2019年度工学院大学 第1部機械システム工学科
○材料力学I及演習(Strength of Materials I and Exercise)[6A03]
3単位 福田 勝己 非常勤講師
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ◎ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 材料力学は,機械構造物の信頼性の確保や性能向上に必須の学問である.機械の実際の強度設計では,応力やひずみの概念を十分に理解し,棒や軸,はりの応力と変形との算出式,また,材料の性質(特性)などがすぐに頭に浮かぶようにしておくことが必要がある.講義終了後に自ら具体的な問題を解き,考え方だけではなく,実際の数値(オーダーや単位)まで身につけて理解を深めることが重要である.
実際の製品,特に身の回りの簡単に機械構造物を見て,どこがもっとも壊れやすいのか,また,どんな工夫がしてあるのかなどを判断する能力を身につけることも目標の一つである.
- <受講にあたっての前提条件>
- 工業力学及び演習,基礎数学,数学演習などの講義で習得した基礎知識について十分に理解し,復習しておくことが望ましい.
- <具体的な到達目標>
- 実際には,機械部品や機械構造物の強度設計を行う場合には,コンピュータを使用したシミュレーションが主流になっている.しかし,その前に必ず一次近似として手計算で応力の算出を行っている.部品や部材の形状を簡略化して,この手計算で一次近似の応力を算出できるようになり,破壊しないような部品のおおまかな寸法が決定できるよう設計能力を身につけることが本講義の学習目標である.機械工学エネルギー・デザインプログラム;D-2 機械システム基礎工学プログラム;D-1 国際工学プログラム;C-2
- <授業計画及び準備学習>
- 材料力学は,実際の機械構造物の強度設計を行う能力を修得するためには必須の学問である.その名の通り力学であるので,これまでに学習した物理学の力学や工業力学などの基本事項が理解できていないと材料力学を修得することは難しい.材料力学を修得すると,身の回りの機械構造物を見たときに,その信頼性などについて考えることができるようになり,機械構造物の破壊事故の原因などを推定することができるようになる.授業の最後に毎回演習を行うので,演習問題を解きながら基礎事項を理解することが重要である.
<授業計画> 1 材料力学の基本事項T,ガイダンス 材料力学の位置づけ,考え方,適用範囲,材料力学で必要な数学の復習等について学習する. 2 材料力学の基本事項U 問題の捉え方,有効数字,単位等の復習,今後の学習の進め方等について学習する. 3 材料力学の基本事項V 力に関する事項,外力と内力,力の釣合い等について学習する. 4 材料の性質T 棒の引張,圧縮時に作用する垂直応力,せん断応力について,特に,応力とひずみを中心に学習する. 5 材料の性質U 棒の引張,圧縮時における応力とひずみとの関係やポアソン比等について学習する. 6 材料の性質V 棒の引張試験,圧縮試験等,各種材料試験法について学習する. 7 軸力が作用する棒T 棒に関する不静定問題,変断面棒,自重が作用する棒等について学習する. 8 軸力が作用する棒U 熱応力が作用する棒及び組合せ棒等について学習する. 9 軸のねじりT 中実丸棒と中空丸棒に関する基礎式について学習する. 10 軸のねじりU ねじりの応用問題(不静定問題,断面が連続的に変化する棒,円形断面以外の棒)について学習する. 11 曲げが作用するはりT はりの種類,せん断力と曲げモーメント等について学習する. 12 曲げが作用するはりU せん断力図と曲げモーメント図,集中荷重が作用する各種はりについて学習する. 13 曲げが作用するはりV せん断力図と曲げモーメント図,分布荷重が作用する各種はり,モーメントが作用する各種はりについて学習する. 14 定期試験 これまでの講義と演習の内容について,再度確認・復習する.
- <成績評価方法>
- 講義後半に毎回実施する演習の答案を必ず提出すること.成績は,演習のレポートと期末試験の結果とを総合して評価する.演習のレポートを2割,期末試験を8割で評価する.尚,期末試験は定期試験期間に実施する.
上記の採点で合格すれば,機械工学エネルギー・デザインプログラム;D-2 機械システム基礎工学プログラム;D-1 国際工学プログラム;C-2 の水準が満足される.
- <教科書>
- 立野昌義,後藤芳樹編著 基礎から学ぶ材料力学(オーム社)
- <参考書>
- 材料力学に関する参考書は,非常に多く出版されており,それらの多くが図書館に揃えられている.それぞれが分かりやすく解説されているので,自分に合った参考書を選び,日頃の学習や演習で分からなくなったときには,教科書や参考書の該当箇所を読み直したり,参考書の類似の例題を参考にして演習のレポートを必ず提出すること.
- <オフィスアワー>
- 講義と演習との間の時間や演習後の時間.メールによる教員への質問も可.
メールアドレス:meme.ryo.aki@gmail.com
- <学生へのメッセージ>
- 材料力学は,ものを作る際に非常に役に立つ学問でる.特に,就職試験や各種の資格試験にもよく出題される.基本事項は,何度も繰り返し学習することで深く理解することができる.実戦に即した体系的な講義を通して,材料力学を十分に理解していただきたい.授業には必ず出席し,演習のレポートも必ず提出すること.
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