2019年度工学院大学 情報学部
○情報学概論(Intorduction to Infomatics)[4D29]
1単位 管村 昇 教授 [ 教員業績 JP EN ] 近藤 公久 教授 [ 教員業績 JP EN ] 小林 良太郎 教授 大塚 裕幸 教授 [ 教員業績 JP EN ] 三木 良雄 教授 蒲池 みゆき 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 現代社会において、情報に関する技術は、我々が日常生活を送る上で欠かせないものである。しかしながら、情報に関する技術は広範囲にわたっており、分野だけではなく、研究開発のフェーズも、基礎研究から応用、さらには実用化、商品開発まで多岐にわたっている。本講義では、社会の第一線でご活躍されている講師を大学外部からお招きして、オムニバス形式で講義を進める。本講義を通して、情報に関するさまざまな分野の知識と研究開発に触れ、自らの視野を大きく広げてもらいたい。
- <受講にあたっての前提条件>
- 日頃から、情報に関する技術やその社会での利用などについて、新聞、テレビ、インターネットなどで情報を取得しその内容について自分なりの考えをもっておくこと。講師の先生方から事前の課題があれば、必ずそれを事前に実行しておくこと(課題がある場合には事前に周知する)。
- <具体的な到達目標>
- 講師の先生方の講義を通して、情報分野の最先端の技術、またその社会における利用などを修得すること
- <授業計画及び準備学習>
- 1.4月11日
講師:坂本真一(株式会社 オトデザイナーズ、代表取締役) 講義題目:聴覚心理学と音が伝わる技術 〜研究成果の実用化と起業〜 内容:日本の聴覚心理学研究は古い歴史を持ち、世界的に知られる数多くの研究成果を生み出してきているが、これらの研究成果が実用化された事例は数少ない。本講義では聴覚心理的知見の産業応用を目指して創業された(株)オトデザイナーズの事例を基に、研究成果の産業応用に関する問題点などを議論したい。
参考図書:「オトデザイナーが教える!伝わる技術(WAVE出版)」 「サウンドとオーディオ技術の基礎知識(リットーミュージック)」 「音響学を学ぶ前に読む本(コロナ社)」
担当教員:近藤 公久
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2.4月18日 講師:高橋浩 B-frontier 研究所 代表 講義題目:最先端ITサービス 内容:IoTプラットフォームを基盤としたサービスエコシステムの創出 内容:近年、我々の生活や経済を牽引しているのはGoogle, AmazonなどのITサービスです。新しいサービスを作るのに不可欠な既存のサービスはプラットフォームとしてあらゆるサービスの基盤となります。IoT(Internet of Things)時代で注目すべき技術としてbitcoinで有名になったblockchainがありまが、今回の講義ではこのblockchainをベースとした次の世代のサービス展望について説明します。
担当教員:三木良雄
3.4月25日 講師:紀伊国 啓(大日本印刷株式会社・株式会社サイバーナレッジアカデミー セキュリティコンサルティング部) 講義題目:標的型サイバー攻撃の背景と対策事例 内容:近年、特定の企業、団体を対象とした標的型サイバー攻撃によって、高度なサイバー攻撃を受けるリスクが高まっている。その一方で、情報セキュリティに関する高度なスキルを持った人材が不足しており、その育成が課題となっている。その課題に対し、具体的な対策事例を提示することによって、高度なサイバー攻撃の実体、および、それへの具体的な対策手法をより具体的に解説する。 担当教員:小林 良太郎
4.5月 9日 講師:奥村幸彦(NTTドコモ 5Gイノベーション推進室 主幹技師) 講義題目:第5世代移動通信システム(5G)の動向 内容: 5Gは,10Gbpsを超える超高速な通信速度,飛躍的な通信容量の拡大,IoTの普及に伴う端末数の増加やサービス多様化への対応などを目指して研究開発および国際標準化が進められている次世代の移動通信システムです.2019年のプレサービスを経て2020年に本格的な5Gのサービスが開始される予定です.現在,ドコモは世界の主要ベンダー13社と5Gの通信技術に関する共同実験を行っています.また,パートナー企業と連携して新たなサービスコンテンツの研究開発も進めています.本講義では,これらの5Gに向けた研究開発動向を紹介します.
担当教員:大塚裕幸
5.5月16日 講師:和田 有史(立命館大学食マネジメント学部 食マネジメント学科) 講義題目:食の認知・デザイン 内容:食の認知には味嗅覚に限らず、五感すべてからの情報が関与しており、先入観 や経験などのバイアスを受けやすい。それらについての認知科学的研究成果を概 観し、人間の食の認識がどのように心の中で成立するかを考察する。
担当教員:蒲池みゆき
6.5月23日 講師:江村 暁 NTTメディアインテリジェンス研究所 音声言語メディア処理プロジェクト 音環境情報処理グループ 主任研究員 講義題目:双方向音声通信技術、テレビ会議とその先
内容: テレビ会議では、対地の音声がスピーカから再生され、同時にこちらの音声がマイクロホンで収音され対地に送られて再生される。しかし、そのままではスピーカから再生された音声もマイクロホンに拾われ対地で再生されるためにエコーが生じ、ハウリングしてしまう。テレビ会議で双方向での音声通信を可能にするには、音響エコーキャンセラをもちいて、エコーを消去する必要がある。本講義では、はじめにこのエコーキャンセラがどのような信号処理の原理で動作するかを紹介する。テレビ会議は当初はモノラル音声だったが、会議の臨場感を高めるために、映像の鮮明化と同時にステレオ化された。このステレオ音響エコーキャンセラの実現にどのような困難があり、どのように解決されたかを紹介する。 最後に、音場をそのまま収録し伝送し再現する波面合成技術を紹介し、波面合成による音声音響通信を双方向化するために必要となる超多チャネル音響エコーキャンセラについて説明する。
担当教員:管村 昇
なお6月6日は学科配属説明会を予定している。
- <成績評価方法>
- 毎回出席を取る。1回目から6回目の講義のうち、出席回数が4回以下は不合格とする。成績は毎回講師が要求するレポート等の合計点で評価する。
- <教科書>
- なし
- <参考書>
- 各回の担当教員が指定する書籍、ホームページなど。
- <オフィスアワー>
- 質問は講義時間中または講義終了後
新宿校舎 原則午前10時から午後5時(ただし講義、会議の時間帯は除く) 面談希望者は事前にメールで連絡、確認すること
- <学生へのメッセージ>
- 情報学に関するさまざまな分野において第一線でご活躍の外部の先生方による講義である。このような機会は非常に貴重であるので、熱心に聴講し、将来の卒研、大学院進学、就職を考える際の参考にしてもらいたい。
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