2019年度工学院大学 先進工学部環境化学科

化学装置設計(Chemical Equipment Design)[3H28]

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2単位
岡田 文雄 特別専任教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
化学反応は、有用な物質を合成したり、有害な物質を無害化したり、様々な目的で産業に利用されており、我々の身近な製品の生産に活用されている。こうした化学反応は、実験によって反応次数、反応速度定数とその温度依存性などを解析し、その解析解または数値解析結果を利用してプラントを設計する。この講義により、反応の基礎的な解析方法を習得し、それが卒論研究や反応装置の設計にとても役立つことを理解する。

<受講にあたっての前提条件>
必須ではないが、「物理化学II」を受講していること。受講していない場合には、化学反応速度および化学平衡を勉強しておくこと。

<具体的な到達目標>
反応装置内で起きる化学反応を定量的に解析して、卒論研究の遂行に役立てるとともに反応装置を設計できるようになることを目指す。

<授業計画及び準備学習>
1. (9月18日)反応工学序論
  化学工業や生化学工業で用いられている各種の反応と反応装置、プラントを知る。
  準備学習: 教科書第1章、電子教材第0章, 第1章の予習
2. (9月25日)反応式と化学量論比
  化学反応の分類と反応現象の定式を理解し、反応の量論比を求められるようにする
  準備学習:教科書第2章、電子教材第4章の予習
3. (10月2日)反応と反応熱、中和反応
  標準生成エンタルピーと自由エネルギー変化を理解し、各種反応の反応熱を計算する。
  準備学習:物理化学IIの復習、電子教材第2, 4章の予習
4. (10月9日)反応の種類と反応速度式
  様々な反応における反応速度式の立て方を理解する。
  準備学習:教科書第2, 9章, 電子教材第4, 5, 8章の予習
5. (10月16日)ゼロ次反応と一次反応
  単一原料の分解反応の速度式を立て、その解析解を導出する方法を学ぶ。
  準備学習:教科書第9章, 電子教材第5章の予習
6. (10月23日)反応温度と反応速度との関係
  Arrhenius式を用いて反応速度定数の温度依存性を解析する。
  準備学習:教科書第3章、電子教材第6,7章の予習

☆ 10月30日は補講日のため休講

7. (11月6日)中間試験: 6回までの内容に関しての試験を行い、その後、問題の解き方を解説する。
  準備学習:6回までの講義内容の理解
8. (11月13日)二次以上の高次反応
  二次以上の反応について反応速度式を立てて、解析解を導出する方法を学ぶ。
  準備学習:教科書第9章, 電子教材第6, 9章,の予習
9. (11月20日)複雑な二次反応
  原料が2種類の場合の反応速度式を立て、その解析解(岡田の式)を導出する方法を学ぶ。
  準備学習:教科書第9章, 電子教材第6章の予習
10.(11月27日)化学平衡と可逆反応
  化学平衡を伴う反応の解析方法と解析解を学ぶ。
  準備学習:教科書第14章の予習
11.(12月4日)並列反応と逐次反応
  上記反応の解析方法と解析解を理解する。
  準備学習:教科書第14章の予習
12.(12月11日)槽型、管型反応器の反応解析
  これまでの講義で学んだ各種反応の解析解が、そのまま槽型反応器と管型反応器の
  設計に適用できることを学ぶ。
  準備学習:教科書第8, 9, 10章, 電子教材第9, 11章、の予習
13.(12月18日) 連続槽型、連続多層型反応器の反応解析
  連続層での反応率、選択性を理解する。
  準備学習:教科書第11章, 電子教材第11章の予習

☆ 1月15日(水)に期末テストを予定

【実務経験のある教員による授業科目】
石油精製及び石油化学メーカーの現場での勤務経験、並びに研究所での研究活動を
活かして、化学工学の基本的な知識と解析方法並びに装置設計方法の考え方につい
て講義する。

<成績評価方法>
中間試験を40%、期末試験を60%の重みとし、100点満点で60点以上であれば、合格とする。出席回数や小テストの結果は、成績評価には含めない。

<教科書>
「反応工学」草壁克己、増田隆夫、三共出版

<参考書>
「反応工学」小宮山宏、培風館
「(改訂版)反応工学」橋本健治、培風館

<オフィスアワー>
化学装置設計演習がある日の水曜日の17:20-18:00をオフィスアワーとしA1918室におりますが、前日までにe-mail (fumioka@cc.kogakuin.ac.jp) で予約してください。

<学生へのメッセージ>
反応工学は、数学を使うところが多く大変かもしれませんが、理解して卒論研究等に利用できるようになると強力なツールになります。頑張ってください。


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