2018年度工学院大学 先進工学部応用物理学科
量子力学II(Quantum MechanicsII)[1L21]
2単位 木村 哲士 非常勤講師
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 量子力学Iで学んだ内容を発展させ、量子力学の数学的・理論的基礎をより深く理解すると共に、原子スケールで起こる様々な自然現象に適応できる様になることをねらいとする。
- <受講にあたっての前提条件>
- 「量子力学I」を修得していること。
「応用力学II」「電磁気学I」「電磁気学II」を履修していることが望ましい。
- <具体的な到達目標>
- ・角運動量を量子力学的に扱える。
・原子の波動関数について理解できる。 ・ボース粒子とフェルミ粒子の違いを説明できる。 ・摂動論の具体的計算が出来る。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.角運動量(1)昇降演算子
準備学習:極座標と球座標について復習しておく。 2.角運動量(2)行列表示 準備学習:各種の角運動量演算子間の交換関係をまとめておく。 3.角運動量(3)球面調和関数 準備学習:ルジャンドル陪関数について調べておく。 4.角運動量(4)合成 準備学習:昇降演算子の議論を復習しておく。 5.電磁場中の電子 準備学習:電磁気学の電場・電位・磁場について復習しておく。 6.中心力場中の動径関数 準備学習:古典力学の中心力場について復習しておく。 7.水素原子の量子力学的記述 準備学習:水素原子の波動関数について調べておく。 8.量子の統計と原子の電子配置 準備学習:元素の周期表について調べておく。 9.フーリエ変換と不確定性原理 準備学習:フーリエ級数展開について調べておく。 10.摂動論(1)基本的な考え方 準備学習:数学の級数展開について復習しておく。 11.摂動論(2)時間に依存せず縮退の無い場合 準備学習:調和振動子の生成消滅演算子とエネルギー・スペクトルについて復習しておく。 12.摂動論(3)時間に依存せず縮退がある場合 準備学習:縮退のない場合の摂動論を理解しておく。 13.摂動論(4)時間に依存する場合 準備学習:時間に依存しない場合の摂動論を理解しておく。 14.授業内容の振り返り 準備学習:定期試験で解けなかった問題の解き方を考えておく。
- <成績評価方法>
- 授業中不定期に課す課題30%、試験期間に実施する授業内容全てを範囲とする学期末試験70%でGrade評価し、D以上を合格とする。
- <教科書>
- 指定しない。プリントを配布する。
- <参考書>
- 猪木慶治・川合光『基礎量子力学』『量子力学1』『量子力学2』講談社サイエンティフィク
原康夫『量子力学』岩波書店 前野昌弘『よくわかる量子力学』東京図書 清水清孝『シュレーディンガー方程式の解き方教えます』共立出版 鐸木啓三・菊池修『電子の軌道』(化学 One Point 7)共立出版
- <オフィスアワー>
- 授業後教室で受け付ける。
- <学生へのメッセージ>
- 原子などの振る舞いが量子力学の基本原理から計算して説明出来る事を、学生諸君にも確かめてもらう事を期待しています。固体物理学等の物性や化学、素粒子物理学を理解するための基礎にもなります。是非、自然界の真の姿の理解にチャレンジして下さい。
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