2019年度工学院大学 第1部機械システム工学科

応用解析学(Applied Analysis)[4L11]

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2単位
山崎 浩之 講師  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
常微分方程式の復習から始め、1階偏微分方程式と
2階線形偏微分方程式の解法について学ぶ。
熱伝導や膜の振動などの物理現象を理解することに
結び付く仕方で、座標変換や直交関数展開などの計算
技法を習得する。

<受講にあたっての前提条件>
微分・積分・偏微分・重積分の基礎知識を前提とする。
常微分方程式の知識があることが望ましい。
複素関数論の知識があることが望ましい。

<具体的な到達目標>
ラグランジュの偏微分方程式を解けるようになる。
シャルピーの解法の仕組みが理解できるようになる。
変数分離法と解の重ね合わせの仕組みを理解し、2階線形微分方程式を
解けるようになる。
極座標・球座標の計算ができ、ベッセル関数やルジャンドル多項式を用いた
解法を理解できるようになる。

(JABEE学習・教育到達目標)
「機械システム基礎工学プログラム:D〇」

<授業計画及び準備学習>
1.ガイダンス&偏微分方程式入門
常微分方程式について復習し、偏微分方程式の意味について考えます。
教科書p.1〜p.18
準備学習:常微分方程式について復習しておく。
     教科書p.1〜p.11 を通読する。

2.1階偏微分方程式1
ラグランジュの偏微分方程式について学びます。
教科書p.19〜p.26
準備学習:前回の復習。宿題があれば、きちんと解いて提出する。
     教科書p.19〜p.23 を熟読する。

3.1階偏微分方程式2
全微分について復習し、全微分方程式について学びます。
教科書p.26〜p.29
準備学習:前回の復習。宿題があれば、きちんと解いて提出する。
     教科書p.26〜p.29 を熟読する。

4.1階偏微分方程式3
シャルピーの解法について学び、完全解と一般解の関係を整理します。
教科書p.29〜p.35
準備学習:前回の復習。宿題があれば、きちんと解いて提出する。
     教科書p.29〜p.32 を熟読する。

5.双曲型、放物型、楕円型
2階線形偏微分方程式を分類し、物理的な観点から、解の性質を概観します。
教科書p.37〜p.58
準備学習:前回の復習。宿題があれば、きちんと解いて提出する。
     教科書p.37〜p.58 を通読する。

6.変数分離法1
線形偏微分方程式の変数を分離し、常微分方程式の組に分解することを学びます。
教科書p.59〜p.69
準備学習:前回の復習。宿題があれば、きちんと解いて提出する。
     教科書p.59〜p.69 を熟読する。

7.変数分離法2
線形微分方程式の特徴である、解の重ね合わせについて理解します。
直交関数系の扱い方を学びます。
教科書p.69〜p.76
準備学習:前回の復習。宿題があれば、きちんと解いて提出する。
     教科書p.69〜p.76 を熟読する。

8.まるい境界での波動1
微分方程式を極座標で表示し、変数分離を考えます。
教科書p.77〜p.84
準備学習:前回の復習。宿題があれば、きちんと解いて提出する。
     教科書p.77〜p.84 を熟読する。

9.まるい境界での波動2
ベッセル関数について学び、太鼓の膜の振動を理解します。
教科書p.84〜p.92
準備学習:前回の復習。宿題があれば、きちんと解いて提出する。
     教科書p.84〜p.92 を熟読する。

10.ラプラス方程式1
2次元の熱伝導問題を表す微分方程式を考えます。
正方形または円形の平板における温度分布を理解します。
教科書p.93〜p.106
準備学習:前回の復習。宿題があれば、きちんと解いて提出する。
     教科書p.93〜p.103 を熟読する。

11.ラプラス方程式2
3次元の熱伝導問題を表す微分方程式を考えます。
微分方程式を球座標で表示し、球体内部の温度分布を理解します。
教科書p.105〜p.112、p.171〜p.178
準備学習:前回の復習。宿題があれば、きちんと解いて提出する。
     教科書p.105〜p.111 を熟読する。

12.フーリエ変換
フーリエ変換の基本的な性質を学びます。
フーリエ変換を利用した偏微分方程式の解法を学びます。
教科書p.129〜p.138
準備学習:前回の復習。宿題があれば、きちんと解いて提出する。
     教科書p.129〜p.138 を熟読する。

13.グリーン関数
グリーン関数の基本的な性質を学びます。
グリーン関数を利用した偏微分方程式の解法を学びます。
教科書p.138〜p.148
準備学習:前回の復習。宿題があれば、きちんと解いて提出する。
     教科書p.138〜p.142 を熟読する。

14.学習内容の振り返り
準備学習:前回までに提出した宿題で、再提出したいものがあれば、きちんと解いて提出する。

<成績評価方法>
授業時にレポート(全5回程度)を実施し、平常点とする。
また、定期試験期間内に筆記試験を実施する。それらを
おおむね2:1の重み付けで最終評価を行い、Grade D 以上の
者に単位を認める。

<教科書>
「キーポイント 偏微分方程式」河村哲也(岩波書店)

<参考書>
常微分方程式を復習したい方へ、
「微分方程式」矢野・石原(裳華房)
複素関数論を復習したい方へ、
「複素解析へのアプローチ」山本・坂田(裳華房)
偏微分方程式に関する書籍では、途中の計算がものすごく丁寧に書かれているものとして、
「偏微分方程式 キャンパス・ゼミ」馬場敬之(マセマ)
本格的な参考書(かつ古典的な名著)として、
「自然科学者のための数学概論」寺沢寛一(岩波書店)

<オフィスアワー>
八王子(後期): 水曜日16:00〜18:00  1号館(総合教育棟)1E-303
不在の場合もあるので、事前に連絡することを推奨します。
メールでの質問・連絡は、ct10634[at]ns.kogakuin.ac.jp まで。

なお、新宿の授業では講義終了後に質問を受ける時間をとります。

<学生へのメッセージ>
分からないことはそのままにせず、必ず質問してください。どんどん問題を解いて計算力をつけることが大切です。多くの話題が次々と現れてきますが、各個撃破の要領で、できることを増やしていきましょう。


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