2019年度工学院大学 建築学部建築学科

イギリス留学まちづくり調査法(Research Methods for Urban Design and Planning for the Special Program of Study in England)[0400]

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3単位
野澤  康 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
都市計画、まちづくりの課題は、かつての都市成長の時代とは大きく異なっている。今日的な都市の課題を正しく理解し、よりよいまちづくりを進めるためには何を調べ計画していかなければならないかについて、日本の都市課題を理解したうえで、イギリスの都市と対比しながら、現地の状況を調査検討することを通して実践的に学ぶ。

<受講にあたっての前提条件>
当然のことであるが、ハイブリッド留学に参加していることが条件となる。

<具体的な到達目標>
具体的な達成目標は、以下の3点である。
1)今日的な我が国の都市問題を理解していること。
2)当該都市問題との対比の下において、現地の状況を調査・分析することを通して、まちづくり調査の方法を理解し、習得していること。
3) グループ・ワークやディスカッション、プレゼンテーションを通して、人に自分の考えを伝えること、他メンバーと協調しながら意見を戦わせて作業を進めること、を体得していること。

<授業計画及び準備学習>
■第1週
◇第1日
01.[講義01]イントロダクション(授業の進め方、到達目標などの説明)、これまでの都市計画関連の学習を振り返る
※準備学習:3年前期までに履修した都市に関わる科目の内容を振り返っておく。必要に応じて、教科書を復習しておく。
02.[講義02]イギリスにおける近代都市計画の発祥と他国への展開
※準備学習:教科書等で、イギリスや他各国の近代都市計画に調べる。
03.[講義03]イギリスと日本の都市計画制度(特に、マスタープラン、開発許可制度)
※準備学習:日本の都市計画制度(特に、マスタープラン、開発許可制度)を復習しておく。また、それらと日本の戦後史とを関連づけて考察してみる。

◇第2日
04.[講義04]都市の拡大抑制の方法(城壁都市、大ロンドン計画)
※準備学習:大ロンドン計画がどのようなものであったかを復習するとともに、地図や航空写真を用いてロンドンの特に縁辺部がどのようになっているか見てみる。
05.[講義05]コンパクト・シティ(富山、東北発、ヘルスケア・シティ)
※準備学習:コンパクト・シティの概念について、Webなどで調べてみる。
06.[講義06]コンパクト・シティに関するグループ・ディスカッションと発表
※準備学習:コンパクト・シティの事例を調べ、自分なりのイメージをつくっておく。

◇第3日
07.[講義07]都市機能調査の実施方法とその意義(課題とまとめ方)
※準備学習:都市機能とは何なのか、どのようなものが含まれるのかを調べる。
08.[講義08]都市機能調査の準備・調査シート等の作成
※準備学習:都市機能を記録するための調査シートを作成してみる。
09.[演習01]都市機能調査 実施
※準備学習:旧市街地をどのように分担すれば、負担が平均化されて、効率よく調査できるかを想定しておく。

◇第4日
10.[演習02]都市機能調査 実施
※準備学習:調査に必要な装備を考え、不足するものは調達しておく。
11.[演習03]都市機能調査 実施
※準備学習:記録方法にどのような工夫をすれば良いかを考えてみる。
12.[演習04]都市機能調査 グループ・ディスカッション+全体への報告・情報共有
※準備学習:情報共有して、どのように取りまとめるかを想定してみる。

◇第5日
13.[演習05]都市機能調査 グループでとりまとめ+追加調査
※準備学習:調査を報告するにあたって、どのような視点でまとめていくかを考えておく。
○.(予備コマ)
14.[講義09]都市機能調査 最終発表とまとめ
※準備学習:発表の方法をどのように工夫すれば、自分たちの考えが伝わるかを考えておく。

■第2週
◇第1日
15.[講義10]田園都市の理念と空間像、ロンドン郊外のニュータウン開発
※準備学習:田園都市、ニュータウンについて、教科書などで復習しておく。
16.[演習06]フィールド・ワークの準備・スケジュール作成
※準備学習:現地に行ってから、どのようなルートをたどって、何を見るかを想定する(現地踏査プランを立案してみる)。
17.[講義11]都市空間と人々のアクティビティとその調査(ヤン・ゲールの書籍を用いて)
※準備学習:都市空間で人々は何をしているか、週末に出かけた際に見ておく。できれば記録してみる。

◇第2日
18.〜20.[演習07〜09]フィールド・トリップ(田園都市またはニュータウンの空間体験と調査)
※準備学習:訪問先の地図や様々な情報を、Web等から入手しておく。

◇第3日
21.[講義12]アクティビティ調査の実施方法とその意義
※準備学習:都市における人々のアクティビティにはどのようなものがあるのか、改めて自分なりの視点を持って観察してみる。
22.[演習10]アクティビティ調査 実施
※準備学習:調査に必要な装備を考え、不足するものは調達しておく。
23.[演習11]アクティビティ調査 実施ととりまとめ(結果の共有)
※準備学習:グループで結果を共有した後、どのように取りまとめるかを想定してみる。

◇第4日
24.[演習12]アクティビティ調査 とりまとめ
※準備学習:調査を報告するにあたって、どのような視点でまとめていくかを考えておく。
25.[講義13]アクティビティ調査 最終発表とまとめ
※準備学習:発表の方法をどのように工夫すれば、自分たちの考えが伝わるかを考えておく。
26.[演習13]アクティビティ調査を受けて、パブリック・スペース提案ワークショップ
※準備学習:パブリック・スペースの使い方について、自分が見た事例やWebなどにある写真を集めておく。

◇第5日
○.(予備コマ)
27.[演習14]パブリック・スペース提案ワークショップ まとめのプレゼンテーション
※準備学習:提案をどのようにまとめ、どのような媒体を用いてプレゼンするかを想定してみる。
28.[講義14]全体の振り返り
※準備学習:2週間にやってきたことを整理しておく。

<成績評価方法>
授業中に実施するグループ毎の調査やプレゼンテーション、ディスカッションへの参加状況(発言頻度やその内容)50%、グループワークの成果物の評価20%、個人レポート30% を目安として総合的に評価する。A+〜Fの6段階評価でD以上の者を合格とする。

<教科書>
特に指定しない。

<参考書>
「都市計画 第2版」川上光彦著(森北出版)
「初めて学ぶ都市計画 第二版」饗庭伸・鈴木伸治編著(市ヶ谷出版社)
「屋外空間の生活とデザイン」ヤン・ゲール著、北原理雄訳(鹿島出版会)
「人間の街 公共空間のデザイン」ヤン・ゲール著、北原理雄訳(鹿島出版会)
「パブリックライフ学入門」ヤン・ゲール他著、鈴木俊治他訳(鹿島出版会) ほか

<オフィスアワー>
ハイブリッド留学のこの授業を実施する2週間は、月〜金の9:00〜16:00の授業の間の時間帯などに授業を実施する教室で対応する。夕方17:00までは延長して対応可能。
この授業実施期間の前後は、メールにて対応する。
nozawa@cc.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
グループでの作業や教室外での調査活動が多いので、積極的に参加して、カンタベリーという都市をより深く知り、考察してほしい。
また、2年次必修科目「都市計画」など、3年次前期までに学んだ知識を用いる部分があるので、教科書・ノートを用いて復習しておくこと。


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