2019年度工学院大学 建築学部

基礎設計・図法(Introduction to Architectural Design,Theory of Design)[5105]

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2単位
鈴木 敏彦 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
小俣 光一 非常勤講師  
関谷 源次 非常勤講師  
香川  浩 非常勤講師  
武藤 かおり 非常勤講師  
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
製図のための基本的な技術を習得し、図面や模型から空間を読み解く力を学ぶ。
また、3次元の物質である家具・プロダクト、インテリア、建築のデザインを2次元の図面上で表現する各種手法を理解し、これらを適用して総合的に表現するトータル・デザインの表現技法を身につける。

<受講にあたっての前提条件>
既習科目、または並行履修科目についての前提条件は特にない。指定教科書の熟読・理解、および、製図用具の入手は必ずしておくこと。

<具体的な到達目標>
1)インテリアの演習を通して「もの」と「空間」のスケール感覚を身につけ理解する。
2)正投影図(Orthographic projection)の基本的な考え方を理解し、それを適用して正投影図による家具・プロダクト、インテリア、建築の基本図を解読でき、描けるようになる。正投影図とは、家具・プロダクトの場合は三面図、インテリアの場合は平面図、展開図、建築の場合は配置図、平面図、断面図、立面図のことである。
3)透視図(Perspective projection)や軸測投影図(Axonometric projection)の原理を理解し、それを適用して基本的な透視図や軸測投影図が描けるようになり、図面を立体的に表現できるようになる。本科目で取り上げる透視図は一点透視図と二点透視図、軸測投影図は等角投影図=アイソメ(Isometric projection)と不等角投影図=アクソメ(Trimetric projection)である。

<授業計画及び準備学習>
建築学部「基礎設計・図法」は3クラスに分かれて実施される。各クラスで取り上げる課題内容は異なるが、「授業のねらい」、「受講にあたっての前提条件」、「具体的な達成目標」、および、基本的な進行は3クラス共通である。
本科目では「自習課題」、「最終課題」が出題される。それぞれの課題の評価方法と本科目の成績との関係については、下記<成績評価方法>を参照すること。
初回授業は講評室で開始する。第2回以降の授業はスケッチで開始するので、製図室に着席して待つこと。

1. 建築製図入門
ー製図用具の説明、使い方、および、基本的な線の引き方などの図法の基本ー
製図用具の使い方。基本的な線の引き方、着彩の方法、等図法の基礎
「コエ・タロのレンガ目地」の線を引く
準備学習:製図用具の入手。
2. 身近なものを表現してみよう(1)
ープロダクトの三面図の描き方ー
「スツール60」の実測・作図(三面図)
準備学習:教科書指定箇所および配布資料の熟読・理解
3. 身近なものを表現してみよう(2)
ー椅子の模型のつくりかたー
自習課題1(スツール60の1/5模型)
準備学習:教科書指定箇所および配布資料の熟読・理解
4. 建築の図法(1)
ー建築の基本図面ー
「コエ・タロ」を題材に基本図(平面図・立面図・断面図)について学ぶ
ー平面図の描き方ー
「コエ・タロ」の平面図1/100を作成
自習課題2(「ルイ・カレ邸」の平面図1/100)の出題
準備学習:自習課題1(スツール60の1/5模型)を実施する
教科書指定箇所および配布資料の熟読・理解
5. 建築の図法(2)
ー立面図・断面図の描き方ー
「コエ・タロ」の立面図1/100・断面図1/100を作成
自習課題3(「ルイ・カレ邸」の立面図1/100・断面図1/100)の出題
準備学習:教科書指定箇所および配布資料の熟読・理解
6. 建築の図法(3)
ー配置図、添景の描き方ー
「コエ・タロ」の配置図と添景
準備学習:自習課題3(「ルイ・カレ邸」の立面図1/100・断面図1/100)を実する
教科書指定箇所および配布資料の熟読・理解
7. 建築の立体的表現技法(1)
ー建築模型の作り方ー
「コエ・タロ」の外観模型
自習課題4(コエ・タロ」の外観模型1/100)の出題
準備学習:模型製作用具・材料を入手する
教科書指定箇所および配布資料の熟読・理解
8. 建築の立体的表現技法(2)
ーアクソメ・アイソメの描き方ー
「コエ・タロ」、「スツール60」のアクソメ・アイソメ
準備学習:自習課題4(コエ・タロ」の外観模型1/100)を実施する
教科書指定箇所および配布資料の熟読・理解
9. 建築の立体的表現技法(3)
ー内観パースの描き方ー
「コエ・タロ」の内観パース
自習課題5(コエ・タロの内観一点透視図法)の出題
準備学習:教科書指定箇所および配布資料の熟読・理解
10. 建築の立体的表現技法(4)
ー外観パースの描き方ー
「コエ・タロ」の外観パース
準備学習:自習課題5(コエ・タロの内観一点透視図法)を実施する
教科書指定箇所および配布資料の熟読・理解
11. プレゼンテーションの技法(1)
ショー・ドローイングの考え方(添景、着彩)
自習課題6(プレゼンテーション素材)の出題
準備学習:自習課題5(コエ・タロの内観一点透視図法)を完成させる
教科書指定箇所および配布資料の熟読・理解
12. プレゼンテーションの技法(2)
プレゼンテーション技術の解説
「アールトのトータルデザイン」について1枚のシートにまとめる
「プレゼンテーションボードの作り方」
最終課題(総合プレゼンテーションボード)
準備学習:自習課題6(プレゼンテーション素材)を完成させる
教科書指定箇所および配布資料の熟読・理解
13. 総評
最終課題の評価・講評
ロッカールームの残置物の処理
準備学習:最終課題を完成させる。
14. 学習内容の振り返り
準備学習:前回までの総復習を行う。

