2018年度工学院大学 先進工学部応用化学科
無機固体化学(Inorganic Solid-state Chemistry)[2E28]
2単位 大倉 利典 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 最近の「固体の科学と技術」の進歩はめざましく,とくに,環境材料,エネルギー材料の分野が急速に発展している。これらの材料(物質)を化学の立場から,構造・反応・物性に着目して考えてみよう。本講義では,無機材料を「固体の化学」として,構造論や反応論の基礎的事項を中心に概説する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 無機化学の基礎を理解していること。
- <具体的な到達目標>
- (1) 結晶構造を理解し,その把握と描写が的確に行えるようになること,ならびに一般的な酸化物や鉱物について,構造の観点から諸性質の理解ができるようになること。
(2) 化学結合とその結果形成される結晶に関する知識を用いて,相転移や固相反応などを理解する。 (3) 原子,イオン,分子などのレベルで「特性(機能)」を理解できる。 (4) 化学結合や固体構造が「特性(機能)」とどのような相関性をもつかを理解できる。
- <授業計画及び準備学習>
- A 固体構造論
1. 化学結合と結晶構造 (1)単位格子と晶系 2. 化学結合と結晶構造 (2)ブラベー格子とミラー指数 3. 化学結合と結晶構造 (3)イオン結晶 4. 化学結合と結晶構造 (4)共有結合性結晶(5)結晶構造の分類と相互関係 5. 結晶構造と格子欠陥 (1)格子欠陥の種類と表示法 6. 結晶構造と格子欠陥 (2)内因性格子欠陥と外因性格子欠陥 7. 無機結晶とガラス (1)単結晶と多結晶(2)固溶体 8. 無機結晶とガラス (3)結晶とアモルファス(4)ガラスとガラス構造 B 固体反応論 9. 相転移 (1)固相転移(2)多形転移と転移速度 10. 核生成と成長 (1)均一核生成と不均一核生成(2)結晶成長 11. 核生成と成長 (3)ガラスの結晶化(4)結晶化ガラス 12. 拡散とその工学的応用 (1)拡散の法則―拡散の種類(2)拡散とイオン伝導 13. 拡散とその工学的応用 (3)固相反応(4)焼結 14. 学習内容の振り返り
準備学習:授業計画に記されたキーワードについて調べておくこと。
- <成績評価方法>
- 授業にきちんと出席することが成績評価の前提である。授業内に実施する演習課題で平常点を算出するとともに,試験期間に授業内容すべてを範囲とする学期末試験を実施する。平常点と学期末試験の割合は2:8とし,A+〜Fの6段階評価でD以上のものを合格とする。
- <教科書>
- 講義資料をポータルシステムにより配布する。
- <参考書>
- 工学のための物理化学(第1章、第4章)永井・片山・大倉・梅村 著(サイエンス社)
- <オフィスアワー>
- 火曜日 13:00〜13:30(新宿校舎A-2066号室)
- <学生へのメッセージ>
- これまでに学習した「数学,物理,化学,無機化学,物理化学」などの科目が基礎となるので重点的に復習すること。固体の物性論は,3年次Q後期配当の「機能性先端材料」で取り扱う。
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