2018年度工学院大学 教職課程科目

教育工学(Educational Technology)[9546]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
豊福 晋平 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/12/14

<授業のねらい>
今日の学校教育では、情報社会を生きる児童・生徒が必要な資質(情報活用能力)を身に付けることが求められている。あわせて、学習に新しい情報手段を活用することによって、多様かつ高度な教育効果が期待されており、指導する側もこれら時代の要請に応じた資質能力を高める必要がある。
教育工学には2つの意義がある。一つは工学の科学的合理的手法を教育に適用すること。もう一つは技術の潜在的可能性をもって教育の前提条件を覆し、教育に革新をもたらすことである。古くは学校制度・授業技法の研究に始まったが、現代では広く技術・メディアと教育との接点が議論されている。本講では、教育工学的アプローチへの理解を深めるとともに、いくつかのトピックについて実際に課題に取り組み、その意義や問題点について検討していく。

<受講にあたっての前提条件>
受講の前提条件は特に設定しない。講義内ではノートPCやスマートフォンを用いて個別にインターネットアクセスを要する場面があり、レポート提出作業等にはPCを用いるので、学習に必要な情報環境を整えることが望ましい。

<具体的な到達目標>
情報社会に求められる資質・能力とそれらを育成するための教育技術について理解すること
教育工学の歴史的背景・主要領域の知見・課題について系統的に理解できること
情報機器や学習情報環境の効果的な活用方法・教材作成に関する基礎的能力を身に付けること

<授業計画及び準備学習>
第1回:教育工学とは何か
 教育工学の背景領域とシステム観、情報社会と教育 21世紀型学力観と学習指導要領
 準備学習:高校までに履修した情報教育、あるいは一般教科学習でコンピュータやネットワークを用いた学習経験について簡単にまとめておくこと

第2回:カリキュラム構成と学習評価
 授業過程設計の基本的プロセスと技法、学習評価・アセスメント・ポートフォリオ
 予備学習:講義で扱った重要な用語・概念について確認・考察を行う

第3回:学習環境構成
 学校建築・情報基盤整備、コミュニケーションツールとクラウドサービス
 準備学習:国内外の校舎建築事例を収集し、最近の動向を整理する。文部科学省「情報化への対応」を要約する
 
第4回:メディアリテラシー
 メディアリテラシーの背景と理論、映像メディアの分析
 準備学習:講義で扱う分析シートをもとに、テレビCMの分析を行う

第5回:効果的な教材提示と知識習得
 教材提示装置の活用と教材作成
 予備学習:動画教材の作成課題に取り組む

第6回:フォーム活用・クラウド環境を用いた協働制作
 アクティブ・ラーニングや知的生産における情報共有・協働的知的生産
 予備学習:講義で扱った重要な用語・概念について確認・考察を行う

なお、内容は適宜変更することがある

<成績評価方法>
最終レポート結果40%・講義期間中の提出物・発表60%をもって評価し60点以上を合格とする。いずれも評価ポイントは体裁・基本事項の理解・論理性・卓越性の4つ。なお、3回以上欠席した場合は履修放棄とみなし成績評価は行わない。

<教科書>
指定教科書なし

<参考書>
「21世紀の学習者と教育の4つの次元」C・ファデル他著(北大路書房)
「メディア・リテラシー」菅谷明子著(岩波新書)
「教育×破壊的イノベーション 教育現場を抜本的に変革する」クリステンセン著(翔泳社)
「授業設計マニュアル―教師のためのインストラクショナルデザイン」稲垣忠・鈴木克明著(北大路書房)
 学習指導要領・情報化への対応(文部科学省)

<オフィスアワー>
講義終了後20分、新宿キャンパス12階講師室にて。メールでも対応可(fu25252@ns.kogakuin.ac.jp)

<参考ホームページアドレス>
http://www.i-learn.jp/


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