2018年度工学院大学 先進工学部機械理工学科

日本語表現演習(Japanese Proficiency)[3B26]

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1単位
小田 玲子 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
社会人、職業人として求められる文章表現技量を身につける。特に理系学生として、欧米の大学の同種の授業で言うところのexpositoryな文章を書く力をつける。さらに、自ら問いを立て、探究するスタイルを経験するため、学術論文として、ジュニアペーパー(3年次論文)に取り組む。書くことは、読むことの上に成り立つことを体得するため、課題図書の輪読や観察ノートの習慣づけによって読む、書くを日常化する。

<受講にあたっての前提条件>
学術論文の演習であるから、受講者は、自らの思索の質を吟味することが求められる。「思索」の源泉は「読み込む」ことであるから、エンジニア的思考にかかわりの深い著作(1冊)を指定する。受講者は同著作を熟読し、担当箇所については発表を行う。ジュニアペーパーのテーマを持つために、ノート(ポートフォリオ)を作成する。論文のための資料収集と読み込みを行う。

<具体的な到達目標>
●(個別)テーマに着眼し、観察し、複数の資料を読み、自分なりの結論を論理的に述べることができる。
●(個別)テーマの自分なりの結論について、討論などの触媒を経て「改訂」することができる。
●個別テーマを常に着想し、観察し、読み込み、思索(吟味)し、書くという学びの習慣をつける。
●学術文章技法上の基本的技術を身につける。具体的に、4000字程度のジュニアペーパーの執筆を完成することを具体的な到達目標とする。テーマの選択から素案の組み立てのプロセスは、いわゆる「ポートフォリオ」形式で行う。

<授業計画及び準備学習>
第1回 オリエンテーション(「Myポートフォリオ」の作り方など)。輪読する『錯覚の科学』の発表担当箇所の決定。はじめの「問い」で、小論文の作成。
第2回 共通テーマ(参考資料は、機械理工との関連で、ふさわしいものを選抜して提示)で小論文の作成。輪読書の担当箇所をレジュメで発表(3、4名)とまとめ。
第3回 共通テーマ(同上)で小論文の作成。輪読書の担当箇所をレジュメ作成のうえ発表(3、4名)とまとめ。
第4回 共通テーマ(同上)で小論文の作成。輪読書の担当箇所をレジュメ作成のうえ発表(3、4名)とまとめ。
第5回 共通テーマ(同上)で小論文の作成。輪読書の担当箇所をレジュメ作成のうえ発表(3、4名)とまとめ。
第6回 観察編で小論文の作成。輪読書の担当箇所をレジュメ作成のうえ発表(3、4名)とまとめ。
第7回 観察編で小論文の作成。ジュニアペーパーのテーマの思案。輪読書の担当箇所をレジュメ作成のうえ発表(3、4名)とまとめ。前半学習内容の振り返り。
第8回 思索(吟味)編で小論文の作成。ジュニアペーパーのテーマの思案。輪読書の担当箇所をレジュメで発表(3、4名)とまとめ。
第9回 思索(吟味)編で小論文の作成。ジュニアペーパーのテーマの思案。輪読書の担当箇所をレジュメで発表(3、4名)と討論・まとめの文章執筆。
第10回 ジュニアペーパーのテーマの決定。資料収集と読み込み。
第11回 資料収集と読み込み。パラグラフライティング。
第12回 パラグラフライティング。
第13回 改訂版の執筆。
第14回 改訂版を提出。(授業内試験としてジュニアペーパー(改訂版)を提出。)

<成績評価方法>
ポートフォリオ10点、毎回の文章作品50点、個別テーマによるジュニアレポート(改訂版)を40点とし、合計60点以上を合格とする。評価ルーブリックは、「具体性」「論理性」「改訂度」である。

<教科書>
指定教科書なし。

<参考書>
クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ著『錯覚の科学』文春文庫
小田玲子『大学作文ポートフォリオ―自分の考えを創る』アカデメイア・プレス

<オフィスアワー>
水曜日 1限の授業終了後〜12時 新宿校舎講師室

<学生へのメッセージ>
「文章を書く」ことに苦手意識を持つ人が多いですが、「書く」ことは、ものごとをよく観て、「別の見方」「細部へのこだわり」などを探究することなのです。このプロセスは楽しいものであり、「私はこのような考えができるのか」という自分の強みの発見があるはずです。

<備 考>
先進工学部機械理工学科3年生の前半クラスが受講対象です。


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