2019年度工学院大学 建築学部

線形代数学I(Linear Algebra I)[4209]

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2単位
長谷川 研二 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
線形代数学はベクトルと行列を対象としている。ベクトルについては図示が可能な2、3次元まで高校でも習ったが、それを高次元に拡張する。行列は基本的演算を習得してから連立1次方程式や逆行列の計算法を身につけていく。行列式は線形代数の中で意味が最も理解しにくいが2次正方行列で逆行列との関連を紹介してから、高次正方行列に拡張していく。授業のねらいは
  1. ベクトルや行列の演算ができる。
  2. 行列の応用として連立1次方程式が解ける。
  3. 行列の階数と逆行列の計算ができる。
  4. 逆行列と行列式の関係を理解し、行列式と余因子の計算と応用ができる。

<受講にあたっての前提条件>
高校の数学Bのベクトルを復習すること。

<具体的な到達目標>
  1. ベクトルや行列の演算規則を理解して、正しく計算できる。
  2. 連立1次方程式を行列で表現して、行の基本変形によって解を求める。
  3. 基本変形を使って行列の階数や逆行列を計算する。
  4. 置換で行列式を定義して、行列式の計算に必要な成分の変形方法を身につける。
  5. 余因子の応用として逆行列の成分や連立1次方程式の解を計算する。

<授業計画及び準備学習>
  1. ベクトルの演算
    ベクトルの定義,ベクトルの和・差・スカラー倍について解説する。
    準備学習:高校で使用していた「数学B」教科書のベクトルの部分を熟読し、その練習問題を必ず解いておくこと。
  2. ベクトルの内積と外積
    ベクトルの内積・外積について解説する。
    準備学習:前回学習したベクトルとその演算について復習し、関連する問題を解いておくこと。
  3. 行列とその演算
    行列の定義,行列の和・差・スカラー倍・積について解説する。
    準備学習:前回学習したベクトルの内積と外積について復習し、関連する問題を解いておくこと。
  4. 転置行列と逆行列
    転置行列と逆行列について、それらの定義と性質を解説する。
    準備学習:前回学習した行列とその演算について復習し、関連する問題を解いておくこと。
  5. 行列の基本変形と階数
    行列の基本変形について解説し、それによって定義される階数について説明する。
    準備学習:前回学習した転置行列と逆行列について復習し、関連する問題を解いておくこと。
  6. 逆行列の計算
    基本変形を用いて逆行列を求める方法を解説する。
    準備学習:前回学習した基本変形と階数について復習し、関連する問題を解いておくこと。
  7. 連立1次方程式
    連立1次方程式と行列との関係について解説する。
    準備学習:行列の演算について復習し、関連する問題を解いておくこと。
  8. 掃き出し法
    行の基本変形を用いて連立1次方程式を解く掃き出し法について解説する。
    準備学習:行の基本変形について復習し、さらに前回学習した連立1次方程式と行列との関係についても復習し、関連する問題を解いておくこと。
  9. 置換と行列式
    置換と行列式の置換による定義を解説する。
    準備学習:前回学習した掃き出し法について復習し、関連する問題を解いておくこと。
  10. 行列式の性質
    行列式の性質について解説する。
    準備学習:前回学習した置換と行列式の定義について復習し、関連する問題を解いておくこと。
  11. 行列式の余因子展開
    行列式を余因子展開して計算する方法を解説する。
    準備学習:前回学習した行列式の性質について復習し、関連する問題を解いておくこと。
  12. 余因子と逆行列
    行列式と余因子から逆行列を計算する方法を解説する.
    準備学習:前回学習した行列式の余因子展開による計算方法を復習し、関連する問題を解いておくこと。
  13. クラーメルの公式
    クラーメルの公式により連立1次方程式を解く方法を解説する。
    準備学習:前回学習した余因子による逆行列の計算方法を復習し、関連する問題を解いておくこと。
  14. 学習内容の振り返り
    準備学習:期末試験で解けなかった問題の解き方を考えておくこと。

<成績評価方法>
試験期間に実施する期末試験100%。到達目標に照らして、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し、D以上の者に単位を認める。ただし、2014年以前入学者は試験期間に実施する100点満点の期末試験で60点以上の者に単位を認める。

<教科書>
高木悟 他「理工系のための線形代数[改訂版]」培風館

<参考書>
高木悟 他「理工系のための基礎数学」培風館
金子晃「線形代数講義」サイエンス社
齋藤正彦「線型代数入門」東京大学出版会

<オフィスアワー>
木曜日13:00〜14:00
月曜日11:00〜12:00(第2クウォータのみ)
(1E-313数学研究室)
メール(ft10058@ns.kogakuin.ac.jp)で予約すれば水曜日5時限後も可能。

<備 考>
「理工系のための線形代数」「理工系のための基礎数学」の訂正は
http://home.att.ne.jp/air/satorut/book/index.html


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