2019年度工学院大学 先進工学部環境化学科

環境化学実験B(Experiments in Environmenta Chemistry B)[4E31]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

1単位
関  志朗 准教授  
稲葉 敦 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
桑折  仁 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
中尾 真一 特任教授  [ 教員業績  JP  EN ]
赤松 憲樹 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
環境化学実験Bでは、2年次までに学習したすべての実験科目、講義・演習科目をベースとし、より本格的な「エネルギー関連分野」、「材料関連分野」の実験テーマに取り組む。環境保全やエネルギー関連システムの構築に際して、必要不可欠となる物性評価、適用評価法等を習得する。実験を通じて太陽電池や燃料電池の基礎的な特性、金属材料の力学的特性、腐食劣化挙動を理解するとともに、演習を通じて濃度やpH計算、および電気化学で必要な計算ができるようにする。

<受講にあたっての前提条件>
・「物理化学実験」、「環境分析実験」、「機器分析実験」のうち2単位以上を修得していなければ受講できない。
・「化学実験」、「環境化学基礎実験」を修得していることが望ましい。

<具体的な到達目標>
・太陽電池のI-V特性線図を作成し、図の意味することを理解できること。
・太陽電池を用いた水の電気分解実験から電流効率を計算できること。
・燃料電池による発電実験から燃料効率、発電効率が計算できること。
・溶液調製に必要な濃度やpHの計算、および電気化学で必要な計算問題を解くことができること。
・金属材料の応力−ひずみ線図を作成し、図の意味することを理解できること。
・金属材料の腐食感受性曲線(分極曲線)を作成し、図の意味することを理解できること。

<授業計画及び準備学習>
第1回:環境化学実験Bの全体説明、実験上の注意
準備学習:実験書の緒言の部分を熟読してくること。

以降は3週間かけて各テーマ(B-1、B-2)の実験・演習を行う。

B-1 再生可能エネルギーを利用した発電実験
1.再生可能エネルギーを利用した発電(B-1)実験;太陽電池と燃料電池の発電と性能評価を行う。
  準備学習:実験書のB-1実験の部分を熟読してくること。
2.電気化学に関する演習:電気化学の基礎および気体の状態方程式と電気分解、電池とギブスの自由エネルギー変化に関する演習を行う。
  準備学習:物理化学IおよびIIで履修した該当箇所を復習すること。
3.B-1実験のレポートに関する討論
  準備学習:レポートを事前に作成してくること。

B-2 プラントの安全性および信頼性に関わる材料の適用・評価実験

次の小テーマ(B-2-1、B-2-2)をそれぞれ1週ずつ実験し、3週目にレポート討論を行う。

1.力学的特性評価(B-2-1):環境保全システム、エネルギー変換システムの設計に際して基本となる弾性率、強度などを評価する。評価には引張試験機を用い、金属材料の引張試験を通して力学的特性への理解を深める。
  準備学習:事前に配布された実験テキストをよく読み、実験内容を理解した上で実験に臨むこと。

2.電気化学手法による材料の加速劣化試験および評価(B-2-2):材料の各種環境・エネルギープラント等への適用に際して、安全性及び信頼性を確保する立場から不可欠とされる材料の寿命評価法及び耐性強化法の基礎的概念を取得するために、微細構造観察及び電気化学的手法による各材料の各種環境因子中での劣化挙動の定量実験を行う。あわせて、プラント防食に関わる概念を学ぶ。
  準備学習:事前に配布された実験テキストをよく読み、実験内容を理解した上で実験に臨むこと。

3.B-2実験のレポートに関する討論
  準備学習:レポートを事前に作成してくること。

<成績評価方法>
各実験のレポート採点結果、演習の採点結果、実験ノートの内容評価、受講態度などの評価結果を合計し、総合的に評価する。6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し、D以上の者に単位を認める。

<教科書>
「指定教科書なし」
学科作成の実験書を用いる。

<参考書>
B-1実験では,例えば「新エネルギー技術 太陽電池・燃料電池・二次電池・スーパーキャパシタ・風力発電」菅原和士 著 日本理工出版会
B-2実験では,例えば「材料の科学と工学[1]材料の微細構造」W.D.キャリスター著,入戸野修 監訳,培風館
「材料の科学と工学[2]金属材料の力学的性質」W.D.キャリスター著,入戸野修 監訳,培風館
「材料の科学と工学[3]材料の物理的・化学的性質」W.D.キャリスター,入戸野 修 監訳

<オフィスアワー>
実験日の前後及び昼休み時に新宿校舎の各教員室にて受け付けます。

<学生へのメッセージ>
・体調管理に留意しながら、毎週出席すること。
・予習を必ず行なうこと。
・注意事項を守り、安全かつ正確に実験できるように心掛けること。
・提出物は期限内に必ず提出すること。
・わからないことはそのままにせずに随時質問すること。

<備 考>
電力インフラ業界での勤務経験を基に、小型試験材料での劣化を基軸として大型設備への影響を考えられるような実験を行う。


ナンバリングはこちら
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2019 Kogakuin University. All Rights Reserved.