2018年度工学院大学 教職課程科目

教育実習指導(Preparation of Teaching Practice)[9402]

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1単位
三浦 登 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/12/14

<授業のねらい>
学生が、学校教育活動の役割や子供たちの現状や発達課題について理解し、深く考える。更に「教育改革」や「教育の課題と現状」について考察し、学校や教師の役割や責任、具体的な教育活動について深く考え、理解する。教育実習に向けての心構えを学び、学習指導と生徒指導について実践的なスキルが身につけられる態度を育て、具体的な準備に取り組めるよう支援する。

<受講にあたっての前提条件>
特になし

<具体的な到達目標>
学生が、教育実習に向けて、学校教育の理解を深め、教師の役割と求められる力(学習指導力,生徒指導・進路指導力,外部との連携・折衝力,学校運営力・組織貢献力)を深く理解し、教育実習では「何を、どこまで、どのように」実践するかを自ら考える力を培い、学習指導と生徒指導を実践するために必要なスキルを獲得する。

<授業計画及び準備学習>
【授業の概要】
 教育実習生として、「何を理解しているか、何ができるか(生きて働く「知識・技能」)を習得し、教育実習において「理解していること・できることをどう使うか(未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成)」が可能となる力を育成し、本講座及び教育実習を通して、学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」の涵養を目指し、よりよい教育実習を送る態度を培うものとする。
 学習指導や生徒指導など教育実習では、生徒と向き合う実践力が求められる。そのためには、「正解」ではなく「最適解」を考えて実践できることを身につけることが求められるので、授業では、自ら課題を発見し、グループワーク等で課題解決する学習方法を用い、事例研究、グループディスカッション、など参加型の学習を計画する。ワークシートを用い「自らの考え」を表現し「他者の考え」で思考を広げ・深め、見方・考え方に基づいた深い学びの学習をめざす。
毎回の授業終了時には、個々の省察を促すためにワークシートでふりかえりシートにコメントを記入させ学習の積み重ねを促す。
【授業計画】
1.教育の目的と教師の役割
(準備学習:学校の役割と教師に求められるもの)を考える)
2.教師の仕事「勤務と服務(地方公務員法を含む)。教員の仕事の実際」
(準備学習:教師に求められる姿と日常の仕事を考え、まとめる)
3.教育実習の意義と課題(1)「教員養成、教育実習の意義、教師になる」
(準備学習:教育実習の目的を考え、「何を、どのように、どうするか?」を深く考える)
4.教育実習の意義と課題(2)「教育実習の全体像、準備、心構え」
(準備学習:教育実習の全体像に見通しをもたせ、「何時までに、何を、どこまで」を深く考える)
5.教育課程と教育改革、教育に関する法規
(準備学習:学習指導要領とは?を深く考え、生きた知識とする。「現在の教育改革」をテーマに学校教育に求められていることを、深く考える)
6.最近の子供たちの状況と教師
(準備学習:マスコミ情報や統計、現代の課題等から今の子供たちの状況を自分の世代と比較対照し、深く考え、まとめる)
7.生徒理解と教育相談
(準備学習:教育相談的対応の事例研究から、生徒理解と指導を深く考える)
8.特別支援教育
(準備学習:発達障害のある生徒の理解と対応、ユニバーサルデザインについて、深く考える)
9.授業の構造と授業づくり
(準備学習:授業のユニバーサルデザイン化(教育相談の姿勢を生かした授業の視点を含む)について深く理解し、「どのような授業が良いか」を深く考える)
10.教科外活動(1)学級活動、学校行事
(準備学習:学級活動の実例を体験し、学級活動や行事の意義や機能について、深く考える)
11.教科外活動(2)生徒会活動、部活動(体罰についても含む)
(準備学習:特別活動の目的を考え、「社会性や自治」を育てる教師の役割について、深く考える。)
12.特別の教科「道徳」模擬授業(1)指導案作成
(準備学習:特別の教科「道徳」を体験し、指導案をグループで作成する。)
13.特別の教科「道徳」模擬授業(2)授業実践と検証
(準備学習:授業実践し検証する。授業準備と授業の検証方法について、深く考える)
14.事後学習と研究レポートの作成。「学習成果の確認」
(準備学習:教育実習後に、体験して学んだことを事後の生き方に生かすことを深く考える。教育実習について、各自が課題を設定し、研究レポートを作成する。)
以上の項目をワークシートとレポートで学習成果を考課する。

<成績評価方法>
講義への出席と事例研究等のディスカッションへの参加を前提とする。ワークシートの記入内容と授業終了時に行う自己評価コメントを記入することで毎回の学習の理解度をみる。期末には、授業内で課題レポートの試験を実施する。ワークシート及び自己評価の変容を平常点。授業内の課題レポートの割合は6:4とし、A〜Fの6段階評価でD以上の者を合格とする。
5回以上欠席した学生は履修放棄とみなし、成績評価は行わない。

<教科書>
指定教科書はないが、中学校学習指導要領解説 「総則」「特別活動」「特別の教科『道徳』」と「総合的な学習の時間」を学生は用意する。(書店で購入かインターネットでダウンロード)
プリント、資料、ワークシートを配布する。

<参考書>
中学校学習指導要領及び中学校学習指導要領解説(文部科学省)
高等学校学習指導要領(文部科学省)
教育基本法・学校教育法、地方公務員法などの法令や文部科学省通知、各種調査研究
学校教育相談推進資料「子供の心が開くとき、子供と心が通うとき」(東京都教育相談センター)
等を授業中に適宜紹介する。

<オフィスアワー>
授業前及び授業後30分間。あるいはそれ以外でも連絡があれば対応。
新宿キャンパス12階講師室。

<学生へのメッセージ>
「教わる」経験値と「教える」との間に大きな格差があることを認識して、教育実習に臨んで欲しいと願っています。そのために、何が必要で大切なのか、現代の教育課題を含めて意見交流をしていきたい。
教員採用試験を受験したい学生は、具体的な試験対策についても意見交流します。


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