2018年度工学院大学 先進工学部応用物理学科
量子力学I(Quantum Mechanics I)[1E33]
2単位 渡部 勇 非常勤講師
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 量子力学の数学的・理論的基礎を理解すると共に、代表的な問題を具体的に解ける様になることをねらいとする。
- <受講にあたっての前提条件>
- 「量子物理学」を修得していることが望ましい。「応用力学II」も履修しているとなお良い。
- <具体的な到達目標>
- •トンネル効果を理解し、透過率と反射率を求められる。
•束縛状態に対してシュレーディンガー方程式を適用し、エネルギー固有値を求められる。 •生成消滅演算子を用いた代数的解法が理解できる。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.量子力学の誕生と必要性
準備学習:「量子物理学」の内容を総復習しておく。 2.複素数と波の表現 準備学習:オイラーの公式を復習しておく。指数関数の性質を復習しておく。 3.前期量子論:物質波とボーア模型 準備学習:等速円運動の力学について復習しておく。 4.シュレーディンガー方程式 準備学習:力学的エネルギーについて復習しておく。 5.観測と演算子 準備学習:重み付き平均や期待値について復習しておく。ベクトルの基底や内積について復習しておく。複素共役について復習しておく。 6.量子の運動と確率の流れ 準備学習:連続の式について調べておく。 7.透過と反射・トンネル効果 準備学習:三角関数と双曲線関数の関係について調べておく。 8.微分方程式の解法と演算子 準備学習:これまでに習った微分方程式とその解について総復習しておく。 9.井戸型ポテンシャルとパリティ 準備学習:古典力学の単振動の運動方程式の解法を復習しておく。三角関数のグラフの形を復習しておく。 10.行列と固有値 準備学習:正方行列の固有値と固有ベクトルの求め方について復習しておく。 11.調和振動子(1)生成消滅演算子 準備学習:演算子の交換関係とエルミート演算子について復習しておく。 12.調和振動子(2)ブラ・ケットと行列表示 準備学習:行列の積について復習しておく。固有ベクトルの求め方を復習しておく。 13.調和振動子(3)エルミート多項式 準備学習:エルミート多項式とエルミート方程式について調べておく。 14.授業内容の振り返り 準備学習:定期試験で解けなかった問題の解き方を考えておく。
- <成績評価方法>
- 授業中不定期に課す課題30%、試験期間に実施する授業内容全てを範囲とする学期末試験70%でGrade評価し、D以上を合格とする。
- <教科書>
- 指定しない。プリントを配布する。
- <参考書>
- 猪木慶治・川合光『基礎量子力学』『量子力学1』講談社サイエンティフィク
原康夫『量子力学』岩波書店 前野昌弘『よくわかる量子力学』東京図書 清水清孝『シュレーディンガー方程式の解き方教えます』共立出版
- <オフィスアワー>
- 授業後教室で受け付ける。
電子メール(kt13229@ns.kogakuin.ac.jp)でも随時受け付ける。
- <学生へのメッセージ>
- 量子力学は、常識の通じない世界です。これまで学んだ物理と数学の力をフルに使って自然界の真の姿を明らかにして行ける事に感動しながら、学んで行って下さい。
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