2018年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

光物性(Optical Physics)[4E27]

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2単位
尾沼 猛儀 准教授  
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
光物性とは、光と物質の相互作用の諸現象を総称する言葉である。本講義の前半では、反射、透過、偏光、干渉など光学の基礎を取り扱う。後半では、水素原子、多電子原子、2原子分子における光学遷移、発光スペクトルなどを学び、量子力学の基礎を具体例を通じ理解することを目標とする。

<受講にあたっての前提条件>
熱・統計力学、電磁気学I、量子物理学を修得していることを前提とする。電磁気学II、量子力学I、固体物理学Iを同時に履修することを推奨する。

<具体的な到達目標>
反射、透過、偏光、干渉など光の基本的な性質を理解し演習問題を解くことができる。水素原子、多電子原子、2原子分子における光学遷移過程や発光スペクトルを理解し、実践的な内容に取り組む素養を身に着けることを目標とする。

<授業計画及び準備学習>
第1週 ガイダンス、光物性と他の学問の繋がり
第2週 光とは何か
    光の波動性と粒子性、波の性質の復習1:光の反射と屈折
第3週 波の性質の復習2:光の回折と干渉
第4週 物質中の光の伝搬
    複素誘電率 
第5週 光の反射率と透過率
    偏光、フレネル方程式
第6週 ブリュースター角、全反射
第7週 中間試験
第8週 水素原子の電子状態
第9週 水素原子のスペクトル
第10週 光と物質の相互作用の量子論
    遷移確率と遷移選択則、フェルミの黄金律
第11週 多電子原子(ヘリウム)
第12週 2原子分子の電子状態
第13週 固体の電子状態と光学遷移
第14週 期末試験
第15週 学習内容の振り返り
毎週、課題プリントを出すので、予習・復習に活用すること。

<成績評価方法>
中間試験と期末試験(75%)と演習・レポート課題(25%)の結果により、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し、D以上の者に単位を認める。テストでは教科書、ノートの持ち込み不可。

<教科書>
「光物性物理学」 櫛田孝司著(朝倉書店)

<参考書>
「光物性基礎」 工藤恵栄著(オーム社)
「分光エリプソメトリー 第2版」 藤原裕之著(丸善出版)
「物質の対称性と群論」 今野豊彦著(共立出版)

<オフィスアワー>
毎週木曜の17:30〜18:30間、新宿校舎A2168室にて。

<学生へのメッセージ>
必ずノートをとり、課題を自分で考えること。
本科目を履修することにより、光の反射・吸収・発光・散乱などの身近な現象に対する物理的な理解が深まります。また、原子や分子分光学の基礎を習得することができます。分光学は、量子化学や天文学の基礎として位置付けられます。


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