2019年度工学院大学 建築学部

建築幾何学I(A)[3N12]

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2単位
長谷川 研二 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
1年次で履修する微分積分T・Uでは計算が主であり、2年次以降はそれらを利用することが求められる。本科目は曲線や曲面への応用を学び、それによって微分積分の理解を深めることが授業のねらいである。

<受講にあたっての前提条件>
微分積分T・U、線形代数学Tの内容を理解している。微分積分Uを未履修の学生は同学期に履修することが望ましい。建築学部の学生のみ受講できます。

<具体的な到達目標>
  1. 様々な形で表現された曲線の長さや、曲線で囲まれた領域の面積が計算できる。
  2. 曲線の曲がり具合を表す曲率や曲線を近似する曲率円が求められる。
  3. 回転体の体積や回転面の面積を定積分で計算できる。
  4. 曲面の面積を重積分で計算できる。

<授業計画及び準備学習>
  1. 直交座標と極座標:
    平面において直交する2本の直線を座標軸にすれば点の位置を表す座標が定まるが、これを直交座標と呼ぶ。座標の定め方は他にもあり、よく利用されるものとして極座標がある。直交座標と極座標の変換公式を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:プリントは事前に配布できないので微分積分の復習をしておく。
  2. 極座標と極方程式:
    曲線上の点の座標が満たす等式は曲線の方程式であるが、座標が極座標の場合は極方程式と呼ぶ。直交座標の方程式と極方程式の関係を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  3. 領域の面積:
    極方程式で定義された曲線で囲まれた領域の面積の計算方法を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  4. 曲線の長さ:
    曲線の長さを折れ線で近似する方法で定義して、媒介変数や極方程式で定義された曲線の長さを定積分で計算する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  5. 曲線の曲率:
    曲率は曲線の曲がり具合を数値で表したものである。曲率の定義を理解して公式を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  6. 曲率円:
    曲線に接する円で半径が曲率の逆数のとき、この円を曲率円と呼ぶ。曲率円が曲線を近似することを理解して、曲線の方程式から曲率円の中心と半径である曲率中心と曲率半径を求める公式を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  7. 陰関数と接線・曲率半径:
    平面上の曲線は方程式f(x,y)=0で表せる。これを関数のグラフと見なすとき、この関数を陰関数と呼ぶ。陰関数のグラフの接線の傾きと曲率半径を偏微分で求める方法を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  8. 回転体の体積:
    立体の体積は重積分で求まるが、回転体の体積は1変数の定積分で計算できる。公式を導き体積を計算する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  9. 回転面の面積:
    平面の曲線を回転してできる曲面である回転面の面積の積分公式を導き、それを用いて面積を計算する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  10. 重積分の復習:
    重積分の定義、および累次積分と極座標変換による重積分の計算を復習する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  11. 曲面の媒介変数表示:
    一般的な曲面は2つの媒介変数で表示できる。球面のような2変数関数のグラフにならない曲面の媒介変数表示の例を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  12. 外積と曲面上のヤコビアン:
    ベクトルの外積を使って媒介変数で細分された曲面の面積を近似して、曲面上のヤコビアンが導けることを理解する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  13. 曲面上の重積分:
    曲面上のヤコビアンを用いて曲面の面積を重積分で計算する。問題を解き答案用紙を提出する。(試験前最終授業なので、試験前のオフィスアワーで希望者に返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  14. 学習内容の振り返り:
    準備学習:定期試験で解けなかった問題の解き方を考えておく。

<成績評価方法>
試験期間で実施する定期試験の得点が60点以上であればGradeをA+,A,B,Cのいずれかにするが、授業中に解かせた問題の解答状況で決まる平常点によりGradeをCからBにすることがある。(A+,Aは定期試験の得点のみで決める。)定期試験の得点が60点に若干満たない場合は平常点によりGradeをDにすることがある。平常点については授業態度が悪い、あるいは他人の解答を模写した答案の提出が目立つ場合は平常点を成績評価の資料から外すことがある。2014年以前の入学者は60点以上が合格で,60点に若干満たない場合は平常点により60点にすることがある。

<教科書>
  • 長谷川研二 他著「理工系のための微分積分」培風館(1年次で購入済)
  • プリントを授業で配布するが、予習のためにキューポートにPDFファイルを事前にアップロードする。

<参考書>
  • 占部 実・佐々木 右左 編「理工科系一般教育 微分・積分教科書」共立出版
  • 高瀬 正仁 著「古典的難問に学ぶ微分積分」共立出版

<オフィスアワー>
木曜日13:00〜14:00
月曜日11:00〜12:00(第2クウォータのみ)
(1E-313数学研究室)
または授業終了後、教室にて。

<備 考>
「理工系のための微分積分」の訂正は
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft10058/


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