2019年度工学院大学 先進工学部生命化学科

ケミカルバイオロジー(Chemical Biology)[4H33]

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2単位
大野  修 准教授  
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
ケミカルバイオロジーは化学(特に有機化学)の知識・技術を活用して、生命現象の謎を解き明かす新しい学問領域である。しかし、そのベースは有機化学と分子生物学であり、歴史ある学問の知識から成り立っている。有機化学と分子生物学の進歩に伴い、それらの手法を組み合わせたケミカルバイオロジーが近年、発展してきた。化学と生物学を融合させることによって、これまで多くが未解明であった低分子有機化合物の生物における役割、働きが解明されてきた。本講義では、この化学と生物学を活用したケミカルバイオロジーの手法を学び、その応用による生命現象解明へのアプローチについて紹介する。

<受講にあたっての前提条件>
2年生までの有機化学、細胞生物学の知識を身に付けていることが望ましい。

<具体的な到達目標>
ケミカルバイオロジーの成り立ちを学び、生体分子の構造・性質を探るための各種分析法と、生命現象を制御・解析することができる有機化合物の構造を理解する。さらに、それらの応用による生命現象解明の実例について理解する。

<授業計画及び準備学習>
第1回:ガイダンス
 ケミカルバイオロジーの紹介
第2回:ケミカルバイオロジーの歴史@
 天然物化学からケミカルバイオロジーへの発展
第3回:ケミカルバイオロジーの歴史A
 歴史を彩る重要な有機化合物
第4回:生物活性物質の構造と機能
 生物活性物質の探索手法と一次代謝産物・二次代謝産物
第5回:自然界で働く生物活性分子@
 アレロケミカル、アレロパシー物質
第6回:自然界における生物活性分子A
 フェロモン
第7回:薬のケミカルバイオロジー@
 病気(がん)発症のメカニズム
第8回:薬のケミカルバイオロジーA
 各種抗がん剤とその作用発現機構
第9回:生物活性物質の機能解明手法@
 各種蛍光分子と蛍光プローブ
第10回:生物活性物質の機能解明手法A
 ビオチンプローブとアフィニティークロマトグラフィー
第11回:生物活性物質の機能解明手法B
 フォトアフィニティーラベリング
第12回:生物活性物質の機能解明手法C
 クリックケミストリーを活用した分子標識手法
第13回:実際のケミカルバイオロジー研究例
 天然からの生物活性物質の探索とその機能解明研究の実例紹介
第14回:学習内容の振り返り
 学習の成果を確認する。

<準備学習>
授業中に配布するプリントを見て適宜復習すること。

<成績評価方法>
定期試験(90%)、授業中に実施する小テスト(10%)。
A+〜F(A+、A、B、C、D、F)の6段階のGradeで評価し、D以上の者に単位を認めます。

<教科書>
なし。
資料は講義の際に配布します。

<参考書>
日本化学会編、基礎から学ぶケミカルバイオロジー、共立出版
日本化学会編、生物活性分子のケミカルバイオロジー、化学同人

<オフィスアワー>
オフィイスアワー:木曜日17時30分から18時30分
場所:号室 A-2065
会議や出張で不在の場合があるので、事前に連絡することを推奨します。
電子メールのアドレス: st13515@ns.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
ケミカルバイオロジーは新しい学問領域です。日本が得意としてきた天然物化学の実績をもとに、日本で発展してきた分野でもあります。その魅力的な部分を紹介できればと思っています。

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwa1068/index.html


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