2019年度工学院大学 工学部電気電子工学科

物理学D(Physics D)[3316]

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1単位
武藤 恭之 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
物理学C〜Fでは、「物理学A」および「物理学B」で学んだ、力学の諸概念と物理学の考え方をもとに、物理学の諸分野の基礎理論を概観する。
物理学Dでは、熱力学の基礎理論について学ぶ。
また、これらの学習を通じて、現実に起こる自然現象をどのようにモデル化し、数学的な方法を用いて記述していくかということを系統的に学び、
後の工学系の専門科目を学習する際の基礎を築く。

<受講にあたっての前提条件>
「物理学A」および「物理学B」の内容を理解していること。
高校数学全範囲および「微分積分A,B」・「線形代数学A,B」の内容を理解し、使えるようになっていること。

<具体的な到達目標>
熱力学の基礎的な概念を理解する。
理想気体を事例として,物質の状態変化の熱力学的記述を理解する
熱力学の第1,第2法則を理解し,単純な系に対してそれらを適用して分析できる
状態量の概念の重要性を理解し,内部エネルギー,エントロピーの概念を把握する

<授業計画及び準備学習>
1.熱力学の基礎概念と物理量
  SIの復習。物質量,絶対温度の意味,熱,熱容量,比熱。理想気体の状態量(p, V, T)と状態方程式の紹介。状態図(pV図など)の読み方。
  [準備学習] 「物理学A」および「物理学B」の内容を復習しておくこと。

2.理想気体の状態方程式,気体分子運動論
  気体の状態方程式の意味。理想気体の分子論的定義と状態方程式の導出。気体のエネルギーと等分配の法則。
  [準備学習] 状態方程式の意味や使い方について理解しておくこと。

3.熱力学の第1法則
  気体のする仕事とpV図の関係。状態量の概念と意義および各種の比熱。内部エネルギー。第1法則。
  [準備学習] pV図の読み方と状態方程式との関係を理解しておくこと。仕事とエネルギーについて復習しておくこと。

4.気体の状態変化
  定積変化と定圧変化。マイヤーの関係式。等温変化と断熱変化。比熱比。気体分子の自由度。
  [準備学習] 準静的変化を表すpV図から気体のする仕事が求められるようにしておくこと。

5.熱機関,熱力学の第2法則
  熱機関と熱効率。熱サイクル(カルノーなど)の効率。第2法則の各種の表現(効率,トムソン,クラウジウス)と意味。
  [準備学習] 様々な準静的変化に対して,気体がする仕事,吸収する熱などを求められるようにしておくこと。

6.第2法則とエントロピー
  カルノーの定理,クラウジウスの不等式からエントロピーの概念へ。第2法則とエントロピーの増大。エントロピーのミクロな表現。
  [準備学習] 熱力学第1法則および第2法則の内容を理解しておく。

7.学習の振り返り
  [準備学習] これまでに学んだ内容を総復習しておくこと。

<成績評価方法>
期末試験の成績をもとに理解度を評価する。Grade D以上を合格とする。

<教科書>
加藤潔『理工系 物理学講義』(培風館)

授業はこの教科書をもとにした講義ノートに基づいて行う。

<参考書>
他にも、大学レベルの力学の教科書は多く出版されているので、各自に合ったものを少なくとも1冊は購入しておくことを勧める。
以下に例を示す。

戸田盛和『熱・統計力学』岩波書店
砂川重信『熱・統計力学の考え方』岩波書店
戸田盛和『 熱現象30講』朝倉書店
田崎晴明『熱力学-現代的視点から』培風館

<オフィスアワー>
オフィスアワーは以下の通り。ただし、時間外であっても、在室であれば適宜対応します。
また、新宿校舎で開講される授業については、授業の前後の時間帯に教室で質問等の対応を受け付けます。

場所: 八王子校舎 総合教育棟 1S-322室
曜日・時限: 火曜日3限(前・後期とも)

メールでの質問等も、以下の連絡先より受け付けます:
 ft13389@ns.kogakuin.ac.jp


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