2019年度工学院大学 建築学部建築学科

現代の化学(Modern Chemistry)[4H16]

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2単位
高見 知秀 教授  
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
この世界は,我々の身体に至るまで,密度の差こそあれ隙間なく“物質”で埋め尽くされている。
これらの物質を取扱う学問が“化学”である。つまり,この世界に存在する物質はすべて化学の対象である。
この授業では,旧来の素材から新機能材料にいたるまで様々な材料について,環境化学や生化学を含めた化学の観点から理解することを目標とする。

<受講にあたっての前提条件>
科目では,「化学概論」,「化学研究法」を履修していることが望ましいが,本科目が初めてでも支障はない。

<具体的な到達目標>
1. 建築で主に用いる旧来の材料について,化学の視点から理解する。
2. 建築に関連する諸問題ついて,化学で用いられる法則や定理で理解できる。
3. 新素材や新機能材料について,現代化学の視点から原理を理解して,その用途や適用限界についても理解する。

<授業計画及び準備学習>
第1週: 授業計画の説明およびアンケート
[学習内容] 授業計画の説明、評価方法を説明したのち,アンケートに回答する。
[学習準備] 特になし
第2週:鉄
[学習内容] 鉄や鉄を含む合金(ステンレス等)について化学的視点から理解する。
[学習準備] 配布資料を参考に予習し,演習問題を解いて知識を定着させる。
第3週:非鉄金属とそれらの合金および酸化物
[学習内容] アルミニウム・銅や,それらを含む合金(ジュラルミンや真鍮等)や酸化物,そしてチタンや亜鉛による材料表面改質や酸化物について,特に新機能材料を中心として,化学的視点から理解する。
[学習準備] 配布資料を参考に予習し,演習問題を解いて知識を定着させる。
第4週:セラミックス
[学習内容] 石・土・コンクリート・煉瓦・瓦・タイル・ガラスの化学的組成や性質について理解する。
第5週: 天然有機材料
[学習内容] 木材・藁・茅・紙などの植物由来の材料の化学的組成や性質について理解する。
[学習準備] 配布資料を参考に予習し,演習問題を解いて知識を定着させる。
第6週: 高分子材料
[学習内容] プラスチック材料・ゴム・接着剤について,化学的組成や性質について理解する。
第7週: 建築物と地球環境
[学習内容] 建築材料となる無機化合物・有機化合物の特性と環境化学について理解する。
第8週:3Dプリンター
[学習内容] 3Dプリンターの技術でどこまで材料の構築が可能か理解する。
[学習準備] 配布資料を参考に予習し,演習問題を解いて知識を定着させる。
第9週:エネルギーとエントロピー
[学習内容] 熱化学の基礎を用いて,現代の諸問題をどこまで解釈できるかを理解する。
[学習準備] 配布資料を参考に予習し,演習問題を解いて知識を定着させる。
第10週:オゾンホールと大気化学
[学習内容] オゾンホールを含めた大気化学の諸問題について理解する。
[学習準備] 配布資料を参考に予習し,演習問題を解いて知識を定着させる。
第11週:水と化学
[学習内容] 水に関係する環境問題について,化学の視点から理解する。
[学習準備] 配布資料を参考に予習し,演習問題を解いて知識を定着させる。
第12週:電池と化学
[学習内容] 電池に関する最先端技術について,化学の視点から理解する。
[学習準備] 配布資料を参考に予習し,演習問題を解いて知識を定着させる。
第13週:生命と化学
[学習内容] 生命に関する現代の環境について,化学の視点から理解する。
[学習準備] 配布資料を参考に予習し,演習問題を解いて知識を定着させる。
第14週:学習の振り返り
[学習内容] これまでの授業をまとめ、科学技術と人類の将来について議論する。
[学習準備] 配布資料を参考に未来に残したい技術,託したい技術を考えてくる。

<成績評価方法>
定期試験(80%)と授業中に課す課題(20%)で成績を評価し,Grade D以上の者に単位を認める。

<教科書>
特に指定しない。講義で用いるスライドや資料はKUPORTまたは学内ホームページ(intra.ns.kogakuin.ac.jp/~ft13537/)から授業までにダウンロードして準備しておくこと。

<参考書>
“実感する化学”(NTS)
“大学生の化学 Introduction”(培風館)
“現代人のための統合化学”(筑波大学出版)
“視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録”(数研出版)
“ベーシック建築材料”(彰国社)
“建築材料用教材”(日本建築学会)

<オフィスアワー>
毎週木曜日授業前とするが,在室(新宿 A-2718室)時は,いつでも質疑を受け付ける。
ただし、不在の場合があるため、訪問の際はft13537@ns.kogakuin.ac.jpへの予約を推奨する。

<学生へのメッセージ>
化学の応用的側面は一見複雑に見えますが、本質は基本的な化学の積み重ねで説明できます。
高校までの化学知識でも,応用力を身につければ,現代の複雑な科学的諸問題を理解することができることを,この講義から学んでほしいと考えております。

<備 考>
授業の進度によっては,上記内容を変更することがある。

<参考ホームページアドレス>
https://intra.ns.kogakuin.ac.jp/~ft13537/


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