△データベース論（Database Theory）[4A10]

＜学位授与の方針＞

○	1. 基礎知識の習得
◎	2. 専門分野知識の習得
○	3. 汎用的問題解決技能
○	4. 道徳的態度と社会性

＜授業のねらい＞

Webの検索システム，オンラインショッピングの商品推薦，銀行のATM，コンビニ等の小売店，その裏ではデータベースの技術が重要な位置を占めている．本講義では，このようなデータベース技術の理論を学び，リレーショナルデータベースの操作言語であるSQLを習得する．また，SQLの演習を行うことで理解を深める．

＜受講にあたっての前提条件＞

特になし

＜具体的な到達目標＞

データベースの設計思想，データの結合演算等の基礎的な理論を身につける．
データベースの正規化理論，トランザクションの概念を身につけ，整合性のあるデータベースの設計方法を身につける．
基本的なSQLを記述し，データベースの構築，検索が可能になる．

＜授業計画及び準備学習＞

講義においてデータベースの理論を学び，講義中に出す課題によってデータベースの設計・操作の習熟を目指す．
課題に関しては，次の講義で解説を行い，復習を兼ねる．
毎回の講義に際し，事前学習として教科書の該当する章を熟読して望むこと．
理論に関しては講義資料，設計・操作に関しては講義中に示すWebページを参考に復習し，理解を進めること．

第1回：情報社会とデータベース
　社会におけるデータベースの位置づけについて理解し，講義の全容を知る．
第2回：リレーショナルデータモデル（教科書 2章）
　データベースの設計方法について学び，概念データモデルを理解する．また，リレーションを理解し，第一正規形および主キー，外部キーを学ぶ．
第3回：正規化（教科書 4章）
　第2正規形，第3正規形といったより高次の正規化について学び，正規形でないデータベースの不具合を理解する．
第4回：SQLの概要（教科書 3章，5章）
　SQLの考え方，基本形式を学ぶ．
第3回：SQLによるデータベース作成（教科書 3章，5章）
　データベース，テーブルの作成，データの挿入，更新，削除について学ぶ．
第4回：射影演算とSQL（教科書 3章，5章）
　射影演算の概念とそれをDBMS（データベースマネジメントシステム）で実現するためのSQL文を学ぶ．
第5回：選択・結合演算とSQL（教科書 3章，5章）
　選択・結合演算の概念とそれをDBMSで実現するためのSQL文を学ぶ．
第6回：リレーショナル代数とSQLによる高度な問い合わせ（教科書 3章，5章）
　複数のテーブルの結合や集約演算など，より実践的な問い合わせについて学ぶ．
第7回：データベース管理システム（教科書 6章）
　データベースの物理的な側面を学び，また検索の高速化について理解する．
第10回：データベースの物理設計（教科書 8章）
　ファイル編成法，格納構造，B木など，データベースのコンピュータ内表現について学ぶ．
第11回：トランザクションと障害時回復（教科書 10章）
　データベースに起こる障害の種類とその回復方法について学ぶ．
第12回：トランザクションと同時実行制御（教科書 11章）
　トランザクションの概念を学び，複数のトランザクションを不整合なく実行する仕組みを理解する．
第13回：データベース応用
　情報検索やマーケティングなど，データベースの応用分野について紹介する．
第14回：学習内容の振り返り

定期試験は行わず，レポート課題により学習内容を確認する

＜成績評価方法＞

毎回の講義中に課題の提出を求める．成績は課題および最終レポートの成績で判定する．
講義中に示す課題，最終レポートの評価割合は2:8とし，A+~Fの6段階評価でD以上のものを合格とする．

＜教科書＞

リレーショナルデータベース入門［第3版］，増永 良文，サイエンス社

＜参考書＞

指定参考書なし

＜オフィスアワー＞

曜日：水曜日
時間：11:05〜12:50
居室：A2472（新宿キャンパス）

＜学生へのメッセージ＞

データベースは業務システムでも必ずと言っていいほど使われ，プログラム言語と連携して用いることも多々あリます．この講義は，なるべく演習に近い事を取り入れて，実践的に行うことを考えており，非常に大変な講義になると思います．その分，社会に出てから皆さんの力になると信じて講義を行いますので，楽しく学んで下さい．