2019年度工学院大学 情報学部システム数理学科

システム構築論(k)[3A19]

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2単位
三木 良雄 教授  
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
システム技術者の学習において、システムユーザとしての体験的知識からシステム設計や開発プロジェクトの発想に転換することが障害となることが多い。本講座ではシステム関連の専門知識を学ぶ準備、あるいは「データ科学」「経営情報」の観点でITシステムを利活用をするための前提知識として「ITインフラ」、システム設計の基礎を身に着ける。

<受講にあたっての前提条件>
プログラミング1〜4」「プログラミング演習T〜U」の単位を取得していること

<具体的な到達目標>
企業情報システム、組込みシステムの両分野において必要な基礎知識を身につける
(1)システムエンジニア、システム開発技術者になるための開発手法を身につける
(2)ICT技術者としての基礎知識を身につける
(3)システム設計に必須不可欠なネットワークプログラミングの基本知識を身に着ける

<授業計画及び準備学習>
授業は知識編(システム構築のためのシステムアーキテクチャ論)、技術編(情報処理技術者試験を意識したICT総復習)、実践編(システムプログラミング)を1コマの基本構成として進める。

第1回 システムと構成要素
問題解決とコンピュータの活用を実現するシステムの構成要素、ユーザー、サービス提供者、運用者など多角的な視点からシステムを定義する
第2回 システム構成法
機能仕様、動作仕様、システム仕様、処理アルゴリズムなど様々仕様レベルからのソフトウェア実現方法を学ぶ
第3回 システムアーキテクチャ
サーバ、ネットワーク、ストレージの構成方法をシステムの信頼性、可用性などの要件実現の観点から学ぶ
第4回 企業システムと提案依頼書(RFP)の作成
業務の種類とシステムの事例解説から入り、業務プロセスを改善する意義とそれを実現するためのシステム 開発を要求する立場から学び、その結果を提案依頼書あるいは開発プロジェクトとしてまとめ
ることを学ぶ
第5回 課題抽出と要件定義のまとめ方
企業システム作成側の立場から、システム要求者が求めるシステムの要件、特に後の開発に関する重要事項のまとめ方について学ぶ
第6回 システム方式設計
ER図、DFDなどをコンピュータにより描いてみることで、システム要件を満たす方式を複数列挙し、その特質を比較することで想定するシステムに適切な方式を選択する。これによりコスト、機能、性能とのトレードオフなど考察すべき観点を学ぶ
第7回 EAとデータ中心設計
企業ITシステム全体のアーキテクチャと業務データフローとデータベースを中心としたシステムアーキテクチャ設計について学ぶ。
第8回 ソフトウェア詳細設計と検証方法
方式設計に基づくソフトウェア詳細設計の方法と考慮すべき観点を学ぶ。併せてソフトウェアの検証方法と修正ポイントの論理的な追い込み方について学ぶ。
第9回 システムの構造化設計法
内部、外部仕様に基づき、システム設計をより詳細化していく方法について学ぶ。
第10回 システム機能定義技術
UMLやユースケーズ図を用いて、システム要求の上流工程をドキュメント化する手法について学ぶ
トレードオフについて学ぶ。
第11回 ソフトウェア設計技法とシステム設計
ソフトウェア開発プロセスとシステム設計プロセスの類似点、相違点について学ぶ。
第12回 組込みシステムなど
企業システム以外の組込みシステム等についての設計手法について学ぶ。
第13回 システムの運用と保守
システムの運用や保守という業務そのものの理解と業務および運用の評価方法について学ぶ。保守やテストにおける方法について学ぶ
第14回 学修内容の振り返り

<成績評価方法>
期末試験は実施せず、毎回授業の(1)講義内容理解確認テスト、(2)ICT基本知識テスト、(3)プログラミング課題の提出と内容の正答性を評価し、A+,A,B,C,D,Fにて評価する。D以上を合格とする。

<教科書>
授業で用いる資料をKuport等にて配布する

<参考書>
恒川 裕康、「高信頼システム構築標準教科書 − 仮想化と高可用性 −」、LPI-JAPAN、Ver1.0.1
IEEE SWEBOK V3.0

<オフィスアワー>
授業終了後02−504室または教室。他の曜日、日時に関してはメールにて連絡してもらえれば別途日時を調整

<学生へのメッセージ>
システムエンジニアを職業として選択する学生が多数であるが、システム設計の対象物や技術者の役割、そして関連技術を知らないまま就職活動をしているように思われる。将来の職業としてシステム設計者を志望する者もしていない者も学んでいる技術がどのように必要となるのかを知るために本授業を受講することを勧める。


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