2019年度工学院大学 第1部機械工学科

金属材料工学(Materials Engineering)[1G01]

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2単位
柳迫 徹郎 助教  
最終更新日 : 2019/11/12

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
機械の主な構成材料である金属材料を用途に応じ,選択するために必要な基本的専門知識を講義する.具体的達成目標は,金属の特性の大部分を支配する結晶構造や相変態と密接な関係を持つ拡散に関する知識を習得する.また金属材料の加工や熱処理など,主に機械的性質にかかわる処理法とその内容を理解し,各種金属材料の特性と用途について材料学の基本事項と関連のうえ習得する.

<受講にあたっての前提条件>
本科目を履修する前に,「材料基礎工学」を履修,習得することが望ましい.

<具体的な到達目標>
1.金属の性質と結晶構造との関わりについて習得する.
2.拡散に関して原理を理解し,相変態との関係性を理解する.
3.2元系状態図を理解し,合金における組織と温度との関係性を習得する.
4.鉄鋼に代表される各種金属の特性,用途およびその熱処理と機械的特性との関係性を理解する.
5.2,3年次で履修する材料工学分野の授業科目に繋がる基礎的専門知識を習得する.

<授業計画及び準備学習>
第1回:金属材料とは(使用用途,素材としての特徴(弾性・塑性など))
 準備学習:「材料基礎工学」の復習
第2回:金属結晶(1)(金属結晶,単位格子,基本構造,ブラベー格子)
 準備学習:前回の復習および金属結晶についての予習
第3回:金属結晶(2)(金属結晶の幾何,ミラー指数による表現)
 準備学習:前回の復習およびミラー指数についての予習
第4回:拡散(1)(金属における拡散,フィックの法則,拡散定数)
 準備学習:前回の復習および拡散についての予習
第5回:拡散(2)(拡散の機構,自由エネルギーと拡散の関係,拡散変態)
 準備学習:前回の復習および拡散変態についての予習
第6回:平衡状態図(平衡状態図と自由エネルギーの関係)
 準備学習:前回の復習および平衡状態図についての予習
第7回:鉄鋼(1)(特徴,用途,製錬方法)
 準備学習:前回の復習および鉄鋼の用途についての予習
第8回:鉄鋼(2)(Fe-C状態図と標準組織)
 準備学習:前回の復習および鉄鋼の状態図についての予習
第9回:鉄鋼(3)(各種熱処理による組織および機械的性質の変化)
 準備学習:前回の復習および鉄鋼の熱処理についての予習
第10回:鉄鋼(4)(TTT線図とCCT線図)
 準備学習:前回の復習および鉄鋼のTTT線図についての予習
第11回:アルミニウム(特徴,用途,製錬方法,強化のメカニズム)
 準備学習:前回の復習および鉄鋼の状態図についての予習
第12回:チタン(特徴,用途,製錬方法,強化のメカニズム)
 準備学習:前回の復習およびアルミニウムの用途についての予習
第13回:金属材料のまとめ(学習内容のまとめ)
 準備学習:これまでに学習した内容の復習
第14回:学習内容の振り返り
 準備学習:定期試験で解けなかった問題を中心にこれまで学習した内容の総復習

<成績評価方法>
成績評価は期末試験100%で評価する.Grade D以上のものに単位を認める.

<教科書>
指定教科書無し

<参考書>
・「図解入門最新金属の基本がわかる事典」田中和明著(秀和システム)
・「材料の科学と工学 [1]材料の微細構造」W. D. キャリスター著(培風館)
・「材料の科学と工学 [2]金属材料の力学的性質」W. D. キャリスター著(培風館)
・「金属組織学」須藤一,田村今男,西澤泰二著(丸善出版)

<オフィスアワー>
 金曜日14:00-15:00,八王子キャンパス8号館301号室

<学生へのメッセージ>
金属はすべての工業分野で用いられる重要な材料です.金属の特性を理解し,またその特性が何に起因しているかを理解することで様々な機械の設計,加工が可能となることを念頭に置いて学習をしてください.


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