2019年度工学院大学 建築学部

都市計画(City Planning)[3D12]

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2単位
野澤  康 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
都市とは何かに目を向け、その上で都市計画とはどのようなものなのか、その概要や基本的な枠組みを理解する。
また、建築を学ぶにあたって、建築そのものの敷地だけではなく、その周辺環境に広く目を向けることの重要性を知る。

<受講にあたっての前提条件>
特になし。

<具体的な到達目標>
(1)都市計画とはどのようなものであるか、その役割や枠組み、歴史的背景を理解している。
(2)身近な都市の問題点や良い点を的確に捉えて、指摘することができる。
(3)具体的な都市の計画図書を読み解くことのに必要な基礎知識を身につけている。

<授業計画及び準備学習>
指定の教科書及びキューポート経由で配布する資料集を用いて、下記の通りに進める予定である。
また、下記の内容に加えて、講義内容の理解に必要な時事問題の解説や、国内外の都市の事例紹介をする時間も交えていく。

1.都市とは?都市計画とは?を考える(都市についての理解、都市計画の意義、人口集中地区)
☆準備学習:自分が住んでいる街や出身都市の人口や都市問題を調べてみる。また、教科書pp.1-15を熟読して内容を理解しておく。

2.都市計画の近代史(田園都市、近隣住区論、近代都市計画の発祥)
☆準備学習:教科書pp.16-18を熟読し、内容を理解する。Googleなどを通して、扱われている事例の現在の様子を知る。

3.都市計画法の体系(都市計画法、マスタープラン、都市計画制限と都市計画事業)
☆準備学習:教科書pp.19-24を熟読し、内容を理解する。自分の居住都市や出身都市の都市計画マスタープランを、インターネットを通じて入手して読む。

4.都市の構成と土地利用計画(都市の形成、都市の把握、都市のイメージ)
☆準備学習:教科書pp.25-29を熟読し、内容を理解する。自分の居住都市や出身都市の形成プロセスを調べてみる。

5.土地利用と建築物のコントロール(区域区分、地域地区、密度・用途・形態、形態規制)
☆準備学習:教科書pp.30-51を熟読し、内容を理解する。自分の居住都市や出身都市の都市計画図を入手して読み取る。表現方法を学ぶ。
[第1〜4回の復習のための即日レポート1](次回以降の講義でフィードバック)

6.地区スケールの計画・ルール(形態規制、地区計画、建築協定)
☆準備学習:教科書pp.52-64を熟読し、内容を理解する。自分の居住都市や出身都市の都市計画図から、地区計画がかけられている地区を抽出し、具体的な内容を調べてみる。

7.都市の再生と交通システム1(街路空間・街路網、歩車分離、歩車共存、交通拠点、駅前広場)
☆準備学習:教科書pp.65-69を熟読し、内容を理解する。身近な都市では歩行者と自転車、自動車との関係はどうなっているか、実際の状況を観察する。

8. 都市の再生と交通システム2(総合的な交通政策、公共交通、コンパクトシティ)
☆準備学習:教科書pp.70-76を熟読し、内容を理解する。身近な交通問題に注目して、その問題の原因と解決策を考察する。

9.都市と自然(公園・緑地・オープンスペースの意義、都市公園、都市緑地法、生産緑地)
☆準備学習:教科書pp.77-89を熟読し、内容を理解する。身近な公園・緑地・オープンスペースに行き、その機能や環境を調べてみる。キャンパスや自宅周辺で生産緑地を探し、その状況を知る。
[第5〜8回の復習のための即日レポート2](次回以降の講義でフィードバック)

10.市街地開発事業と都市再生(土地区画整理事業、市街地再開発事業、都市再生)
☆準備学習:教科書pp.90-99を熟読し、内容を理解する。各種事業の身近な事例を実際に見て、その空間を学び取る。

11.都市と防災(災害、地域危険度、不燃領域率、ハザード、災害から守る、被災地を再建する)
☆事前学習:教科書pp.100-112を熟読し、内容を理解する。自分が大地震に遭遇した時に、まず何をするか、また、災害時に家族とどのように連絡を取るか等を考え、相談してみる。

12.都市の景観まちづくり(都市デザイン、景観の領域性、景観法)
☆準備学習:教科書pp.113-123を熟読し、内容を理解する。美しい景観、良好な景観とはどんなものか? 自分が行ったことのある街から考えてみる。

13.参加・協働のまちづくり(計画プロセスと参加、ワークショップ、主体、コミュニケーション)
☆準備学習:教科書pp.124-134を熟読し、内容を理解する。身近なまちで行われている参加型まちづくりの事例を調査する。可能であれば、実際に参加してみる。
[第9〜12回の復習のための即日レポート3](キューポートを通じてフィードバック) 

14.学習成果の振り返り
☆準備学習:期末試験で解けなかった問題について、正解を調べておく。

<成績評価方法>
授業にきちんと出席することが成績評価の前提となる。
授業中に実施する即日レポート等50%、学期末試験50%によって成績を評価する。A+〜Fの6段階評価でD以上の者を合格とする。

<教科書>
「初めて学ぶ都市計画 第二版」饗庭伸・鈴木伸治編著(市ヶ谷出版社)
 ※必ず、授業初回までに用意しておくこと。
 ※この教科書は2019年度から初めて使用する。

<参考書>
「都市計画 第3版」川上光彦・著(森北出版)
「初学者のための都市工学入門」高見沢実著(鹿島出版会)
「市民参加のまちづくり」渡辺俊一編著(学芸出版社)
「市町村の都市計画1〜3」日笠 端著(共立出版) 他、講義中に随時紹介する。
また、これらの単行本に加えて、自治体発行の各種資料や新聞も参考としながら、学習してほしい。

<オフィスアワー>
水曜日13:00〜13:40(八王子キャンパス3号館3階建築事務室)
火曜日10:00〜11:00(新宿キャンパス26階A2674号室)
それ以外でもメールでの事前連絡により対応可能であるが、基本的に新宿校舎での対応となる。
E-mail;nozawa@cc.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
講義開始後の入室は原則として認めない。遅刻・私語・内職は厳禁で臨んで欲しい。
また、断片的な用語の暗記ではなく、内容を理解して説明できるように、そして設計課題や卒業研究、他の講義科目などの中で応用できるようになることを目指してほしい。


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