2018年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

固体物理学I(Solid State Physics I)[4B20]

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2単位
尾沼 猛儀 准教授  
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
固体物理学とは、身近にある物質の熱伝導や電気伝導などのマクロな現象をミクロな視点で解く学問である。本講義では、初めに結晶構造とその分類法について取り扱う。そして、結晶の評価法としてX線回折の実空間、逆格子空間を用いた解析手法を取り扱う。続いて、結晶格子の振動を取り扱い、音響モードと光学モードを導く。さらに、格子振動の量子化を行う。音響フォノンによる比熱について述べ、物質の熱伝導率との関わりについて理解することを目標とする。

<受講にあたっての前提条件>
熱・統計力学、電磁気学I、量子物理学を修得していることを前提とする。電磁気学II、量子力学Iを同時に履修することを推奨する。

<具体的な到達目標>
結晶構造とその分類法について理解し具体的な結晶に適用できること。X線回折の実空間、逆格子空間を用いた解析手法を習得すること。結晶格子の振動の音響モードと光学モードを説明できること。フォノンとは何か説明できること。音響フォノンによる比熱について理解し、物質の熱伝導率との関わりについて説明できること。

<授業計画及び準備学習>
第1週 ガイダンス、結晶構造
第2週 結晶系、ブラべ格子
第3週 結晶面と格子方向
第4週 代表的な結晶構造
第5週 X線回折
第6週 逆格子、ブリルアン・ゾーン
第7週 中間試験
第8週 格子振動(1次元格子)、分散関係
第9週 フォノン、調和振動子
第10週 フォノンの熱的性質
第11週 内部エネルギー
第12週 デバイ・モデル
第13週 熱伝導率
第14週 期末試験
第15週 学習内容の振り返り
毎週、課題プリントを出すので、予習・復習に活用すること。

<成績評価方法>
中間試験と期末試験(75%)と演習・レポート課題(25%)の結果により、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し、D以上の者に単位を認める。テストでは教科書、ノートの持ち込み不可。

<教科書>
「キッテル 固体物理学入門 上 第8版」 C. Kittel著、宇野良清・津屋昇・新関駒二郎・森田章・山下次郎共訳(丸善出版)

<参考書>
「半導体の物理」 御子柴宣夫著(培風館)

<オフィスアワー>
毎週木曜の17:30〜18:30間、新宿校舎A2168室にて。

<学生へのメッセージ>
必ずノートをとり、課題を自分で考えること。
教科書の章末問題にも積極的にチャレンジしてください。分からない問題があれば質問してください。演習問題を解くと実践力が身に付きます。
 講義でカバーしきれない電磁気学や統計力学、量子力学の詳細は、プリントやKUPort経由で配布します。


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