2019年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科

OS基礎論(Fundamentals in Operating System)[1K19]

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2単位
十山 圭介 非常勤講師  
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
OSの機能や構造を学んでソフトウェアの実行環境について基礎的な知識を得て、OSを介してプログラムがコンピュータ上でどのように動作するか、OSの基本的な概念がプログラムの開発でどのように利用されるか、の考え方を習得できるようにする。

<受講にあたっての前提条件>
コンピュータ科学序論、情報処理概論などを受講し、コンピュータの仕組みや動作についての基本的な項目、データ構造とプログラミングの基礎を理解していることを前提とする。

<具体的な到達目標>
・OSの役割と基本構成を理解する
・OSの基本機能(プロセス管理、メモリ管理、ファイル管理)を理解する
・ユーザとOSの係りに関する機能を理解する

<授業計画及び準備学習>
次の予定で進める。
教科書と講義資料を振り返り、参考書などの該当箇所を読むこと。また、次回の内容に関して、教科書・講義資料に目を通しておくこと。
(1)講義のイントロダクション、OSの概要
本講義の内容や進め方などを説明するとともに、OS開発の背景や経緯を紹介してOSの機能と目的について概要を示す。
(2)OSの基本構造と機能について
ユーザから見たOSについて、コンピュータの効果的な利用の観点からプログラムの実行・開発とOSとの関連の概要を説明する。
(3)OSとハードウェアアーキテクチャについて
OSの動作を支援するために必要となるハードウェアアーキテクチャとその活用法を学ぶ。
(4)プロセス管理について(1)
プログラム実行の実体であるプロセスの基本概念とその機構について学ぶ。
(5)メモリ管理について(1)
主記憶を効率的に利用するためのメモリ管理の課題、アドレス空間について学ぶ。
(6)メモリ管理について(2)
前回で述べた課題を解決するページングによる仮想記憶の概念と機構を学ぶ。
(7)I/Oシステムについて
入出力装置とOSでの管理について概要を学ぶ。
(8)ファイルシステムについて
データの保存や交換のために二次記憶装置を管理し、効率的に利用する方式について学ぶ。
(9)プロセス管理について(2)
複数のプロセスが並行して実行される環境での制御方式、プロセス間の通信について学ぶ。
(10)アクセス制御とデータ保護、セキュリティについて
コンピュータの資源を脅威から保護するための対策について概要を学ぶ。
(11)ネットワークと分散処理について
コンピュータネットワークや複数のコンピュータが協調する技法について概要を学ぶ。
(12)デスクトップ環境、コマンド、シェルスクリプトと開発環境について
ユーザとOSとの情報のやり取りの仕組みの概要を学ぶ。
(13)OSの構成法について
OS構成のアプローチやOSの事例について説明する。
(14)学習内容の振り返りと学習成果の確認(試験)

<成績評価方法>
学習成果確認の試験結果(60%)、授業での課題提出と参加度(40%)で評価する。
到達目標に照らして、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し、D以上の者に単位を認める。

<教科書>
『オペレーティングシステム』 大澤範高 著(コロナ社)2008年

<参考書>
[1]『オペレーティングシステムの基礎 - ネットワークと融合する現代OS - 』
吉澤康文 著(オーム社)2015年
[2]『オペレーティングシステム(情報処理入門コース2)』 清水謙多太郎 著
(岩波書店)1992年

<オフィスアワー>
授業の後、教場で


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