2019年度工学院大学 第1部機械工学科

機械設計学(Machine Design)[6G02]

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2単位
小川  雅 准教授  
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
時代の変遷とともに,ものづくりに対する要求や考え方が変わってきている.特に,今世紀の日本においては,厳しい国際競争にさらされ,十分な安全性を確保しつつ,品質や性能の向上,価格の抑制など,相矛盾する複数の要求の最適化が問われている.本講義では,現代のものづくりで必要とされている考え方について学び,安全設計に携わることのできる技術者としての素養を養う.また,工学における創造性と倫理について学ぶ.

(JABEE学習・教育到達目標)
「機械システム基礎工学プログラム」:(D)-(1)◎, (D)-(2)○

<受講にあたっての前提条件>
今日の機械設計においては,過去の経験を活かしながら,製造〜稼働中〜廃棄といった未来を考慮することが重要であり,事故や不具合を予見する力が求められている.そのため,普段の生活においても,先々のスケジュールを見越して行動し,組織と調和して実践する訓練が有効である.また,本講義では,並行科目として「材料力学T及び演習」が深く関係している.

<具体的な到達目標>
構造物の安全性評価の方法論について学び,現代のものづくりにおいて,どのような設計思想に基づいて安全性を確保すべきか,目的や状況に応じたアプローチを考えられるようにする.
(1)機械設計における設計思想・設計支援技術・製造時や維持・管理までを考慮した設計について理解し,実際の問題に照らし合わせて考えることができる.
(2)材料の性質,強度,剛性について理解し,使い分けの選択ができる.
(3)材料や外力のばらつきを考慮した信頼性設計の考え方がわかる.
(4)構造物の強度計算を行うことができ,適切に寸法を決定することができる.

<授業計画及び準備学習>
1.イントロダクション
  工学における創造性とその発揮について

2.現代の機械設計と要求
  安全設計・稼働・検査を取り巻く環境の歴史的変遷

3.構造物の安全とユーザーの安心の科学
  工学における創造性,弁証法について

4.安全から安心・安全へのパラダイムシフト
  設計者とAIとの違い,共通感覚,非自非他

5.ばらつきと信頼性設計
  強度と外力のばらつき,統計的扱いと信頼性設計,安全率と信頼性,

6.強度設計の手法と変遷
  セーフライフ設計,フェールセーフ設計,損傷許容設計

7.応力とひずみの基礎
  応力とひずみの定義,垂直応力とせん断応力

8.応力−ひずみ線図,塑性変形
  材料の特性と変形挙動,0.2%耐力

9.はりのせん断力と曲げモーメントの基礎
  用語と定義,せん断力図と曲げモーメント図

10.はりのせん断力と曲げモーメントの応用
  例題と問題演習

11.断面二次モーメント,はりの曲げ応力
  断面二次モーメントとはりの曲げ応力との関係

12.はりの設計
  はりの曲げ応力とせん断力,例題と問題演習

13.学習成果の確認
  総合演習

14.学習成果の振り返り(学習成果の確認・総合演習)

【実務経験のある教員による授業科目】
米国ニューヨーク州立大学の研究センターでの勤務経験を元に,機械設計の手法や考え方について解説する.

<成績評価方法>
定期試験期間内に実施する期末試験(80%),レポート(20%)の成績をもとに理解度をA+, A, B, C, D, FのGradeで評価する.Grade D以上を合格とする.また,レポートの提出と定期試験の受験は必須とする.

<教科書>
「指定教科書なし」,プリント資料配布

<参考書>
「材料強度学」日本材料学会編

<オフィスアワー>
土曜日12:30〜13:30(八王子校舎講師室)
メールでも質問を受け付ける(ogawa-masaru(at)cc.kogakuin.ac.jp)

<学生へのメッセージ>
テストでは答えがありますが,実際の機械設計(ものづくり)においては,答えがありません.知識や理論だけではないからこそ,本講義に足を運んでもらう意義があるのです.


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