2019年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科

CG数学(Basic mathematics for Computer Graphics)[4A11]

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2単位
小林 彰夫 非常勤講師  
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
2次元、または3次元コンピュータグラフィックスの学習に必要な線形代数を学びます。本講義と関連する「コンピュータグラフィックス」などの科目が受講できる知識を得ることが目的です。座標の変換やベクトルどうしの積(外積)といった基本を身につける授業です。

<受講にあたっての前提条件>
線形代数学を履修していること。行列の四則演算や逆行列の求め方など、線形代数の基礎を理解していることが望ましい。

<具体的な到達目標>
(1)3次元コンピューターグラフィックスの基礎となる線形代数を理解する。
(2)座標と座標系による考え方を学び、線形変換・アフィン変換に基づく座標変換を理解する。
(3)3次元空間から2次元平面への投影を行うための投影変換を理解する。
(4)3次元空間におけるベクトルに関して、外積を含むベクトル演算を理解する。

<授業計画及び準備学習>
第1回:講義概要と理解度確認試験
 講義の概要と到達目標を説明する。また、高校数学IIBおよび線形代数の理解度をはかるための試験を行う。
 準備学習:特になし
第2回:ベクトルと行列(1)
 ベクトルの基本演算(ノルムや内積)および行列の基本演算(連立方程式や逆行列)について学ぶ。
 準備学習:「線形代数」受講時の教科書にある行列演算およびベクトル演算について復習しておくこと。
第3回:ベクトルと行列(2)
 前回の授業に続き、行列の固有値について学ぶ。今回までの内容が本講義を理解するための準備である。
 準備学習:「線形代数」受講時の教科書にある行列演算およびベクトル演算について復習しておくこと。
第4回:線形変換
 行列による線形変換、特に2次元平面上での回転行列について学ぶ。
 準備学習:講義資料を事前に読んでおくこと。必要であれば、「線形代数」受講時の教科書で復習しておくこと。
第5回:座標系と座標変換
 デカルト座標,極座標および座標の相互変換を学ぶ。2次元平面におけるアフィン変換を学ぶ。
 準備学習:講義資料をあらかじめ読んでおくこと。アフィン変換を理解するために第3回講義で触れた線形変換に関して復習しておくこと。
第6回:3次元空間と座標系
 3次元空間における座標変換について学ぶ。
 準備学習:講義資料を事前に読んでおくこと。第3回、第4回講義での2次元平面上での座標変換を復習しておくこと。
第7回:空間ベクトル
 3次元空間におけるベクトルの外積(ベクトル積)について学ぶ。
 準備学習:講義資料を事前に読んでおくこと。ベクトル演算の理解が不足している者は、第2回講義および演習を復習しておくこと。
第8回:空間ベクトルと行列(1)
 3次元空間における座標変換(拡大・縮小、回転)について学ぶ。
 準備学習:講義資料を事前に読んでおくこと。また、第7回講義における3次元空間における座標変換の理解を確実にしておくこと。
第9回:空間ベクトルと行列(2)
 3次元空間におけるアフィン変換の合成(合成変換)について学ぶ。
 準備学習:講義資料を事前に読んでおくこと。また、第9回講義および演習を復習し、基本的なアフィン変換の理解を深めておくこと。
第10回:行列と幾何
 2次形式による曲線の標準化について学ぶ。特に固有値と図形の幾何的な表現の関係を理解する。
 準備学習:講義資料を事前に読んでおくこと。固有値の理解が不足している者は、「線形代数」の教科書を読み、あらかじめ復習しておくこと。
第11回:射影変換
 行列を用いた3次元空間から2次元平面への射影について学ぶ。特に、射影変換と呼ばれる変換とアフィン変換との相違について理解を深める。
 準備学習:講義資料を事前に読んでおくこと。
第12回:投影法
 射影変換を利用した投影法の基礎を学ぶ。3次元図形を2次元平面に投影できるようになる。
 準備学習:講義資料を事前に読んでおくこと。
第13回:3次元ビューイング変換
 コンピューターグラフィックスで用いられるワールド座標系からカメラ座標系への座標系の変換について学ぶ。
 準備学習:事前に講義資料に目を通しておくこと。また、第10回のアフィン変換の合成について復習しておくこと。
第14回:試験・レポートの講評と学習内容の振り返り
 アフィン変換とベクトル演算(外積)の復習を行う。また、線形代数の応用分野について、いくつかの事例を通じて学ぶ。
 準備学習:特になし

<成績評価方法>
本講義の成績評価は
(1)講義内容に関する演習形式の課題(2回実施、評価の20%)
   最初の課題は、線形代数に関する内容とし、第7回講義終了後に行う予定です。
   2番目の課題は、アフィン変換および射影変換を含む内容とし、第13回講義終了後に行う予定です。
(2)定期試験(評価の80%)

課題と定期試験を合計した成績を元に、A+、A、B,C、D、FのGradeで評価し、Grade D以上を合格とします。

<教科書>
CGのための線形代数 郡山 原 峯崎著、森北出版 (ISBN 978-4-627-82689-2)

<参考書>
特になし。

<オフィスアワー>
授業終了後に講義室にて質問事項を受け付けます。その日の授業内容だけではなく、自分がつまづいたところや分からないところがあれば、適宜質問してください。

<学生へのメッセージ>
線形代数は行列ばかりで小難しいイメージがあり、実際のところ、学生の皆さんも苦手な人が多いかと思います。
CG数学の講義では、数式を追うばかりでなく、図形がどのように表示されるのかといった幾何学的な側面に注力したいと考えています。


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