2019年度工学院大学 情報学部システム数理学科
情報とイノベーション(k)[2E21]
2単位 三木 良雄 教授
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ◎ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- システム数理学科の”ITインフラ”、”データ科学”、”経営情報”の三本柱を総合的に活用し、実社会の課題解決に向けてどの技術をどのような課題解決に使うのかを学ぶ。ビッグデータ、人工知能、IoTなどの実践的スキルを身につける。
- <受講にあたっての前提条件>
- 前提条件ではないが、最低限の三本柱の知識として、多変量解析、システム構築論、ミクロ経済学等を総合的に理解していることが望ましい。
- <具体的な到達目標>
- ・ITストラテジストとしての経営戦略立案に必要なデータ分析技術を修得する
・上流SE,ITコンサルタントに必要なICTを用いた業務課題抽出方法を修得する ・ビッグデータ、IoT、人工知能などを実務課題の解決に適用する際の技法について修得する
- <授業計画及び準備学習>
- 第1回 ガイダンス
社会システムや企業経営の基本的な意義や意味について解説し、イノベーションを起こす意味やその前に存在する課題とは何かを理解する 事前準備:履修した専門および専門基礎科目を再度良く復習しておくこと
第2回 プライバシーと個人情報保護 データ分析を行う場合に必要なプライバシーと個人情報保護法の知識を身につける それを踏まえて、アンケート調査の準備を行う 事前準備:身近に収集可能なデータと漏えいした場合のリスクを考えておくこと
第3回 財務諸表と企業における課題抽出 財務諸表の読み方を講義し、そこから企業における課題抽出方法を学ぶ。 事前準備:前回のアンケートに関して課題を明らかにするための質問項目を考えておく
第4回 原因追求としてのアンケート分析 課題解決のための原因分析としてアンケート分析の基本を学ぶ。クロス分析、カイ2乗検定等。 事前準備:前回までのアンケートに関して、相互に回答をしておく
第5回 因果推論、因子分析 真の原因を見つけるための因果推論を学び、潜在因子の仮説を置き、アンケートによって観測可能な要因にを再整理する 事前準備:初回のアンケートの質(原因がわかるアンケートになっているか)を評価しておく
第6回 共分散構造分析 潜在的な因子と観測可能な因子をパス図を使って構造的にモデルとしての仮説を作る 事前準備:アンケートを作り直す。新しい質問項目とする内容と潜在的な仮説とを区分して置く
第7回 アンケート分析のまとめ アンケートを作りなおし、観測可能な因子は全て明らかにした上で、潜在的な因子も加えて、共分散構造分析まで一連の分析を行い、課題の原因を明らかにする。 事前準備:新しいアンケートの回答を相互にしておくこと 中間課題:1〜6の分析結果を中間課題(レポート)として提出する
第8回 時系列データの基礎 経済、機械、電気関連機器で取り扱う、時系列データに関して、最も基本的な知識(トレンド、周期性、ノイズ 等)を学ぶ その他、中間課題の振り返りもおこなう。
第9回 古典的時系列データ分析 AR、ARIMAなど時系列データのモデル化と統計的予測手法について学ぶ。特にトレンド予測や故障予知など実務的な応用力を身につける 事前準備:事前に時間的な変化をするデータを自分なりに収集し、簡単な分析をしておく
第10回 ARIMAモデル 和分モデルからARIMAの詳細を解説し、その分析の意味と限界を解説する。 事前準備:R言語によって、ARIMAを実行できるようにしておくこと
第11回 状態空間モデル 時系列データの分析手法からの延長で状態空間モデルの基本を学ぶ 事前準備:電気回路、機械学習、動的システム等を履修した者はその内容を復習しておく
第12回 カルマンフィルターとベイズ推定 粒子フィルタや強化学習などベイズ統計に立脚して構築されている統計的モデリング手法を外観し、どのような分野のモデル化に有用なのかを学ぶ 事前準備:条件付き確率を復習しておく
第13回 確率的予測モデル手法 前回学んだモデル化手法とモンテカルロ法、MCMC法、マルチエージェントなどの基本にも戻って、データ分析に基づいて構築された戦略が経済や実社会の行動としてどのように振る舞うのかをシミュレーションを使って確認する手法を学ぶ 事前準備:システム数理学実験で行ったシミュレーション2の内容を復習しておく
第14回 自己テーマの結果発表 最終レポートに沿って自己テーマの総括的まとめを発表する 事前課題:期限までに最終レポートを提出しておくこと
【実務経験のある教員による授業科目】 ビッグデータ分析、IT製品販売の実務経験に基づき、分析結果を実務に適用する方法論と真の課題発見のための方法論を講義する
- <成績評価方法>
- 授業中の課題を40%、最終レポートを60%として数値化し、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し,D以上の者に単位を認める.
- <教科書>
- 特になし
- <参考書>
- 早坂清志、アンケートの調査・集計・分析がわかる本、秀和システム
豊田秀樹、共分散構造分析 R編―構造方程式モデリング、東京図書、2014 田中孝文、Rによる時系列分析入門、シーエーピー出版、2008
- <オフィスアワー>
- 授業終了後に教室または情報系講師控え室にて。これ以外の日時についてもメールにて連絡を頂戴すれば調整します。
- <学生へのメッセージ>
- 今、企業が求めている技術や技術者像に沿った授業を行います。レポートを出せは通るような楽単科目ではありません。上流SE、データサイエンティスト向けの必修基礎科目ととらえて欲しい。
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