っています。本科目では,真空の基礎(圧力単位など)を重点的に学んだ後,実際に使用されている真空の測り方(各種真空計の仕組み),真空の作り方(各種ポンプの仕組み)について理解します。

<受講にあたっての前提条件>
物理学,化学を履修していること。また,これらの基礎について復習してください。

<具体的な到達目標>
真空についての概念を理解し,応用科目や卒論などにおいて,関連する機器の取り扱いが適切に行えるようにします。

<授業計画及び準備学習>
準備:原子,分子についての理解,関数電卓も使えるようにしてください。
1.「真空の基礎1」真空の定義と圧力,気体の状態方程式
    ・圧力単位の換算や様々な分野で使われている真空技術とその装置の概略について
2.「真空の基礎2」気体の圧力と分子速度
    ・気体分子速度の計算,ガス種による分子速度の違いについて
3.「真空の基礎3」平均自由行程,コンダクタンス
    ・真空中における分子の平均自由行程の考え方とその計算,粘性流・分子流領域の違いについて
4.「真空計測1」圧力による計測,気体の輸送現象を利用した計測
    ・中真空圧力を中心とした隔膜真空計やピラニ真空計などの動作原理について 
5.「真空計測2」気体中の電離現象を利用した計測
    ・高真空圧力以上を測定できる電離真空計の動作原理,全圧・分圧測定について
6.「真空ポンプ,真空排気システム」容積移送式ポンプ,運動量移送式ポンプ,ため込み式ポンプ
    ・低真空までの油回転ポンプや高真空以上の油拡散ポンプ,ターボ分子ポンプの動作原理について
7.「学習内容の振り返り」

<成績評価方法>
授業で行う演習問題(30%),定期試験(70%)で評価し,「D」以上が合格です。

<教科書>
「わかりやすい真空技術 第3版」 真空技術基礎講習会運営委員会(編),日刊工業新聞社

<参考書>
「真空技術 第3版(物理工学実験)」堀越源一著,東京大学出版会
「真空の物理と応用(物理学選書 (11))」熊谷 寛夫,富永五郎,他(共著),裳華房

<オフィスアワー>
八王子「火」16:00-17:00,13-409室

<学生へのメッセージ>
身近なところではあまり目にしませんが,真空は工業的に重要な技術です。将来に向けて広い視野を持つためにも,このような技術が日本の産業を支えていることを理解してください。


ナンバリングはこちら
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2019 Kogakuin University. All Rights Reserved.