2019年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科

情報ネットワーク論(Information Network Theory)[4D33]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
小野  諭 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
インターネットを中心とする情情報通信ネットワークシステムに関して、事例検討や体験的な学習活動を通して、理解を深めるようにする。
講義では、「基礎技術」、「設計・構築」、「運用・保守」、「サービスと応用」の4中項目に分けて、ネットワーク全般にわたる知識とスキルが得られるようにする。

<受講にあたっての前提条件>
前提となる科目はありません。

<具体的な到達目標>
• インターネットを中心とする情情報通信ネットワークシステムに関して、体系的知識と技術を習得し、実習を通して実際に活用する能力と態度を育てる。
• ネットワークの動作原理や基礎技術・設定に関する体験的な学習活動と実習を通して,問題解決能力や創造力を養い,実践力を高める。
• ネットワークの設計・構築および運用・保守に関する事例を分析する体験的な学習活動と実習を通して、問題解決能力や創造力を養い,実践力を高める。
• ネットワークサービス応用に関する事例を分析する体験的な学習活動と実習を通して、発展的な学習を興味をもって自発的に行えるようにする。

<授業計画及び準備学習>
第1回:オリエンテーション、情報ネットワークの歴史と変化
第2回:基礎技術1: データ通信の基礎、プロトコル階層
第3回:基礎技術2: ネットワークの接続形態・構造と機器、設定方法
第4回:基礎技術3: ネットワーク基本サービス (DHCP, DNS, ネットワーク認証)
第5回:基礎技術4: IPフォワーディングと IP ルーティング
第6回:基礎技術5: サブネットワーク化と VLAN
 レポート1: この回に、ネットワーク基礎技術に関するミニレポート課題を出す。
 
第7回:設計構築1: 組織ネットワークの要件と関連する品質特性
    (モバイル性、閉域性、認証性、品質制御、ロードバランシング、耐障害性など)
第8回:設計構築2: 組織ネットワークのデザインパターン。事例検討
第9回:運用保守1: ネットワーク運用・保守・セキュリティサービスの役割と内容
第10回:運用保守2: ネットワーク大規模障害・攻撃や災害時への対策と対応。事例検討
 レポート2: この回に、ネットワークの設計・構築および運用・保守に関するミニレポート課題を出す。
 
第11回:サービスと応用1: 公衆有線通信網サービスの種別・アーキテクチャと技術
第12回:サービスと応用2: 公衆モバイル通信網およびクラウドサービスの種別・アーキテクチャと技術
第13回:サービスと応用3: 情報ネットワークの新しい応用と要件・技術の紹介
    (応用:自動運転,モバイルビデオ配信など、技術:5G Mobile, MEC など)
 レポート3: この回に、サービスと応用に関するミニレポート課題を出す。
 
第14回:全体の振り返り

【実務経験のある教員による授業科目】
通信会社の研究開発部門で、インターネットインフラとセキュリティプラットフォームの研究開発および知財活動に従事した実務経験を活かして、講義を行う。具体的には、情報通信がもたらすイノベーションを活用しながら、ビジネスの目的を達成し、リスクに適切に対応できるネットワーク化システムの設計・運用の考え方について解説していく。

<成績評価方法>
定期試験(70%)、3回のミニレポート(30%)

・定期試験期間に試験を実施する。講義資料のプリント、自筆ノート持ち込み可。
 講義内容を理解し、簡単な課題に応用できるレベル。
・授業時間内で、ミニレポート課題を3回出します。
・単位取得には、授業の 2/3 以上の出席 および 2つ以上のミニレポート提出が必要です。
 (初回および補講は出席とみなす。)
・到達目標に照らして Grade (A+,A,B,C,D,F) で評価し、D以上の者を合格とします。
 なお、GPA 非適用者は S, A, B, C, Fで評価し C 以上を合格とします。

<教科書>
資料を kuport にて事前に電子配布する。

<参考書>
伊土, 市川, 後藤, 小野, 三上: 次世代インターネット技術 ISBN 9784885499104

この他、講義の中で、適宜、参考となる資料を紹介する。

<オフィスアワー>
前期の期間、毎週木曜3限
新宿キャンパス A1577

<学生へのメッセージ>
情報ネットワークは、我々の日常生活に欠かせないものですが、その実体は「壁の向こう側」にあって実体が見えにくいものです。一方、その技術や利用方法は大きく変わりつつあり、この分野に熟達した技術者の貢献が強く求められています。

この授業では、「自宅のネットワークサービスの設定」のように身近かに見えるものから、モバイルネットワークのように、日ごろ利用してはいるけれども、その実体が見えにくいものまで、多様多彩なネットワークの様相を扱います。
そして、情報ネットワークをブラックボックスとして利用するのではなく、その中身を知り、授業中に出される課題に取り組むなどの体験的な学習活動を通して,問題解決能力や創造力を養い,職業的な実践力を高めるようにします。
また、今後発展が期待される自動運転やモバイルビデオ配信のような新サービスに関して、サービス内容・要件と実現技術について展望していきます。

なお、この講義は、2年Q3Q4 のコンピュータ科学実験に知識・スキルが応用できるように、ネットワークの基礎技術を先に扱い、その上で、それを用いたシステム化について議論していきます。


ナンバリングはこちら
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2019 Kogakuin University. All Rights Reserved.