<成績評価方法>
1)「自習課題」6題と「最終課題」1題が出題され、主な評価の対象となる。これらは自習として授業時間外に実施するものである。授業中にも複数の「即日課題」が課される。
2)「自習課題」と「最終課題」は、課題ごとに100点満点で採点する。「即日課題」は、その合計得点を100点満点とする。
3)次の式により「最終得点」を決定する。
「最終得点」=(「自習課題」合計得点+「最終課題」得点×3+「即日課題」合計得点)÷10
すなわち、「自習課題」、「最終課題」、「即日課題」の評価の配分は、6:3:1である。
4)「最終課題」の得点、または「最終得点」が60点以上の者に、達成目標に達したと認め単位を授ける。
5)「最終得点」を以下のように換算してグレードとする。
90点以上→A+、80〜89点→A、70〜79点→B、60〜69点→C、60点未満→F
ただし、「最終課題」の得点が60点未満の場合はグレードを1段階下げる。また、「最終得点」が60点未満でも、「最終課題」の得点が60点以上であれば、グレードをDとする。

<教科書>
日本建築学会編:『コンパクト建築設計資料集成』第3版、丸善、2005年

書名:北欧の巨匠に学ぶ図法 ーアールトに学ぶデザイン基礎ー
著者名:鈴木敏彦+大塚篤+関谷源次+香川浩+小俣 光一+武藤かおり
出版社名:彰国社

<参考書>
工学院大学建築学部編:『2019年度建築設計課題及び案内』、工学院大学建築学部、2019年(初回授業に配布する)

書名:北欧の巨匠に学ぶデザイン
―アスプルンド/アールト/ヤコブセン―
著者名:鈴木敏彦+杉原有紀
出版社名:彰国社
*後期「建築計画1」において教科書指定しているので、先行的に購入することを推奨する。

<オフィスアワー>
時間:前期水曜日の18:00〜18:30
場所:新宿キャンパス高層棟26階鈴木研究室
その他、簡単な質問は授業前後に教室でも受け付ける。

<学生へのメッセージ>
1) この授業は授業時間内だけで完結するものではなく、「自習課題」、「最終課題」を伴っているので、各自、授業時間外の「自習課題」、「最終課題」のための時間をしっかり確保すること。
2) 「自習課題」、「最終課題」提出日直前の病気・怪我などの不測の事態も考慮して、締切直前まで先送りせず、帰宅後すぐに課題に取りかかるようにすること。 また、「即日課題」は必ず授業時間内に仕上げて提出すること。
3) 「自習課題」、「最終課題」をその都度仕上げる作業には時間と根気を要するので、各自タイムマネージメントをしっかり行うこと。
4) 要求されているのはただの努力ではなく、結果(課題が期日通りに望ましい質をもって提出されること)を伴う努力であることを肝に銘じること。

<備 考>
1)原則として、GPA のためのリピート(再履修)は受け入れるが、製図台などの確保の点で希望に添えないこともある。
2)授業の情報はキューポートに随時掲載するので、頻繁にキューポートを確認すること。キューポートの通知をメイル転送する場合は、携帯キャリア・メイルは絶対に避けること。

<参考ホームページアドレス>
www.atelier-opa.com


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