2019年度工学院大学 先進工学部生命化学科
機器分析(Instrumental Analysis)[4L20]
2単位 長谷川 信一 非常勤講師
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 機器分析は工学、理学、医学、薬学および農学等すべての理系分野において基礎研究、研究開発、応用研究等のツールとして広く用いられており、その重要性を増している。本講義では化学を専攻する学生が必要な機器分析法の原理、装置の構造および長所・短所等を理解し、さらに実際の測定における様々な干渉の抑制や試料の前処理等に対応できる能力を身に着けることをねらいとする。
- <受講にあたっての前提条件>
- 分析化学 U を習得していることが望ましい。
- <具体的な到達目標>
- 最新の機器分析法の原理、理論、応用等を理解する。それぞれの機器分析法についてその長所および短所を理解する。機器分析における様々な干渉や妨害を理解し、その抑制方法や除去方法について理解する。機器分析法に伴う周辺技術や専門的な分析手法を習得する。
- <授業計画及び準備学習>
- 1. 機器分析とは (機器分析の種類、機器分析法の長所・短所、構成、性能比較等)
2. X線分析法1 (X線分析の基礎、X線回折について) 3. X線分析法2 (蛍光X線分析法について) 4. X線・電子線分析法 (表面分析・電子顕微鏡等) 5. 分子分光分析 (紫外・可視・蛍光・赤外分光法、テラヘルツ分光法、近赤外分光法) 6. 原子分光分析1 (フレーム・還元気化(水素化物発生)原子吸光法) 7. 原子分光分析2 (電気加熱 (黒鉛炉) 原子吸光法) 8. 原子分光分析3 (ICP-AESの原理) 9. 原子分光分析4 (ICP-AES測定の実際) 10. 質量分析 1 (質量分析の基礎) 11. 質量分析 2 (イオン化法・質量分離装置の特徴) 12. 質量分析 3 (GC-MS, GC-MS-MS, LC-MS, LC-MS-MSについて) 13. 質量分析 4 (ICP-MSの原理と測定の実際) 14. 学習内容の振り返り
準備学習:1〜13までは資料をKÜPORTにアップするので講義前に予習する。 5〜13では分析化学Uで用いた教科書(当講義では用いません)クリスチャン分析化学U機器分析編の当該箇所を併せて熟読する。 14ではそれまでに学んだ分析方法について復習しておく。
- <成績評価方法>
- 授業中に行う小テストの結果30%、期末試験結果70%の成績をもとに理解度を6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価する。50点〜59点でも出席率の良い人は後日課題提出によりD評価とする。 D以上を合格とする。定期試験期間に試験を実施する。
- <教科書>
- 指定教科書なし
授業前に授業で使う資料をKÜPORTにアップします。
- <参考書>
- クリスチャン分析化学U機器分析編 原書7版 丸善
機器分析 大谷肇編 エキスパート応用化学テキストシリーズ 講談社
- <オフィスアワー>
- 簡単な質問は授業後の教室または講師控え室で受け付けます。
メールでの場合は、bu41228@ns.kogakuin.ac.jpで受け付けます。
- <学生へのメッセージ>
- 機器分析の応用範囲はきわめて広く、医学、薬学、生化学、環境化学、材料工学、海洋科学、宇宙科学、地質学、考古学、食品化学等の研究・開発から、農畜産物の産地判別、食品の安全性、スポーツにおけるドーピング検査、犯罪捜査等多方面に及んでいます。煩雑な操作と熟練を要する従来の古典的化学分析法に代わり、短時間に高感度、高精度分析が可能で、希土類元素の分析や非破壊分析もできる機器分析の需要は今後益々高まるでしょう。本講義では化学を専攻する学生にとって最低限必要な最新の分析機器の原理と応用、さらにそれに伴う周辺技術を解説します。
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