2019年度工学院大学 先進工学部応用化学科

電気化学(Electrochemistry)[2B18]

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2単位
阿相 英孝 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
ボルタによる電池の発明やファラデーの法則の確立から始まる電気化学は,物理化学をはじめとするさまざまな自然科学の発達の礎となった。また,生体内の反応の多くが電気化学で説明されている(生物電気化学)。電気化学とは電気エネルギーと化学エネルギーの相互変換の学問であり,また物質(材料)の表面あるいは界面で進行するプロセスの科学とも言える。授業のねらいは,学生が電極反応論から電池の原理まで幅広く電気化学の基礎と応用を理解することである。

<受講にあたっての前提条件>
受講にあたっての前提条件は,無機化学1,2を履修していること。

<具体的な到達目標>
電気化学の基礎的概念を理解し,電気化学反応を電子の移動現象として説明できる。
電池をはじめ,生活の中で出会う化学・エネルギー変換事象を電位の概念で理解できる。

<授業計画及び準備学習>
1.電気化学の歴史,先端技術を支える生活の中の電気化学
電気化学の概要を解説する。
準備学習:教科書1-3ページを熟読し,背景を理解する。
2.電解質溶液の性質 イオンの移動度,輸率
電解質溶液の諸特性について解説する。
準備学習:教科書4-14ページを熟読し,キーワードを理解する。
3.電解質溶液の性質 活量,ラウールの法則,イオン強度
電解質溶液の諸特性について解説する。
準備学習:教科書4-14ページを熟読し,キーワードを理解する。
4.電気分解と電池,電極電位と起電力
電解セルとガルバニ電池の違いを解説する。
準備学習:教科書15-25ページを熟読し,キーワードを理解する。
5.電位―pH図(プールベイダイアグラム)
電位―pH図の構成要素を解説する。
準備学習:教科書117ページを熟読し,金属の溶解や腐食には電位と
溶液のpHが関係していることを理解する。
6. ネルンストの式の応用
水溶液のpH,溶解度積を求める。
準備学習:第2章を読み直し,基本原理を確認する。
7.学習成果の確認
準備学習:前回までの内容を復習する。
8.金属の腐食と防食,表面処理
金属の酸化反応を電気化学的な観点で解説する。
準備学習:教科書115-128ページを熟読し,キーワードを理解する。
9.電極と電解液界面の構造 電気二重層
電極と電解液が接する界面の現象について解説する。
準備学習:教科書27-32ページを熟読し,キーワードを理解する。
10.電極反応の速度 ファラデーの法則
電極反応速度論を解説する。
準備学習:教科書33-40ページを熟読し,キーワードを理解する。
11.化学電池 一次電池(マンガン乾電池,アルカリ電池)
一次電池の構造や性能について解説する。
準備学習:教科書66-72ページを熟読し,キーワードを理解する。
12.二次電池(鉛畜電池,ニカド電池,リチウムイオン二次電池),燃料電池
二次電池,燃料電池の構造や性能について解説する。
準備学習:教科書73-88ページを熟読し,キーワードを理解する。
13.光電気化学 半導体のバンド構造,光触媒,太陽電池
電気化学の応用分野に関して特に光が関係する化学反応を中心に解説する。
準備学習:教科書41-49,95-107ページを熟読し,キーワードを理解する。
14.学習成果の振り返り
準備学習:前回までの総復習を行う。

<成績評価方法>
授業中に行う課題は理解度を測る目的で行い,期末テストを重視する。
定期試験中に行うテストの結果(80%)と授業中の課題(20%)の成績をもとに理解度をA+からFのGradeで評価する。Grade D以上を合格とする。

<教科書>
「基礎からわかる電気化学」(第二版)泉 生一郎 ほか(森北出版)

<参考書>
「エレクトロケミストリー」馬場,山名,岡本,小野(米田出版)
「電気化学」渡辺 正 ほか(丸善株式会社)
「電気化学の基礎と応用」美浦 隆 ほか(朝倉書店)
「表面技術者のための電気化学」春山 志郎(丸善株式会社)
「新しい電気化学」電気化学会編(培風館)

<オフィスアワー>
火曜日 11:05〜12:00 新宿校舎20階2067室
オフィスアワー以外の時は電子メールを利用するか事前にアポイントメントをとること。
asoh@cc.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
電気化学は,化学を電子の流れの面から見直す学問分野であり,情報社会を支える様々なエネルギーデバイスを学ぶためにも重要です。


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