2018年度工学院大学 教職課程科目

教育方法論(Teaching Method)[9531]

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2単位
豊福 晋平 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/12/14

<授業のねらい>
教育方法論は狭義には授業場面における実践的技術的原理を追究する学である。講義では、教育方法学の歴史的背景から近現代教育システムを構成する様々な要素について考察する。また、情報社会の急速に変化するメディア・生活環境を前提とした新しいリテラシーのありかたについて議論するとともに、現在進行形の取組み事例を通じて、その教育方法の妥当性について検討する。

<受講にあたっての前提条件>
受講の前提条件は特に設定しない。講義内ではノートPCやスマートフォンを用いて個別にインターネットアクセスを行う場面があり、レポート提出作業等にPCを用いることを前提で進めるので、必要な情報環境を整えることが望ましい。

<具体的な到達目標>
達成目標としては次の3点をあげる。
現代教育方法の構成要素について、歴史的経緯を踏まえた意義と課題が理解できること
教育の方法及び技術(情報機器及び教材の活用を含む)について基礎知識を理解し、学習・教育環境構成上の要点や課題について考察できること
学習者に求められる資質・能力を把握し、条件に応じて適切な教育方法を企画出来ること

<授業計画及び準備学習>
第1回:ガイダンス・近代以前の教育方法 教育方法の基礎理論
 教育方法の定義と意義について概括する
 近代国家が成立する以前の教育方法について

第2回:教授学と国家主義の教育学
 近代国家構築の中で制度化された教育について
 予備学習:講義で扱った重要な用語・概念について確認・考察を行う

第3回:子ども中心主義・効率主義の教育学
 19世紀以降に発展した教育思想と産業化による影響
 予備学習:講義で扱った重要な用語・概念について確認・考察を行う

第4回:単元学習の類型 プロジェクトメソッド・ドルトンプラン
 単元学習の発達と諸理論について
 予備学習:講義で扱った重要な用語・概念について確認・考察を行う

第5回:行動科学の教育技術・認知理論と教授理論
 20世紀半ば行動科学の影響を受けた教育理論について
 予備学習:講義で扱った重要な用語・概念について確認・考察を行う

第6回:OECD Education2030と新学習指導要領 これから求められる資質と能力
 世界的に検討される新学力観と学習指導要領における解釈
 予備学習:講義で扱った重要な用語・概念について確認・考察を行う

第7回:学習者中心主義とブレンディド・ラーニング
 アクティブラーニングと授業方法の転換
 予備学習:事例を数編参照し、その特徴を整理する

第8回:ワークショップ技法
 参加型ワークショップ技法を紹介する
 予備学習:事例を数編参照し、その特徴を整理する

第9回:持続的情報環境と問題解決・知的生産活動
 ICT・クラウドサービスを前提とした学習環境構築と教育方法への応用
 予備学習:ノートPCやタブレット・スマートフォン等の利用状況と学習への利用可能性をまとめる

第10〜13回:教育方法の最新トピックと課題の整理 #1
 教育方法に関する最新のキーワードトピックから1テーマを選択し、個人もしくはペアで定義・用法・事例・課題についてまとめ、発表と質疑応答と評定を行う。ドキュメントや発表スライドはシステムを用いて共有する。

第14回:講義まとめ・学習成果の確認
 10〜13で扱った内容をもとに提示課題についてレポート形式で提出する

定期試験は実施しない
なお、扱う内容は適宜変更することがある。

<成績評価方法>
最終レポート結果40%・講義期間中の提出物・発表60%をもって評価し60点以上を合格とする。いずれも評価ポイントは体裁・基本事項の理解・論理性・卓越性の4つ。なお、5回以上欠席した場合は履修放棄とみなし成績評価は行わない。

<教科書>
指定教科書なし

<参考書>
「21世紀の学習者と教育の4つの次元」C・ファデル他著(北大路書房)
「教育方法」 佐藤学著 岩波テキストブック(岩波出版)
「学びの責任は誰にあるのか」D・フィッシャー&N・フレイ著(新評論社)
「ライフロング・キンダーガーテン 創造的思考力を生む4つのP」M・レズニック著(日経BP)
「ようこそ、一人一人をいかす教室へ」CA・トムリンソン著(北大路書房)
学習指導要領(文部科学省)
そのほか適宜講義中に提示する

<オフィスアワー>
講義終了前20分、新宿キャンパス12階講師室にて。メール(fu25252@ns.kogakuin.ac.jp)でも対応可。

<参考ホームページアドレス>
https://www.gakko.site/


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