2018年度工学院大学 先進工学部環境化学科

化学工業総論(Chemical Process Industries)[4N43]

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2単位
松下 康一 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
化学産業は金属や火と電気の利用とともに文明の基礎であり、現代の文化は化学工業の発展に深く依存している。貴重な地球資源を利用・加工し製品化する際に、原材料、用役、工程上の無駄を廃し、副生物を別の製品として活用するという、先人の技術開発の努力を知り、更に、天然にはない「夢の新製品」が一歩使い方を誤ると環境汚染や人の健康被害を起こす事実を認識することで、化学技術者が社会で果たすべき役割を確認する。

<受講にあたっての前提条件>
各回講義内容の理解不足や不確かな点は次回までにおさらいし疑問点は問合わせる用意をする。

<具体的な到達目標>
● 化学工業の分野別盛衰の歴史を理解し、今後求められる産業技術分野を自分なりに考えられる。
● 化学工業における新技術と改良技術がどのように開発され展開されてきたかを理解する。
● 現代の化学産業の原料から中間製品を経て最終製品までのモノの流れを理解する。
● 世界的にみた化学原料、製品とエネルギーの流れを理解する。
● 化学工学技術者が社会で果たすべき役割を自覚する。

<授業計画及び準備学習>
授業計画
3Q1.ガイダンス、化学工業の社会的・経済的重要性と特徴   9月13日
3Q2.化学工業の歴史   9月20日
3Q3.無機化学工業(1)硫酸、塩酸、苛性ソーダ、塩素、水及び窯業   9月27日
3Q4.無機化学工業(2)アンモニア、硝酸とその利用   10月4日
3Q5.天然ガスとC1化学   10月11日
3Q6.石炭化学、製鉄副生品の利用   10月18日
 【 中間レポート: 10月18日出題、11月1日提出期限 】
3Q7.石油精製: ガソリン、灯軽油と石油化学原料の生産   11月1日
4Q1.石油化学工業(1)エチレン、プロピレン製造とその誘導品   11月8日
4Q2.石油化学工業(2)BTXの製造とその誘導品   11月15日
4Q3.石油化学工業(3)汎用合成樹脂   11月29日
4Q4.合成ゴム、合成繊維、高機能材料、複合材料   12月6日
4Q5.生物化学産業: 脂肪酸、油脂、有機酸、石けん、香料、化粧品   12月13日
4Q6.化学工業における単位操作と装置、化学工業の将来   12月20日
 【 期末レポート: 12月20日出題、1月18日提出期限 】
4Q7.授業の振り返り、疑問点の確認   1月24日
準備学習: 各回講義後の理解度の小テストの解答内容を再確認しておく。

<成績評価方法>
以下の3区分で採点し、到達目標をある程度達成した者(6段階評価のD以上)を合格とする
・各回講義後の理解度の小テストおよび出席点  合計配点比率=1
・中間レポート(講義内容から選択)  配点比率=1
・期末レポート(講義内容から選択)  配点比率=2

<教科書>
事業前(1週間前を目途)に資料をキューポートで配布し教材とする。指定教科書はなし。

<参考書>
参考書については、指定参考書はないが、関連する参考書・文献等を最初の授業の際に紹介する。

<オフィスアワー>
講義内容等についての質問は教室またはメールで受付ける。
講義日の講義前(16:30〜)に、講師室でも受付ける。

<学生へのメッセージ>
化学技術者は、先人の業績を踏まえて新製品・新プロセス開発に果敢に挑戦していく。一方で、新技術に伴う環境保全上の副作用や課題点を明確にし、実用化の是非を慎重に判断し、適宜見直す能力も望まれている。実用化され使用され続けている技術と、今や使われなくなった技術の違いにスポットをあて、「なぜ」世の中から求められているかについて、一緒に考えていきましょう。


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