2019年度工学院大学 先進工学部生命化学科

物理化学演習I(Practice of Physical Chemistry I)[4139]

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1単位
高見 知秀 教授  
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
本講は「物理化学I」の授業内容について、演習を通じてより理解を深めることが目的です。
したがって、演習内容は「物理化学I」の授業計画に示した内容に沿って実施します。
予習をしてこないと演習問題は解けませんので、各自教科書と授業用ノートをよく読んで、
各演習問題の回に対応する教科書の章末問題を解いておくこと。
概ね計算演習が中心となるので、指定された教科書、授業用ノート、関数電卓を用意して下さい。

<受講にあたっての前提条件>
●前期開講されている「数学」「化学」「物理学」の内容を復習し良く理解していること。
●初等函数の簡単な微分、積分計算ができること。

<具体的な到達目標>
●物理量、単位を理解し、自身で計算できる。
●完全気体、実在気体の性質の違いを理解した上で、自身で計算ができる。
●熱力学第1法則の内容を理解し、気体を例とした応用例を理解する。
●熱力学第2法則の内容を理解し、さまざまな過程のエントロピー計算ができる。
●自由エネルギー、ギブスエネルギーの内容を理解し、自身で計算ができる。

<授業計画及び準備学習>
第1週 熱力学を学習するための準備
[学習内容] 熱力学を学ぶ際に必要となる概念(エネルギーや温度)と必要となる数学を修得する。
[学習準備] 教科書の第1章「序章」と付録「微分、積分、微積分の応用、偏微分」を読み、演習問題を解いて知識を定着させる。

第2週 気体
[学習内容] 気体の性質について理解する。
[学習準備] 教科書の第2章「気体」を読み、演習問題を解いて知識を定着させる。

第3週 熱力学第1法則
[学習内容] 熱力学におけるエネルギー保存則である第1法則と内部エネルギーや準静的過程を理解する。
[学習準備] 教科書の第3章「熱力学第1法則」を読み、演習問題を解いて知識を定着させる。

第4週 熱化学
[学習内容] エンタルピー(含熱量)の概念を理解して、断熱変化や熱化学についても理解する。
[学習準備] 教科書の第4章「熱化学」を読み、演習問題を解いて知識を定着させる。

第5週 熱力学第2法則
[学習内容] 熱力学第2法則(高温から低温への熱移動は基本不可逆)の概念と、カルノーサイクル(可逆熱サイクルのひとつ)を理解する。
[学習準備] 教科書の第5章「熱力学第2法則」を読み、演習問題を解いて知識を定着させる。

第6週 エントロピー
[学習内容] エントロピー(変化に内在するもの・乱雑さ)の概念と熱力学第3法則(絶対零度でのエントロピーはゼロ)について理解する。
[学習準備] 教科書の第6章「エントロピー」を読み、演習問題を解いて知識を定着させる。

第7週 学習成果の確認(中間試験)
[学習内容] 第1週目から第6週目までの範囲を総復習する。
[学習準備] 教科書の第1章から第6章と付録の内容について、問題を解いて知識を定着させる。

第8週 前半の学習内容の振り返り
[学習内容] 第7週で解いた問題の解答を確認して、第1週〜第6週の講義内容を理解する。
[学習準備] 第1週〜第6週で行った演習の内容を復習して知識を定着させる。

第9週 自由エネルギー
[学習内容] 自由エネルギーの概念を理解して、熱力学との関係について理解する。
[学習準備] 教科書の第7章「自由エネルギー」を読み、演習問題を解いて知識を定着させる。

第10週 開いた系
[学習内容] 化学ポテンシャルの概念を理解する。
[学習準備] 教科書の第8章「開いた系」を読み、演習問題を解いて知識を定着させる。

第11週 化学平衡
[学習内容] 様々な化学平衡と標準ギブズエネルギーの概念について理解する。
[学習準備] 教科書の第9章「化学平衡」を読み、演習問題を解いて知識を定着させる。

第12週 相平衡
[学習内容] 相律とクラウジウス‐クラペイロンの式を理解する。
[学習準備] 教科書の第10章「相平衡」を読み、演習問題を解いて知識を定着させる。

第13週 溶液
[学習内容] 溶液についての様々な法則(ラウール、ヘンリー)や性質(浸透圧、活量、電解質)を理解する。
[学習準備] 教科書の第11章「溶液」を読み、演習問題を解いて知識を定着させる。

第14週 学習内容の振り返り
[学習内容] 熱力学についてこれまでに習った範囲を総復習する。
[学習準備] 教科書の第1章から第11章を振り返り、知識を定着させる。

講義「物理化学I」の授業進度に合わせるために、授業計画を変更する場合がありますので、その際は告知します。

<成績評価方法>
成績評価は、各回に行って提出された演習問題の合計点(10%)、第7週に行う中間試験(20%)、期末試験(70%)の結果で評価する。
期末試験は定期試験期間内に行う。

<教科書>
「原田義也 物理化学入門シリーズ 化学熱力学」裳華房(似た本があるので間違えないで入手してください「物理化学入門シリーズ」の方です)
教科書内の式の証明や問題の詳細な解答は裳華房のホームページ(https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-3418-5.htm)からダウンロードできます。

<参考書>
以下の本はすべて、講義担当の高見の居室(4号館04-308号室)にありますので閲覧できます。
教科書よりもやさしく熱力学について書いてある本として、次の本を挙げておきます。
「芦田正巳 熱力学を学ぶ人のために」 オーム社
「ブラウン 一般化学II 原書13版」 丸善出版 荻野和子監訳 第19章「化学熱力学」
より高度な熱力学の内容を理解したい方には下記の本を挙げます。
「原田義也 化学熱力学」 裳華房 (教科書より前に出版された本ですが老舗的な教科書です)
「アトキンス 物理化学(上)第8版」 東京化学同人 P. Atkins著 千原秀昭、中村亘男訳 この講義では第1章から第3章の内容が該当します。
生命科学向けの物理化学の書籍としては、以下に挙げる図書を参考にしてください。
「アトキンス 生命科学のための物理化学 第2版」 東京化学同人 P. Atkins, J. de Paula著 稲葉章、中川敦史訳
「CHANG 生命科学系のための物理化学」 東京化学同人 R. Chang著 岩澤康裕、北川禎三、濱口宏夫訳

<オフィスアワー>
火〜木曜日12:50-13:40 八王子校舎4号館308号室。質問などは、e-mail(ft13537@ns.kogakuin.ac.jp)で約束の上であれば、いつでも可。

<学生へのメッセージ>
演習を行うことにより理解が深まります。物理化学Iの授業と併せて本講の演習を行い、授業内容の理解に役立ててください。予習を怠ると授業中に行う演習問題が解けませんので、準備をして演習に臨んでください。

<備 考>
講義で用いるスライドは、KUPORTまたは私の学内専用ホームページ(http://intra.ns.kogakuin.ac.jp/~ft13537/)からダウンロードできます。

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft13537/index.html


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