2019年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

自然科学の歩き方(Fundamentals in Natural Sciences)[4436]

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1単位
進藤 哲央 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<授業のねらい>
自然現象を理解するうえでは、測定データに忠実であることが求められる。
 この授業では、これから大学で学ぶ自然科学全般の基礎として、「データをどのように解釈し、人間の理解できる形にするか」を学ぶ。
 さらに、結果をまとめて文章化することを、「ロジカルライティング」での学びも踏まえつつ実践する。

<受講にあたっての前提条件>
高校までの数学を道具として使いこなせること。

<具体的な到達目標>
・与えられたデータをグラフに表現できること
 ・データが表す現象を数式を用いた「モデル」として表現できること
 ・「モデル」の数式が、現実の現象として何を表しているかを言葉で表現できること
 ・実験データとその解釈を、まとまった文章として表現できること

<授業計画及び準備学習>
授業全体を通じて、一つのデータセットを使い、そのデータをモデルフィットする手法について学ぶ。

1.関数の概念・測定値・レポートの書き方
  (講義)
   ・関数とは何か、また、関数のグラフとは何かについて講義する
   ・グラフの表す現象を言葉で表す方法について講義する
   ・レポートとは何か、どのようなことが書かれているのかについて講義する
  (実習)
   ・ある一つのデータセットをグラフに表現する

2.モデルと近似曲線
  (講義)
   ・データを表現する「モデル」の概念について講義する
   ・モデルがどの程度良いかを定量的に表す方法(二乗誤差)について講義する
  (実習)
   ・1で使ったデータセットから「モデル」の候補を推定し、モデルとデータのずれを計算する

3.最小二乗法の考え方
  (講義)
   ・2で講義した、二乗誤差を最小にするためのモデルの修正について講義する
  (実習)
   ・モデルのパラメータを変えながら二乗誤差を計算し、その値が最小となるモデルパラメータを推定する

4.パラメータ推定(最小二乗法)
  (講義)
   ・最小二乗法について、微分計算(あるいは、偏微分計算)を用いた定式化を行う
  (実習)
   ・1〜3の講義におけるモデルのパラメータ推定を、この定式化を用いて実際に行う

5.科学的な文章の構造
  (講義)
   ・科学的な文章を構成する「事実」・「結論」・「推論」等の要素について講義する
   ・レポートや科学論文の基本的な構成について講義する
  (実習)
   ・簡単な数学の証明の文章について、論理構造を読み取る

6.科学的な文章の作成
  (実習)
   ・第1回から4回の講義で行った内容を復習し、「問い」・「事実」・「結論」を整理する
   ・レポートのアウトラインを作成する

7.全体のまとめ
  (実習)
   ・第6回の講義でまとめたレポートのアウトラインを文章化し、レポートとして提出する

<成績評価方法>
課題の提出に依って理解度を評価し、Grade D 以上を合格とする。

<教科書>
特に指定しない。

<参考書>
特に指定しない。

<オフィスアワー>
時間:火曜日3限
場所:八王子キャンパス 1S-323
メール(shindou@cc.kogakuin.ac.jp)による質問・相談にも随時対応する。

<学生へのメッセージ>
この授業の後半で扱う、科学的な文章の構成については、「ロジカルライティング」の授業にも深く関係する内容であるので、同時の履修を勧める。


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