2019年度工学院大学 先進工学部生命化学科

植物生理学(Plant Physiology)[5E21]

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2単位
藤井 克彦 教授  
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
植物は光合成により無機物から有機物を作り出し,一次生産者として食物連鎖の土台を支える生物である。また,動物とは異なった独自の構造・形態,代謝系,生殖様式,環境適応の仕組みを備えている。従って,植物生理学を理解し応用することで,人類が直面する食糧問題や環境問題の解決を目指すことが可能となる。本授業では受講学生が,植物の生理学的・生化学的な側面に重点を置いて学び,その生命活動について包括的に理解できることをねらいとする。

<受講にあたっての前提条件>
●「生化学I」,「生化学II」,「生化学III」を受講していること。
●アクティブラーニング(AL)の実施例のひとつとして,受講学生には教科書の音読をしてもらいます。

<具体的な到達目標>
受講学生が,以下の点について理解できるようになることを到達目標とする。
●植物の構造,成長と分化について理解すること。
●光合成の機作について理解すること。
●植物の環境応答について理解すること。
●授業に積極的に参加できること。

<授業計画及び準備学習>
1. 植物と生命の共通理解
植物の「生きざま」について解説する。
2. 植物の体のつくり
植物細胞の構造と特徴について解説する。
3. 水と植物の科学
植物の生命・代謝活動を支えるダイナミズムについて解説する。
4. 植物体を構成する基本分子
植物細胞や組織を構成する生体分子について解説する。
5. 植物機能を担う分子群
植物が持つ光合成色素や二次代謝物質について解説する。
6. 光合成と呼吸
光合成および呼吸を支える生化学反応について解説する。
7. 中間試験
1〜6に関する筆記試験を行う。
8. 代謝系の基本
植物細胞の基本的な代謝について解説する。
9. 細胞増殖と成長・発生
植物の細胞分裂,胚発生,器官形成について解説する。
10. 調節系のしくみの基本
植物ホルモンの作用機序とシグナル伝達について解説する。
11. 環境応答
外界の刺激やストレスに対する植物の応答メカニズムを解説する。
12. 細胞死と分解
プログラム細胞死,落葉,転流等について解説する。
13. 葉緑体
植物固有のオルガネラである葉緑体の特徴と起源を解説する。
14. 学習内容の振り返り

<成績評価方法>
授業にきちんと出席することが成績評価の前提である。試験期間に授業内容すべてを範囲とする試験を実施する。授業への姿勢(小テスト等)・AL・定期試験の評価割合は1:1:8であり,A+〜Fの6段階評価でD以上の者を合格とする。

<教科書>
「植物生理学 しくみと原理を解き明かす」佐藤直樹著(裳華房)

<参考書>
特に指定はしませんが,図書館で関連図書を閲覧し,予復習に役立てることを推奨します。

<オフィスアワー>
金曜日12:50-14:20,新宿校舎A-2065室
他方,八王子校舎の教員室は17号館256室であり,手が空いている時はいつでも対応可能です。この場合,事前にメール等で日程調整していただけると確実です。

<学生へのメッセージ>
授業では予習・復習を必要とするところがあり,積極的な準備を行うことが大事です。また,理解できないことがあったら,遠慮せずに質問してください。

<備 考>
高校時代から憧れた大学の専門授業ですから,楽しんで勉強しましょう。


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