2018年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

固体物理学II(Solid State Physics II)[2E32]

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2単位
尾沼 猛儀 准教授  
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
固体物理学とは、身近にある物質の熱伝導や電気伝導などのマクロな現象をミクロな視点で解く学問である。本講義では、初めに金属の自由電子模型を取り扱うことで、電気を運ぶ伝導電子の状態を記述する手法を述べる。そして、周期的な結晶格子における電子状態に対するブロッホの定理、クローニッヒ・ペニイ模型、そして空格子近似を述べ、エネルギーバンドの形成されるイメージを掴む。続いて、これらの概念を半導体に適用し、エネルギーバンドの中で電子がどのように分布するかを述べ、電気伝導度の古典論へ導く。最後に、電場や磁界が印加された場合の電子の運動、電子の集団運動の古典論を述べる。

理解することを目標とする。

<受講にあたっての前提条件>
熱・統計力学、電磁気学I,II、量子物理学、量子力学I、固体物理学Iを修得していることを前提とする。

<具体的な到達目標>
金属の自由電子模型、ブロッホの定理、クローニッヒ・ペニイ模型、空格子近似を理解し、具体的な事例に適用することができる。半導体のエネルギーバンドの中での電子の分布や電気伝導度との関わりが理解できる。ホール効果、サイクロトロン共鳴、プラズモンを、具体例を交えて理解できることを目標とする。

<授業計画及び準備学習>
第1週 ガイダンス、エネルギーバンド
第2週 金属の自由電子模型
第3週 状態密度、フェルミエネルギー
第4週 ブロッホの定理
第5週 クローニッヒ・ペニイ模型
第6週 自由電子に近い電子モデル
第7週 空格子近似
第8週 中間試験
第9週 波束と群速度
第10週 電気伝導度
第11週 ホール効果
第12週 サイクロトロン共鳴
第13週 プラズモン
第14週 期末試験
第15週 学習内容の振り返り
毎週、課題プリントを出すので、予習・復習に活用すること。

<成績評価方法>
中間試験と期末試験(75%)と演習・レポート課題(25%)の結果により、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し、D以上の者に単位を認める。テストでは教科書、ノートの持ち込み不可。

<教科書>
「キッテル 固体物理学入門 上 第8版」 C. Kittel著、宇野良清・津屋昇・新関駒二郎・森田章・山下次郎共訳(丸善出版)

<参考書>
「半導体の物理」 御子柴宣夫著(培風館)

<オフィスアワー>
毎週金曜の17:30〜18:30間、新宿校舎A2168室にて。

<学生へのメッセージ>
必ずノートをとり、課題を自分で考えること。
教科書の章末問題にも積極的にチャレンジしてください。分からない問題があれば質問してください。演習問題を解くと実践力が身に付きます。
 講義でカバーしきれない電磁気学や統計力学、量子力学の詳細は、プリントやKUPort経由で配布します。


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