2018年度工学院大学 教職課程科目
△情報教育の研究B(Study of Information Communication Technology Education B)[9271]
4単位 長嶋 秀幸 非常勤講師
- <授業のねらい>
- コンピュータ化・コンピュータネットワーク化の急速な進展とともに、わが国では「情報教育」の必要性が主張されるようになった。1991年には文部省から『情報教育に関する手引き』がだされ、「情報教育」とは「情報活用能力を育成する教育」であると定義された。そして「情報教育」推進を背景にして、高校に教科「情報」が新設された。しかし、「情報教育」、高等学校の教科「情報」のあり方には若干の混乱もあるようにみえる。
この授業では、「情報教育」および教科「情報」に関する代表的な見解、教育政策の背景、世界的動向、検定教科書、高等学校における教育実践等を検討する。また、あわせて、指導案の作成、模擬授業、討議をおこない、教科「情報」を指導するために必要と思われる知識と技能を習得してもらうことにつとめ、実践的能力が育成されることを重視したいと考えている。
- <受講にあたっての前提条件>
- なし
- <具体的な到達目標>
- (1) 「情報教育」、教科「情報」成立の背景がわかる。
(2) 高校情報科における教育目標、育成を目指す能力を理解し、学習指導要領に示された学習内容について背景となる学問領域と関連させて理解を深める。 (3) 具体的な授業場面を想定した授業設計をおこなう方法を身に付ける。
- <授業計画及び準備学習>
- 第1回:ガイダンス−教科「情報」の意義を考える (担当 : 長嶋)
準備学習: 教科「情報」の現状を調べておく 第2回:教育課程の意義と編成(1) 学習指導要領にみる教科「情報」のねらいと内容、全体構造 (担当 : 長嶋) 準備学習: 高等学校学習指導要領における情報科の部分を読んで理解しておく 第3回:教育課程の意義と編成(2) 教科「情報」成立の背景としての「情報教育」推進 (担当 : 長嶋) 準備学習: テキスト第1章第1節を読んで理解しておく 第4回:教育課程の意義と編成(3) 「情報教育」論の特質・「情報教育」の成立経緯 (担当 : 長嶋) 準備学習: テキスト第1章第1節を読んで理解しておく 第5回:教育課程の意義と編成(4) 教科「情報」と背景となる「情報学」との関係 (担当 : 長嶋) 準備学習: テキスト第1章第2節を読んで理解しておく 第6回:教育課程の意義と編成(5) コンピュータ教育・メディア教育の動向 (担当 : 長嶋) 第7回:教育課程の意義と編成(6) 諸外国のコンピュータ教育・メディア教育の動向 (担当 : 長嶋) 準備学習: メディア教育について調べておく 第8回:教育課程論 (担当 : 丸山) 第9回:教科書の検討(1) 学習指導要領と検定教科書の記載内容との関係 (担当 : 長嶋) 準備学習: 情報科の教科書を読む 第10回:教科書の検討(2) 教科書の学習内容における指導上の留意点 (担当 : 長嶋) 準備学習: 情報科の教科書を読む 第11回:教育方法の課題(1) 教育評価のあり方・学習評価の考え方 (担当 : 長嶋) 準備学習: テキスト第3章を読んで理解しておく 第12回:教育方法の課題(2) わかる授業の工夫・協働学習 (情報機器及び教材の活用を含む) (担当 : 長嶋) 準備学習: 協働学習について調べておく 第13回:学習指導案の意義(1) 学習指導案の意義と書き方 (担当 : 長嶋) 準備学習: 情報科の教科書を読む 第14回:学習指導案の意義(2) 学習指導案の作成と内容の検討 (担当 : 長嶋) 準備学習: テキスト第3章を読んで理解しておく 第15回:教材を検討する(1) コンピュータのしくみ・ハードウェア (担当 : 長嶋) 準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく 第16回:教材を検討する(2) コンピュータのしくみ・ソフトウェア、システム設計 (担当 : 長嶋) 準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく 第17回:教材を検討する(3) 情報処理の原理・アルゴリズム (担当 : 長嶋) 準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく 第18回:教材を検討する(4) 情報処理の原理・プログラム (情報機器及び教材の活用を含む) (担当 : 長嶋) 準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく 第19回:教材を検討する(5) コンピュータ技術・通信 (情報機器及び教材の活用を含む) (担当 : 長嶋) 準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく 第20回:教材を検討する(6) コンピュータ技術・計測、制御 (担当 : 長嶋) 準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく 第21回:教材を検討する(7) コンピュータ技術・ネットワーク (担当 : 長嶋) 準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく 第22回:教材を検討する(8) コンピュータの効果的な利用・マルチメディア、コンピュータデザイン (担当 : 長嶋) 準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく 第23回:教材を検討する(9) コンピュータの効果的な利用・モデル化、シミュレーション (情報機器及び教材の活用を含む) (担当 : 長嶋) 準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく 第24回:教材を検討する(10) 情報化社会における安全性と倫理の問題 (担当 : 長嶋) 準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく 第25回:高校情報科の指導法(1) 具体的な授業を想定した授業設計と学習指導案の作成 (担当 : 長嶋) 準備学習: 模擬授業の内容を考え、学習指導案を書く 第26回:高校情報科の指導法(2) 子どもの認識・思考、学力等の実態を視野に入れた授業設計と学習指導案の作成 (担当 : 長嶋) 準備学習: 模擬授業の内容を考え、学習指導案を書く 第27回:高校情報科の指導法(3) 学習指導案の作成、模擬授業の実施と振り返り (担当 : 長嶋) 準備学習: 模擬授業の内容を考え、学習指導案を書く 第28回:授業のまとめ・教科「情報」のあり方 (担当 : 長嶋) 準備学習: 前回までの授業を復習しておく 定期試験は実施しない
- <成績評価方法>
- 講義毎の小レポート(30%), 課題発表(40%), レポート(30%)とし、総合評価が60%以上を合格とする。ただし、必要がある場合はレポートの提出を求める。良いレポートとは独自の考え方が表れているものである。
- <教科書>
- 文部科学省『高等学校学習指導要領』
- <参考書>
- 坂口謙一・他編『実践情報科教育法』(東京電機大学出版局)
文部科学省『高等学校学習指導要領解説 情報編』
- <オフィスアワー>
- 授業前に新宿キャンパス12階講師控室でお願いします。
- <学生へのメッセージ>
- 免許状の取得は別にして、少しでも関心があれば気軽に参加してください。模擬授業についても欠点のない学習指導案をつくることは求めません。教科「情報」、「情報教育」に関心をもち、真面目に考えてくだされば、と願っています。情報通信技術と教育の問題をいっしょに考えていきましょう。
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