2019年度工学院大学 建築学部

線形代数学II(Linear Algebra II)[4212]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
大井 周 非常勤講師  
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
まず「線形代数学I」で学んだベクトルの、和とスカラー倍が出来るという性質に着目した抽象的な線形空間の概念を導入し、線形独立性、基底、次元といった基本的な概念を学ぶ。また1次式や平面から平面への写像などの一般化、抽象化に当たる線形写像について学ぶ。これらの概念を理解することにより、数ベクトルや図形以外にも様々な対象をベクトルとみなして線形代数を用いて取り扱うことが出来るようになる。
線形写像は行列を用いて表現でき、行列に関する諸概念を利用することによって線形写像の性質を調べることが出来る。本講義では特に重要な概念である行列の固有値と固有ベクトルの意味や計算方法、および行列の対角化について学習する。これは線形写像を表す行列がなるべく簡単で分かりやすい形になるように変形することに対応しており、この知識を身につけることによって線形代数を応用して様々な計算を行うことが出来るようになる。

<受講にあたっての前提条件>
「線形代数学I」の内容をちゃんと理解していること。

<具体的な到達目標>
1. 線形空間の概念を理解し、基底や次元を求めることができる。
2. 線形写像の概念を理解し、その表現行列、核と像の基底・次元を求めることができる。
3. 正方行列の固有値、固有ベクトルを求め、対角化可能かどうか判定して可能なときは対角化することができる。
4. 対称行列を直交行列によって対角化することができる。

<授業計画及び準備学習>
1. 線形空間とその部分空間
  線形空間について解説する。
  準備学習:「線形代数I」で学習したベクトルや行列の演算と基本性質を復習しておくこと。教科書6.1節〜6.2節を熟読し、問題を解いておくこと。
2. 線形独立と線形従属
  ベクトルの線形独立と線形従属について解説する。
  準備学習:前回学習した線形空間とその部分空間について復習し、関連する問題を解いておくこと。教科書6.3節を熟読し、問題を解いておくこと。
3. 基底と次元
  線形空間の基底と次元について解説する。
  準備学習:前回学習したベクトルの線形独立と線形従属について復習し、関連する問題を解いておくこと。教科書6.4節を熟読し、問題を解いておくこと。
4. 線形写像
  線形写像について解説する。
  準備学習:前回学習した線形空間の基底と次元について復習し、関連する問題を解いておくこと。教科書7.1節〜7.2節を熟読し、問題を解いておくこと。
5. 線形写像の核
  線形写像の核について解説する。
  準備学習:前回学習した線形写像について復習し、関連する問題を解いておくこと。教科書7.3節(p.170 練習7.2まで)を熟読し、問題を解いておくこと。
6. 線形写像の像
  線形写像の像について解説する。
  準備学習:前回学習した線形写像の核について復習し、関連する問題を解いておくこと。教科書7.3節を熟読し、問題を解いておくこと。
7. 線形写像の表現行列と基底の変換
  線形写像の表現行列と基底の変換について解説する。
  準備学習:線形空間の理論と基本性質を復習しておくこと。教科書7.4節を熟読し、問題を解いておくこと。
8. 2次正方行列の固有値・固有ベクトル
  2次正方行列の固有値・固有ベクトルについて解説する。
  準備学習:前回学習した線形写像の表現行列と基底について復習し、関連する問題を解いておくこと。教科書8.1節を熟読し、問題(練習8.1)を解いておくこと。
9. 3次以上の正方行列の固有値・固有ベクトル
  3次以上の正方行列の固有値・固有ベクトルについて解説する。
  準備学習:前回学習した固有値・固有ベクトルについて復習し、関連する問題を解いておくこと。教科書8.1節の問題を解いておくこと。
10. 行列の対角化
  行列の対角化について解説する。
  準備学習:前回学習した固有値・固有ベクトルで3次以上の正方行列の場合について復習し、関連する問題を解いておくこと。教科書8.2節を熟読し、問題を解いておくこと。
11. 内積と正規直交基底
  線形空間の内積と正規直交基底について解説する。
  準備学習:前回学習した行列の対角化について復習し、関連する問題を解いておくこと。教科書8.3節を熟読し、問題を解いておくこと。
12. 直交行列と対称行列
  直交行列と対称行列について解説する。
  準備学習:前回学習した正規直交基底について復習し、関連する問題を解いておくこと。教科書p.42-43と8.4節を熟読すること。
13. 対称行列の直交行列による対角化
  直交行列による対称行列の対角化について解説する。
  準備学習:前回学習した直交行列と対称行列について復習し、関連する問題を解いておくこと。教科書8.4節の問題を解いておくこと。
14. 学習内容の振り返り
  準備学習:期末試験で解けなかった問題の解き方を考えておくこと。

<成績評価方法>
試験期間に実施する期末試験100%。到達目標に照らして、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し、D以上の者に単位を認める。ただし、2014年度以前に入学した学生については、100点満点で60点以上の学生に単位を認める。

<教科書>
高木悟 他「理工系のための線形代数[改訂版]」培風館

<参考書>
高木悟 他「理工系のための基礎数学」培風館

<オフィスアワー>
授業の前後(教室または講師室)

<備 考>
「理工系のための線形代数」「理工系のための基礎数学」の訂正は
http://home.att.ne.jp/air/satorut/book/index.html


ナンバリングはこちら
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2019 Kogakuin University. All Rights Reserved.