2019年度工学院大学 情報学部情報通信工学科

無線通信工学(k)[3H13]

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2単位
大塚 裕幸 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
情報通信ネットワーク,特に無線通信の基本技術を習得する.
・送信側における信号の変調・送信技術,受信側における信号の受信・復調技術を理解する.
・理解した無線通信技術を用いて,無線通信システムの設計,および性能評価ができる.

<受講にあたっての前提条件>
通信工学の基礎を理解していること.

<具体的な到達目標>
・無線通信で用いる電波の性質を理解し,周波数,波長,速度の関係,および電波のエネルギーを理解できる.
・送信電力,通信路の伝搬損失,アンテナ特性から,受信点における受信電力を計算できる.
・ディジタル信号の無線信号への変換(変調)を数式化でき,かつその現象を科学的に説明できる.

<授業計画及び準備学習>
1.ガイダンス,情報通信の技術動向
 ・これまでの有線,無線通信の技術動向を理解する.
2.世界の移動通信(携帯電話)システムの分析
 ・世界の携帯電話,スマートフォンの発展状況を理解する.また,その契約数,普及率,利用形態を理解する.
3.モバイルデータトラフィックの分析,将来予測
 ・今後5年間の移動通信システムの発展状況,モバイルデータトラフィックの伸び率,モバイルサービスを予測する.
4.電波の特徴および基礎的事項
 ・電波の定義,および周波数,波長,速度の関係を理解する.
5.電波のエネルギー,放射界の解析
 ・3種類のアンテナの放射特性,受信点での電界強度を理解する.
6.送信・受信アンテナの種類と基本特性
 ・絶対/相対利得,偏波,指向性の考え方を理解する.また,いろいろな無線システムのアンテナの特徴を理解する.
7.無線通信路の伝搬損失特性,受信電力の算出
 ・フリスの伝達公式,自由空間伝搬損失の定義を理解する.それを基にした受信点での受信電力の計算の仕方を理解する.
8.中間試験,前半の学習成果の振り返り
9.フェージング現象とは何か
 ・無線区間で発生するフェージングのメカニズムを理解する.また,無線通信システムに与える影響を理解する.
10.無線通信の変調と復調(アナログ変復調)
 ・AM変復調,FM変復調の原理とその動作を理解する.
11.無線通信の変調と復調(ディジタル変復調)
 ・QPSK変復調の原理とその動作を理解する.また,信号コンスタレーションの表現方法を理解する.さらに,ビットレートとシンボルレートの関係を理解する.
12.無線通信の変調と復調(QAM変復調)
 ・QAM変復調の原理とその動作を理解する.また,変調器と復調器の構成を理解する.
13.無線通信における信号品質の評価方法
 ・ビット誤り率特性の定義,およびその計算方法を理解する.
14.学習成果の振り返り

【実務経験のある教員による授業科目】
企業の研究開発部門での経験を活かして,無線通信の基本的な知識および無線システムの設計手法について講義する.

<成績評価方法>
定期試験期間内に実施する期末試験(80%),授業中の中間試験(20%)の成績をもとに理解度をA+, A, B, C, D, FのGradeで評価する.Grade D以上を合格とする.

<教科書>
指定教科書無し.パワーポイントで作成した講義資料を使用する.

<参考書>
本科目も含めて情報通信ネットワークを幅広く学びたい諸君には;
大塚裕幸監修;基本からわかる 情報通信ネットワーク,オーム社

<オフィスアワー>
水曜日 15:30〜16:20 新宿校舎A−2277

<学生へのメッセージ>
質問は歓迎する.オフィスアワー以外の時間でも歓迎するが事前にアポイントメントをとるように.

<備 考>
本科目は,総務省が認定する無線従事者長期養成課程の科目の一つとなっています.
本科目の単位を修得すると,各種の無線従事者資格を取得するための優遇措置を受けられます.


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