2018年度工学院大学 先進工学部機械理工学科

デザイン工学(Engineering Design)[4G55]

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1単位
桂 晃洋 特別専任教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
ものづくりを行う上で必須となるプロセスとマネジメントを学ぶ.
 すなわち(1)ユーザーが求めている特性,仕様の分析,(2)デザイン目標の設定とその目標を達成するための最適な方法の検討,(3)デザイン課題の抽出,(4)デザイン計画,(5)デザインの評価・検証,(6)デザインの妥当性の検証,(7)商品としての評価,(8)商品化プロセスにおいて実施すべきエンジニアリングとその手法,(9)ものづくりプロセスにおけるマネジメント,(10)創造チームに係るチームダイナミックス,などの基本的な事項について座学と演習により身につける.
 取り組む課題テーマを受講者全員の議論を通じて吟味した上で,数名のグループごとにテーマを選択しその解決策を導き出す演習,いわゆる模擬商品企画,開発会議を通じて,エンジニアとして身に着けておかねばならない「必要なプロセスを適切に実践できる能力」がなんであるかを知り,エンジニアとしての基礎固めをする.

<受講にあたっての前提条件>
必須となる前提条件はないが,本授業は機械理工演習と連携しており,機械理工演習で実際に行う演習内容について,先行してそれに必要な心構えや技法を解説する.また,次年度以降の創造工学セミナーとも密接な関係がある.これらの授業の前段での基礎知識習得のために,本科目を履修することが望ましい.

<具体的な到達目標>
モノを創案し実行するために必要なプロセスとそのプロセスにおける基礎知識を学び,身につけるべき能力(課題発見能力,課題設定能力,課題解決能力など)の必要性を認識,理解する.各チームで設定した目標課題に対し,論理的かつユニークな解決策を検討し発表することを通じ,上記能力を身につける.
 機械系技術者としてデザインを適切に実践できるように,その基礎を習得することを目指す.

<授業計画及び準備学習>
本授業ではまず,エンジニアリングデザインの基本となる考え方,プロセス,手法を解説する.次いで,デザインテーマの候補を全員の議論を経て数件に絞り込み,各チーム毎に取り組むテーマを決定する.そのテーマについて,市場に受け入れられる商品開発を行うプロジェクトチームの一員という立場で,提案すべきデザインを構築し,商品提案書を作成するまでの一連のプロセスを疑似体験しながらエンジニアリングデザインについて学習する.
(1) 講義/エンジニアリングデザインの基礎
 本授業の目的を理解し,社会課題を解決するデザインの考え方を学ぶ.
 <準備学習> ものづくりを行う上で,自分ならどういう手順で行うかを考えておく.
(2) 講義/エンジニアリングデザインプロセス
 ユーザ要求の分析,デザイン目標の設定,課題抽出,デザイン戦略,デザイン仕様,評価と検証,マネジメント,の一連のエンジニアリングデザインプロセスを学ぶ.
 <準備学習> 本授業で取り組むべき課題について考え,提案を纏める.
(3) 演習/テーマ決定
 チームとしての意思決定方法を学ぶ.
 <準備学習> 授業を踏まえ自分が取り組みたいと思う課題テーマについてよく考える.
(4) 演習/デザイン仕様
 グループに分かれ,要求分析,目標ツリーの作成を進め,デザイン仕様を纏める.
 課題の再定義について実践を通じて学ぶ.
 <準備学習> 課題テーマに対して,解決に向けたデザインの進め方について考える.
(5) 演習/中間発表会
 各チームのデザイン仕様とそこに至った考え方を発表する.
 <準備学習> グループでのブレインストーミングの結果を整理し,発表資料の準備をする.
(6) 演習/詳細デザイン
 仕様を実現する具体案を検討し,デザインにおける技術課題を抽出,課題の評価と検証を進める.
 <準備学習> デザイン仕様を実現する具体案を考える.
(7) 演習/最終発表会
 学習内容を振り返り,成果として発表する.
 <準備学習> デザイン目標をもとに商品提案書を作成し,発表資料の準備をする.

<成績評価方法>
以下の個人評価項目とグループ評価項目の総合点で評価する.
・個人評価(計50点):テーマ提案レポート(10点),テーマ投票(5点),個人レポート(25点),出席及びチームへの貢献(10点).ただし,正当な理由(教務課の基準による)なく3回以上欠席した学生は,履修放棄したものとみなし成績評価を行わない.
・グループ評価(計50点):中間発表会(15点),最終発表会(20点),最終レポート(15点).

<教科書>
指定教科書なし.
電子教材またはプリントで配布する.

<参考書>
エンジニアリングデザイン教材 我妻隆夫(著)...電子ファイルで提供

<オフィスアワー>
八王子校舎 17-101:金曜日 10:30〜17:30
新宿校舎 A-1736:火曜日 13:30〜17:30
上記時間外でも随時質問を受け付けます.メールでの質問も可.

<学生へのメッセージ>
市場に受け入れられるモノづくりのためには,個別の技術力に加えて総合的な判断能力を養う必要があります.本授業を通じて,基本的な事項や知識を体系的に習得するとともに,客観的にものを見る目と豊かな創造力を身につけてください.みずから意欲を持って学習することが,大きな飛躍に繋がります.


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