2019年度工学院大学 建築学部建築デザイン学科

建築再生論(Renovation and Reuse of Architecture)[3B15]

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2単位
中島 智章 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
大内田 史郎 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<授業のねらい>
 近年、社会の持続性をめぐる関心から、スクラップ・アンド・ビルドではなく、既存の建築をストックとして活用する「建築再生」という建築の営みが注目されている。本科目では「建築再生」、あるいは歴史的建造物の保存・活用をめぐる歴史、思想、制度を学び、さらに現在における建築の保存・再生の事例について理解を深める。

<受講にあたっての前提条件>
 既習科目、または並行履修科目についての前提条件は特にないが、西洋建築史、近代建築史、日本建築史の単位を修得していることが望ましい。

<具体的な到達目標>
1) 近世以前の建築再生の様々なあり方を理解し、その知識を適用して近世以前の建築再生事例を分析・評価できるようになる。
2) 近代以降に展開されてきた建築保存・活用をめぐる思想・制度を理解し、その知識を適用して近代以降の建築再生事例を分析・評価できるようになる。
3) 現在における建築の保存・再生の諸事例を理解し、その知識を適用して現代における建築再生事例を分析・評価できるようになる。

<授業計画及び準備学習>
1. 古代ギリシア・ローマ建築の破壊と再生(中島(智))
 古代ギリシア・ローマ建築がどのように現在まで残ってきたかを事例を通じて理解する。
 準備学習:西洋建築史で学んだ古代ギリシア・ローマ建築についての知識の復習
2. 歴史的記念建造物委員会とヴィオレ=ル=デュク(中島(智))
 世界に先駆けて歴史的建造物の保存制度を始めたフランスの制度について理解する。
 準備学習:第2回授業レジュメを熟読する。
3. フランスにおける歴史的建造物の活用事例1(中島(智))
 ボルドー・ワインのシャトー群の建築1
 準備学習:第3回授業レジュメを熟読する。
4. フランスにおける歴史的建造物の活用事例2(中島(智))
 ボルドー・ワインのシャトー群の建築2
 準備学習:第4回授業レジュメを熟読する。
5. 現在における建築再生の事例1(大内田)
 現在における建築再生の事例についての理解を深める。
 準備学習:第5回授業レジュメを熟読する。
6. 現在における建築再生の事例2(大内田)
 現在における建築再生の事例についての理解を深める。
 準備学習:第6回授業レジュメを熟読する。
7. アテネ憲章とヴェネツィア憲章(中島(智))
 歴史的建造物の保存・修復における国際規範であるアテネ憲章(1931)とヴェネツィア憲章(1964)の内容等について理解する。
 準備学習:第7回授業レジュメを熟読する。
8. ユネスコの活動と世界遺産条約(中島(智))
 世界遺産(文化遺産)をめぐる制度について理解する。
 準備学習:第8回授業レジュメを熟読する。
9. フランスにおける歴史的建造物の活用事例3(中島(智))
 ブルゴーニュ・ワインのドメーヌ群の建築
 準備学習:第9回授業レジュメを熟読する。
10. フランスにおける歴史的建造物の活用事例4(中島(智))
 シャンパーニュ醸造所の建築類型
 準備学習:第10回授業レジュメを熟読する。
11. 日本における歴史的建造物の保存・修復の歴史(中島(智))
 古社寺保存法(1897)、国宝保存法(1929)、文化財保護法(1950)を中心に、わが国の歴史的建造物保存制度について理解する。
 準備学習:第11回授業レジュメを熟読する。
12. 保存再生のデザイン的側面-1(大内田)
 保存再生のデザイン的側面について事例を通じて理解を深める。
 準備学習:第12回授業レジュメを熟読する。
13. 保存再生のデザイン的側面-2(大内田)
 保存再生のデザイン的側面について事例を通じて理解を深める。
 準備学習:第13回授業レジュメを熟読する。
14. 学習内容の振り返り(中島(智))
 準備学習:前回までの総復習を行う。

<成績評価方法>
 レポート課題と定期試験により成績評価する。それぞれ100点満点で採点し、その平均点が60点以上の者に、達成目標に達したと認め単位を授ける。平均点とグレードの関係は次の通りである。

 90点以上:A+、80〜89点:A、70〜79点:B、60〜69点:C、60点未満:F
 ただし、平均点が60点以上でも2題中1題の得点が60点未満の場合は、上記のグレードから1段階引き下げる。

 2014年度以前の入学生については、上記レポート課題の平均点をもって最終得点とし、最終得点が60点以上の者に、達成目標に達したと認め単位を授ける。

<教科書>
 指定教科書なし。
 キューポートの「共有フォルダ→170建築系学科フォルダ→授業資料フォルダー→建築再生論」にアップロードされた資料を、あらかじめダウンロードすること。

<参考書>
伊藤延男他:『新建築学大系50 歴史的建造物の保存』、彰国社
その他、各回レジュメに参考文献・論文を明記している。

<オフィスアワー>
大内田
時間:前期水曜日 16:00〜17:00
場所:新宿キャンパス高層棟26階2672号室(大内田研究室)
その他、簡単な質問は授業前後に教室でも受け付ける。
中島(智)
時間:前期月曜日 17:30〜18:00
場所:新宿キャンパス高層棟26階2676号室(中島(智)研究室)
その他、簡単な質問は授業前後に教室でも受け付ける。

<学生へのメッセージ>
 様々な建築再生の試みが為されてはいるが、今もなお、多くの歴史的建造物が次々に姿を消している。学生諸君にはなるべく多くの歴史的建造物を、みられる内にみておいてもらいたい。いつでもみられると思っているといつの間にか消えてしまっていることも多いものである。

<備 考>
 授業の情報はキューポートに随時掲載するので、頻繁にキューポートを確認すること。キューポートの通知をメイル転送する場合は、携帯キャリア・メイルは絶対に避けること。また、下記サイトにも掲示することがある。

<参考ホームページアドレス>
https://tomoaki2000.wixsite.com/index/


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