2018年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

結晶構造解析学(Crystallography)[4H36]

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2単位
森田 真人 特任助教  
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
結晶とは、原子或いは分子が空間で規則的(周期的)に配列した構造もった物質を指す。仮に全く同じ元素で構成された物質であっても、結晶の構造や方位の違いによって、化学的、物理的性質に大きな違いが生じる。そのため、今日のモノづくりにおいて結晶学は重要な役割を担っている。本講義では、X線や電子線などを用いた結晶構造解析法について学習する。

<受講にあたっての前提条件>
特になし

<具体的な到達目標>
結晶学の重要性を学び、結晶の種類、表記を理解する。さらに、X線や電子線を結晶に照射した際の物理現象について理解し、結晶学に関する材料研究を行う上で要求される分析の知識を身に着ける。

<授業計画及び準備学習>
1.結晶とは:結晶の定義、種類について学習する。また結晶学が応用されている分野について学ぶ。
2.結晶と指数:面指数、方位指数、対称性について学ぶ。
3.X線を用いた解析@:結晶構造を評価するために頻繁に使用されるX線について、固体との相互作用を学ぶ。
4.X線を用いた解析A:X線の回折現象による結晶構造解析手法について学ぶ。
5.X線を用いた解析B:固体へのX線照射により放出した光電子による回折現象について学ぶ。
6.電子線を用いた解析@:電子線と固体との相互作用について学ぶ。
7.電子線を用いた解析A:電子線を用いた代表的な分析装置である、走査電子顕微鏡と透過電子顕微鏡について学ぶ。
8.電子線を用いた解析B:電子線の回折現象を利用した結晶構造解析法について学ぶ。
9.電子線を用いた解析C:LEED, RHEED, EBSD等の様々な電子線回折法について、原理と特徴を学ぶ。
10.イオンビームを用いた解析:イオンビームと固体との相互作用について学ぶ。
11.電界放射顕微鏡と電界イオン顕微鏡:結晶の表面の原子配列を拡大して観察することができる電界放射顕微鏡と電界イオン顕微鏡について学ぶ。
12.アトムプローブ顕微鏡:結晶レベルの微細構造を組成も含めて観察することができるアトムプローブ顕微鏡について学ぶ。
13.学習成果の確認(試験)
14.学習成果の確認(復習)

<成績評価方法>
原則として、期末試験の点数が60点以上を合格とする。ただし、授業中提出課題の評価を50%まで含め、総合評価が100点を超えないようにして規格化して評価する。

<教科書>
坂公恭(著) 結晶電子顕微鏡学 -材料研究者のための- 内田老鶴圃 (ISBN:978-4-7536-5605-9)

<参考書>
田中通義 (他著)やさしい電子回折と初等結晶学 ―電子回折図形の指数付け,収束電子回折の使い方
早稲田嘉夫(著) X線構造解析 -原子の配列を決める- 内田老鶴圃
日本表面科学会(編) 透過型電子顕微鏡 丸善
日本表面科学会(編) ナノテクノロジーのための走査電子顕微鏡 丸善
Jenny P. Glusker, Kenneth N. Trueblood(著) 廣瀬千秋(訳)  結晶構造解析入門 森北出版

<オフィスアワー>
新宿;木曜日3〜4時限、※事前連絡した上で、時間・場所の設定を行う。
連絡先:kt13544ns.kogakuin.ac.jp (※を@に変更)

<学生へのメッセージ>
材料の結晶構造と物性には密接な関係があります。それを評価する結晶構造解析法は材料を扱う上で避けては通れない分野だと思います。基礎的な部分を中心に講義を行いますが、教科書にもなかなか書いていないような特殊な方法についてもご紹介します。


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