2019年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科

計算言語学(k)[2H23]

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2単位
近藤 公久 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
計算言語学は、コンピュータによる検索や機械翻訳などに応用される学問である。
本講義では、その基礎部分から応用について学習する。
言語のコンピュータ上での扱いや、表現、処理法について学ぶことにより、言語をコンピュータで扱う技術的背景を理解した上で実際に応用する力を養う。
また、人間の言語処理と比較しながら、人の心理や思考を考える力を身につける。

<受講にあたっての前提条件>
特になし

<具体的な到達目標>
計算言語学の基本を理解し、その応用力を習得する。
具体的には、
命題や述語論理などの自然言語を処理するための基礎知識を身につけ、
自然言語処理における各モジュールの仕組みを理解した上で、応用力を身につける。
また、人間の言語処理過程とその研究手法を修得する。

<授業計画及び準備学習>
1.計算言語学とは
  計算機で言語を処理するとは。どんなことに使われているか。
  何ができるのか、何が難しいのか。
  準備:自然言語処理技術を用いたサービスについて考えてくること
2.身近な自然言語処理技術とサービス
  かな漢字変換は何を行なっているのか
  正規表現でテキストを解析してみよう
  レポート課題1提示
  準備:かな漢字変換やWeb検索の誤変換、誤検索について考えてくる
3.命題と述語
  記号論理学の基礎として、論理記号体系を習得する
  真理値表、論理式の基礎、エクセルで遊ぶ
  準備:情報数学1(必修授業)の命題の回を復習しておこう
4.述語と論証
  証明、論理式の計算
  準備:論理回路(必修授業)の復習をしておこう
5.自然言語の論理
  人の言語処理と思考の論理
  準備:人の言語処理過程における論理演算について考えてくる
6.形態素解析
  形態素解析の仕組み、辞書、コスト
  準備:分かち書きしない日本語を人間はどうやって読んでいるか考えて来る
7.単語認知モデル(言語心理学I)
  人間の単語処理過程のモデルと単語の特性
  準備:単語を認知し意味を理解するとはどういう過程か考えてくる
8.構文解析と文法
  構文と文法、構文木
  準備:人間でも解釈が曖昧になって誤解を招く例を集めておこう
9.人間の文処理過程(言語心理学II)
  人の構文解析と実験手法
  準備:文を理解するとはどういう過程か考えてくる
10.意味解析
  コンピュータ上での意味解析と、人の意味理解(言語心理学II)
  事前調査レポート提示
  準備:意味をコンピュータ上で表現するとはどういうことかを考えて来る
     人が意味を理解したとはどういうことか考えて来る
11.ディスカッション実習(レポート提出)
  かな漢字変換から翻訳など、現在とこれからの技術への期待
  準備:事前調査必須
12.コーパスとコーパス言語学
  コーパスとは何か、コーパスを用いた言語研究
  かな漢字変換から翻訳など、現在とこれからの技術への期待
  準備:事前調査必須
13.達成度テスト
  試験とその解説を行うことにより授業全体のポイントを復習し最終レポートの指示をする
  準備:12回までの復習
14.学習内容の振り返り(最終レポート提出)
  準備:授業を振り返りレポートにまとめる。

【実務経験のある教員による授業科目】
担当教員の、
企業研究所における研究推進、研究企画、研究管理、
開発部門におけるプロジェクト管理、開発企画・提案、
の経験から、
授業における受け身の知識獲得だけでなく、授業内に、ディスカッションや
ディベート形式を取り入れ、技術の応用、発展、研究要素の発見を意識する
ことを必須とし、それを含めたレポートを求める。

<成績評価方法>
試験(70%)、提出するレポート(30%)
到達目標に照らして、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し、D以上の者に単位を認める。

<教科書>
指定しない。

<参考書>
奥村 学 自然言語処理の基礎 コロナ社
他、適宜紹介する。

<オフィスアワー>
火曜日、4、5時限目、新宿情報学部講師控え室にて、質問を受け付ける。
また、事前に連絡があれば、上記以外でも受け付けることができる時間がある。
連絡先等は、第一回授業で示す。

<学生へのメッセージ>
自然言語を計算機で扱う基礎を身につけることで、web上や様々な言語データを扱うことができるようになります。
また、人の言語処理過程を知ることで、コミュニケーション研究の礎となります。
言葉を扱う研究を推進する学生だけでなく、様々な領域の学生にぜひ学んで欲しい。

<備 考>
ノートPCを持っているなら持って来る。自然言語処理モジュールをインストールして動かしてみよう


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