2018年度工学院大学 教職課程科目

数学教育の研究B(Study on Mathematics Teaching B)[9111]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

4単位
佐藤 一 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/12/14

<授業のねらい>
主に中学校の数学の教員として、日々の授業を行うために必要な学習指導要領に関する事柄、授業組み立ての考え方及び技術を身につける。
また、中学校の数学教育の実態、問題点を認識して、それを解決していくための基礎的な知識・方法について身につける。
数学教育を取り囲む諸環境に対応し数学教育を改善していく視野を持つ。

<受講にあたっての前提条件>
既履修科目は特に必要ない。
受講者には、将来中学校あるいは高校の教師として教壇に立つ意志のあることを前提として授業は進める。受講者は、自らも求められる学び方を身につけ、協働して活動していく姿勢が必要である。

<具体的な到達目標>
・主に中学校数学科の学習指導要領における目標・内容と指導上の留意点・全体構造を理解し、
 具体的に授業の設計と評価をできるようにする。
・中学校数学の数学的背景を理解し、教材の作成・情報機器の活用ができるようにする。
・想定した生徒の実態に基づき、授業を設計し指導案を作成して模擬授業を行うことができるよ
 うにする。また、模擬授業の振り返りから授業改善を図れるようにする。
・工作・実験等を活用して、実世界の理実世界の理解に数学を用いる指導を行えることができるようにする。

<授業計画及び準備学習>
第1回 中学生は数学を学ぶ意味をどう捉えているのか・中学校数学の目標
      我が国の中学生が数学を学ぶことをどのように捉えているのか各種の調査か
      ら読み取る。 
第2回 中学校数学教育における課題
      各種の調査に現れた中学校における課題を知り、どのような取り組みがなされ  
      ているか知る。またどのような取り組みをすべきか考える。
第3回 求められている資質・能力とは
      従前は学力と呼ばれていたが、資質・能力としてどのようなものが求められて 
      いるのか知り、考える。
      ◯これから求められる資質・能力について調べ、自分の意見も加えレポートと
      して提出する。
第4回 評価
      評価とはどのような行為か、何のために行うのか、評価を行う理由等の数学学
      習における。評価について学び考え方・手法を身につける。
      ◯指定した資料を読み、自分の意見も加えまとめレポートとして提出する。
第5回 図形を活かした中学数学の授業設計
      中学校数学の中で、図形教育の持つ役割を知り、その問題点を明らかにして、 
      具体的な授業設計を行う。
第6回 図形を活かした中学数学の教材作成
      第5回の授業での授業設計の上に、具体的な教材を作る。
第7回 図形を活かした中学数学の授業案の発表
      第5回・第6回に基づき具体的に授業指導案を班ごとに作成する。指導案の作  
      成法も合わせて学ぶ。
      ◯班ごとに作成した指導案はレポートで提出。
      ◯各自の作成した図形教材についてはレポートとして提出。
第8回 情報機器を活かした中学数学の授業設計
      なぜ、ICTを活かした数学の学習がどのような意味を持つのか、また利点と欠 
      点を知り、ICTを用いた授業を設計する。 
第9回 情報機器を活かした中学数学の教材作成
      第8回の授業に基づき、ICTの特性を活かした教材を作成する。
第10回 情報機器を活かした中学数学の授業案の発表
      第5回・第6回に基づき具体的に授業指導案を班ごとに作成する。
      ◯班ごとに作成した指導案はレポートで提出。
      ◯各自の作成したICTを活用した教材についてはレポートとして提出。
第11回 授業の設計方法 
      1年生の内容から小学校での算数の履歴を持っている生徒に対し、必要な授業
      を設計することを身につける。
第12回 授業の設計方法 2年生の内容から
      論証について学ぶ場面としての図形と図形の性質を活かす授業を設計するこ
      を身につける。
第13回 授業の設計方法 3年生の内容から
      中学校数学のまとめを意識した授業を設計することを身につける。
第14回 第1学年の内容で授業案を作る
      第11回の授業に基づき班ごとに授業案を作る。
第15回 第2学年の内容で授業案を作る
      第12回の授業に基づき班ごとに授業案を作る。
第16回 第3学年の内容で授業案を作る
      第13回の授業に基づき班ごとに授業案を作る。
第17回 第14回から第15回で作った指導案に基づく模擬授業
      第14回から第15回で作った指導案に基づく模擬授業を班ごとに行い。互い 
      講評し合う。
第18回 第15回から第16回で作った指導案に基づく模擬授業
      第15回から第16回で作った指導案に基づく模擬授業を班ごとに行い。互い 
      講評し合う。
第19回 第17回・第18回の模擬授業の振り返り
      班ごとに模擬授業の振り返り、指導案の改善を行う。
      ◯改善した指導案はレポートとして提出。
第20回 データの活用を中心に中学校数学を社会を見る目として活かす授業設計
      社会を見る目として中学校数学を活かした例を参考に班ごとに授業設計を行
      う。
第21回 データの活用を中心に中学校数学を社会を見る目として活かす教材作成
      社会を見る目として中学校数学を活かした例を参考に班ごとに教材作成を行
      う。
第22回 データの活用を中心に中学校数学を社会を見る目として活かす指導案作成
      社会を見る目として中学校数学を活かした例を参考に班ごとに指導案作成を
      行う。
第23回 第22回で作成した授業案による模擬授業の実施
      第22回で作成した授業案による模擬授業を班ごとに実施する。
第24回 第23回模擬授業の振り返り
      第22回での模擬授業を班ごとに振り返り授業案の改善を行う。
      ◯改善した指導案はレポートとして提出。
第25回 中学生が数学を学ぶ意味
      今までの授業等から中学生の数学を学ぶ意味について各自の意見をまとめる。 
第26回 国内及び国際的な比較調査について
      今までの授業等から得たことから国内及び国際的な数学教育に関する調査比
      較を読むことができるようにする。
第27回 中学生の身につけるべき数学の素養とは
      今までの授業等から身につけたことによって中学生にはどのような数学の素
      養を身につけるべきか意見をまとめる。
      ◯第25回と第27回はまとめたものを一つにしてレポートとして提出。
第28回 学習成果の確認(試験)と講評
      学習成果の確認と講評を行う。

<成績評価方法>
試験・レポート 85%% 授業への貢献 15%

<教科書>
教科書は特に定めない。
授業中に印刷物を配布する。

<参考書>
中学校学習指導要領解説 数学編 平成20年9月告示 
高等学校学習指導要領解説 数学編 理数編 平成21年12月告示
自分の使用した中学校数学の教科書(持っていれば)

<オフィスアワー>
非常勤講師室 16:20〜17:20

<備 考>
明確に定めてある課題レポート以外にも、必要に応じ小レポートを課す。


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